塾日記. 2001.12.1−12.31 12月2日.日曜日. 年賀状書かないとね. 卒業生、退会生、含めれば100名ほど. 東京で教えていた時はそんな習慣が無かったので出したことが無い.今思えば寂しい. 我々にはそれしか財産無いからね. これからポストランドで作る. しみじみ1枚1枚あれこれ思いながら作りたいが、忙しい中でだ。とにかくまず作らなくては. 「馬」で10問いつものように新春クイズを考える. わしの年やで.わし馬年や.年男や. 今年も12月25日から4泊5日で勉強合宿. これはいいんだよ. 日頃まったく勉強したことの無い奴ばかりだから、しんどい思いするのはそれだけでいい経験.自分が見えてくる.自分に気づけるチャンスになる. 教室参加は3人しかいないが、目一杯かまってやりたい. 毎年ほかの教室の子にも呼びかけて朝10キロ走ることにしていたが、この夏はしなかった.なんか熱血先生みたいでみっともないしと思い始めてしまったからだが、今年は呼びかけよう. 後は期末面談だ. これも大変だがやらなければ.教室でやるか、それとも家庭訪問でやるか.すぐに決めてしまおう. そして後はファックスで行う「読解・作文教室」の配布用とWEB用の文章考える. この「読解・作文教室」うまくいかないとお終い. 何だな.きっと. 12月5日.水曜日. 気にしてた4年生の女の子. 別に何事もなく来た. ほっとした. でも見てるとちょっとこっちを伺っている気配がある.こっちが伺っているのを向こうも知って、なんとなくお互い安心し合った.たぶん. 今日はいつもよりたくさん、見た. 顔を見た. 2001年12月7日0:33 そういえば年賀状だ. 忘れていた. 早く書かなければ. 来年は午年だから午年クイズを作らなければならない.生徒たちにそのことを言ったら先生のクイズ難しいからいや、と去年のことを言われた. そしてあれは分かったけれど、あれは分からなかった.そうだ、そうだ、あれは訳わかんなかった.調べたけどのってなかったと言われた. ぼくとしては既に何を書いたのかをすっかり忘れていて、言われてみてそういえばそんな問題を去年は作ったなと、やっと思い出した. ちょっとうれしかった. 何だけっこう考えてたんだ.よく覚えてるな. 勉強は覚えてないのに.でもまぁうれしくはあるな. 1年たって分かったよ. ● ウシウマはウシかウマか? ● 馬は英語でなんと言う. ● ガリバー旅行記でガリバーが訪れた「馬の国」の馬はどんな馬? ● 馬の耳に□□□□. ● 馬の年齢はどこを見ると分かる? ● ユニコーン、ケンタウロス、ペガサス.翼のある馬は? ● うまへんの漢字を3つ. ● イエス・キリストはどこで生まれた? ● 聖徳太子はどこで生まれた? ● 竹馬の友、なんて読む? まずはこんなとこで今年は行こうか. できれば算国理社英で小1から中3までカバーできる問題. 調べれば分かる問題.親に聞いて分かる問題. 分かってうれしい問題. 分かった後、何かほかのことにつながるきっかけとなる問題. まっ、あんまり深く考えずにさらっと行こう、さらっと. 算数がない. 馬で算数? 寝よ. 12月7日.金曜日. 年賀状、ポストランドで作るのは辛いわ. 窓が極端に小さいので目が疲れる.変換も悪い.容量も小さい.印刷は遅い. よくこんなので作ってるよ. 買って一度作ると住所録残るから次も使う.で、離せなくなる. 生徒用、卒業生徒用、会社関係、受験生、親用. 5種類作る. あとインク代だな.黒が600円.カラーが倍はしただろうか. 金、土で完成させないと. 2001年12月9日15:49 インクを4本4本、計6000円. はがきは150枚.7500円. かなりかかる.節約のときに厳しいが、しょうがない. それにしても1枚印刷するのにポストランドは5分かかる. 150枚であれば750分. おいおい、12時間半かよ. 隣りでギコギコいっている. 退会した生徒にも送る. 色々やはり思い出す.教室での事、遠足に行ったときの事. やめた子は半分は経済的な事情、半分は大手他塾へ. 悔しい思いや辛い気持ちも思い出す. だがそれも全部受け入れて、特に今年受験の子にはエールを送る. 人生背水の陣. 人間万事塞翁が馬. この2行を受験生には書いた. これ私のこれからの座右の銘にしてもいい. まったく背水の陣. 後ろがないよ. 来年の春はどうなっているのか. 受験生の心配ばかりしてられない. 12月13日.水曜日. おこらない、怒らない. 怒るのは感情に引きずられた結果. 感情に引きずれた時は正しい判断は消えている. その子にとってのいい事は消えている. 怒ってすむのは、自分のストレスだけ. 怒らない怒らない. いつも原初の目で生徒を見る. 初めて見る目で正面に生徒を据える. 12月15日. 土曜日. 面談週間.1時から11時まで.間に授業はさみ母親たちと話す. 遅刻していい訳一つして後は平気な親、自分の子を分かっていない親、高い金払ってんだから、もっと成績上げてくれないと割に合わないと言う親.こちらの言うことは聞かずいいたい事だけ言いつづける親. もちろん大部分はきちんと話のわかる親だか、2,3人のそんな親と話すと疲れる. 面談で会うほとんどの親も自分より年下になってしまった. まともな教育を受けてこなかった走りの世代だ. 生き方を学べず、良き価値を笑う事でしか自分を確かめ得ない、社会的関心、他人への想像力を娯楽の時代に吸引され、自分の曖昧で浅はかな感覚的欲望だけを第一に生き来ざるを得なかった世代だ. その子供たちが17歳、14歳だの言われて問題を起こしている. 全ては親に問題がある. そんな親に会う. そんな親の子供を治している. そんな事は親には言わない. 言っても分からない. 疲れる面談もあるのだ. 12月16日。日曜日。 今週は合宿の勉強。 とりあえず会いたくない嫌いな親との面談も終わったし、来週は淡々と終えていけばいい。 次は合宿。 しかし集まるだろうか。人数。 6万はけっこうな金額だ。 僕の教室でも金額的に無理の子がいる。 心配だ。 12月19日。水曜日。 10人の親に感謝されても、馬鹿な一人の親の理不尽な言葉に3日ほど、むかつく。 人間ができていない。 反省する。 12月22日。土曜日。 25日から29日まで勉強合宿。 しかし今回は自分の教室からの参加者がいない。 例年いつも年の終わりは勉強合宿だった。 合宿最終日は朝5時に起きて全員での10キロ走だった。ほかの教室の子たちがびっくりしている中、砂浜を走った。 今回は中3は3人しかいなかったが、2人は私立推薦で決まり、他も経済的にこの不況無理とのことで、参加者なし。 去年も推薦で決まった子はいたが参加した。去年の3年は良いチームだった。 今回は参加者なし。 寂しい。 がっかりだ。 まあしかし、全力を尽くそう。 他教室の子に思いぶつけよう。 そしてこの年終えよう。 新しい年迎えよう。 気持ち切り替えよう。 12月24日。月曜日。 明日から合宿。 自分の教室の子がいないと意外と気が楽か、とも思う。 ただ講義に集中すればいいだけかとも思う。 と思っていやいや、合宿で出会う初めての子たちにだからこそ余計に一期一会で全力を尽くさなければならないとも思う。いやそうでなければならないのだ。 当たり前のこと忘れる。 自分の教室の子がいない合宿が初めてなので、油断してる。 まずい。 木を入れろ。 もっともっと気合入れて、一人一人の目、しっかり見て教えろ。 注ぎ込め。 注ぎ込め。 感じ取れ。感じ取れ。 2001.12.25.館山。 12月25日。火曜日。生徒へのメール ここ館山は曇り空、風も強く、寒い。 しかしさすがに中3生は、元気が良い。 すでに覚悟を決めているのだ。 朝の9時半から夜の10時まで授業。 間には食事と風呂だけ。 さらに夜食をとったあと12時まで自習。 入試ガイダンスや模擬面接もこなす。 初日は11時に開校式を終えて昼食。 さっそく午後から勉強に入った。 先生は読解と古文、作文を担当。 小説の読解は、主人公の心情を表す言葉と、主人公の思い、考えを示す文章にそれぞれ別の線を引きながら読み進めていく作業を行う。 一行一行を丹念に効率よく読むための練習だ。 この癖をつけておくと読みも速くなり、内容も自然と浮き上がってくる。 夏の合宿でも行ったが、全員が身についているわけではない。 繰り返しが大事だ。 みんな真剣に鉛筆を走らせながら、問題を解いていく。 あっという間に時間が過ぎる。 問題を解き終えるとふ〜と誰からともなく安堵のため息がもれる。 なかなかにみんな真剣だ。 しかし生徒も大変だが、教えるこっちもしんどい。 一人一人のテキストを見、引くべき所に線が引かれているかどうかをチェックして回る。 いつもなら真っ赤な大きな夕日が岬に沈んでいくのが見えるのだが、今日はぶあつい雲が空をおおっていて夕日は見えなかった。 しかし雲の間からにじんでくるかすかな夕日の輝きも、なかなかきれいなものだ。 今回はいびきのすごい先生が同室ではないので、ゆっくり眠れそうだ。 持ってきた耳栓をケースに戻す。 2001.12.25 12月26日。水曜日。 12月26日。水曜日。 今日の授業は説明文。 接続詞に気をつけ、読む。 「しかし」なら前と反対の意味、「たとえば」なら具体的な例、「つまり」はまとめを、「したがって」や「だから」は結論が次に続く。 「ところで」だと話は変わるし、「また」なら同じレベルの内容が並ぶ。 それを予測しながら読むと読みは速くなるし、内容もしっかりとわかる。 そして説明文は段落ごとにまとめる。 次に段落ごとの関係を考える。 そしてキーワードを探す。 大体は漢字で3字4字と続く目立つ言葉がキーワードだ。 今日は空いた時間を狙って、10キロほど走った。 この「夕日海岸ホテル」は1月27日の館山マラソンのコースの途中にある。 スタート・ゴール地点から1キロほどのところにあるホテルだ。 ゴールまであと5キロからが海岸沿いになり、海からの風がきつくなる。 今日も風が強かった。 1月27日は風が弱いことを祈りながら走った。 あと1分52秒なのだ。 3時間切るまで。(ーー;) 今シーズンこそは3時間を切って、サブスリーの仲間入りをしたい。(^o^)丿 12月27日。館山。 今日の授業は作文。 作文は私立・公立の推薦入試では、600〜800字を50分、学力テストの中では、150〜200字を10〜15分の間で書かなければならない。 推薦入試の作文は各校それぞれさまざまの課題が出される。 今回の授業ではまずは基本、『高校の志望理由』『中学時代の思い出』 『高校に入ってやりたい事』『10年後の私』 さらに書ける人は『最近のニュースで気になる事』『私が大切にしている事・物』『好きな本、映画、言葉について」等々 学力テスト用では、『体に関する慣用句を用いて、200字以内で文章を書け』 を行った。 なかなかみんな苦戦。 大きな事を一般的に書いてしまい、まとまらなく傾向がある。 作文の採点官が見たいのは、その人自身の物の感じ方・考え方。 だから自分の経験や考え方、感じたことを具体的に書くことが必要になる。 だから作文対策は、文章を書く技術力以前に、いつも高くアンテナを張って、今自分の身の回りで起きている事に注意深くあること。 そしてその事に対し自分が感じた事、考えた事を大事にすること。 そしてその事について自分で考えてみる。 それらを、日頃から行っていることが作文を書く時に何よりも大事になるのだ。 作文を書いていく時の技術は、そのあとでつけていくことができる。 インターネットを含めて、情報の量はさらに増えて続けている。 あれもこれも知らなければならない。知っておかなければならない。 と、情報に追いかけられ、巻き込まれ、わけがわからなく。 逆に情報から背を向けて、自分だけの狭い世界に閉じこもる。 今ありがちな態度だ。 自分の感受性、感覚を信じること。 自分の感受性と感覚を磨くこと。 そして、自分の回路を通して物事を見、感じ、言葉にしていく努力をあせらず、あきらめず行っていくこと。 作文を上手に書くためのコツはそんな自分の生きる姿勢にあると 12月28日。金曜日。gatu12月28日。金曜日。館山。 今日の授業は古文。 古文には慣れが必要。 現代語訳を横において、古文を声に出しながら読む。 3回読む。 そして今度は違う文章で同じことを繰り返す。 10回繰り返す。 それだけで、ずいぶんと力がつく。 県立の問題では、話の筋が問われる。 誰が、いつ、何を、どうした、何が、どんなだ、ということをだ。 だから細かいところは気にせず、全体で何を言っているのかを理解することが必要。 授業ではまず先生が音読、そして一人一人に音読。 それだけでも物語や、随筆の内容はぼんやりとでもわかってくる。 ただみんな勉強の量が足りない。 古文に限らずだ。 もっともっと自分に厳しくしてもいい。 今日も走った。 太陽の光が柔らかく、潮風も心地よい。 砂浜の砂もさらさらと、沖ではかもめが群れている。 今日は疲れていて、いつものいびきが鳴り響いているにもかかわらず、ぐっすりと眠れた。 睡眠時間は1日、3,4時間。 朝は生徒たちを叩き起こさなくてはならないので、ゆっくりもできないのだ。 先生も大変なのだ。 明日で最後。 そう言うと、あっという間だった、もっといたい、と生徒たちが言う。 ××合宿OB会なんて、いいジャン。 という。 へぇ〜〜と思う。 ちょっと嬉しい。 112月29日。館山。 最終日だ。 最終日は午前中で授業が終わる。 午後、閉校式でみんなの顔を見渡すと、全員の顔が引き締まっているの気づき、びびる。。 やっぱ、がんばらせて良かったとつくづく思う。 (>_<) バスを待つ間、みんなメールのアドレスを交換し合っている。 試験場では一人だけど、そこに行くまではみんなといっしょだ。 それがこの合宿で得るものの一番大切なことかもしれない。 寝不足か右の歯が痛い。 歯というか、あごというか、こめかみというか、頭というか、体がグタグタになっている。 でも先生としては満足感でいっぱいだ。 みんなこの合宿を自分の大事な経験とし、自分のこれからの人生に役立ててほしいと心から思う。 (T_T) 受験生、いよいよラストスパートに入る。 12月30日。日曜日。 作るんだ。「読解・作文教室」 |