2001.1.15.〜31 塾日記. 1月15日. 先週は今年の目標を書かせた. 12月から持った新しい子たちだ. 確かにこの世の中,まともに考えると,夢も希望もない.親は子を殺すし,子も親を殺す.子供たちは共食いで殺し合い,政治家は自分の先行きしか考えない. 地球の環境は人間が破壊しつづけ,それで地球に優しくという. いい加減な大人といい加減な子供のいい加減な世の中. そこで夢も希望もないだろう.彼らはと言う. わかる.よくわかる.その通りだ. だから言う. この世の中は,我々大人が壊した. 昔は来年はもっと良くなり,10年後はもっと良くなり,20年後はさらに良くなるとみんなで思い,目先の幸せに地球の環境を壊しつづけた. それは大人の責任. そしてその大人にもうやり直しの意欲も力も能力もない. もう一度この地球を再生できるのは,あなたたちだ. あなた達しかいない. 大人は知らぬうちに地球を壊した.心の中で悔いている.恥じている.そしてもう動けない. 親を見ればわかるだろう.あなた達の親を. この地球を生き返らせることのできるのは,新しく始められるのは,あなた達しかいない. 夢とか希望とかの話ではない. 夢が無く希望も無い所から始めるしかないのがあなたたちだ。 辛いだろう。 確かに辛い。 しかしやる人間がいないのだ.あなた達しかいないのだ. 申し訳ないと思う. 脳天気な大人を軽蔑してもいい。しかしその時間があるのなら,始めてほしい。始めるための時間にあててほしい。 そう言った。 がんばってほしい。頼む。 と言った。 1月18日 私立の推薦の発表があった。 とりあえず全員合格。 これはほぼ確実に合格となるものではあるが,ほっとする。新しく持った中3の子たちも,ほっとしたのか,今日はえらくリラックスして話し掛けてきた。 やっぱ直前緊張してたんだわ。 なついてくれないのかな,通じないかなと思ってたが,今日のうれしそうな顔と饒舌に,ほっとしたよ,こっちも。 しかし1月,2月,合格したから良いでななく,もうちょっと学力上げたい。 だってかなりまずいぜ,みんな。 英語は中2レベル。数学は図形も関数も全くダメ。 国語では漢字読めない。 せめて漢字だけでも読めるようにして卒業させたい。 みんないい子達ばかり。 たかが漢字が読めないぐらいで馬鹿にされたくない。 たかが勉強ができないくらいで馬鹿にされたくない。 1月25日 1月に入って5時から10時まで毎日通塾している中3男子がいる。 学校では先生と折り合いが悪く,いつも問題を起こしている。家でもその結果両親から怒られ続けている。 ロックとアニメおたくで,口ばかり調子よく,学校でも家でもまるで信用がない。 中2の時からだが,数学は中1の最初から始めた。 なぜか気が合う。 本人の笑いのポイントとぼくのポイントとが合うのだ。 また根っこの所が真面目なのだ。まっすくなのだ。それで時に周囲と合わなくなる。口が調子よく回ってしまうので,その根の真面目さが隠れてしまう。損しているのだ。 といってそれでひがんだり,めげることはその調子のよさでないので,それでまた損する。 12月になって受験直前というのに受験生の真摯さが見えないということで,またもめた。 塾では言った事を守り一生懸命やっているのに学校と家ではダメなのだ。 そこで1月からは5時から10時まで,7時からは30分休みを入れているが,きちっと進めている。 たいしたものだ。 周囲の思いより上のランクを合格させたい。 世間を見返してやろうと言い合っている。 1月27日。 小学校の4年から見ている女の子。今中3. 素直で真っ直ぐでよく笑う可愛い子。 言った通り宿題もやり,サボらない。しかし今ひとつ成績が伸びないままここまできてしまった。 テストで点を取れない。 ついうっかり忘れる,つまらないミスをする。 根が楽天的だから気にしない気にしないで来てしまったのか。 しかし本人もいい点を取りたい,どうしてうっかりミスが続くのかと悩んでもいる。 このままだとワンランク志望校を落とさなければならない。 小学校の時も何度もイベントで遠足に行ったし,合宿でもがんばったし,思い出はたくさんある。 昨日だってどしてかな,なにがたりないかなぁと二人でしみじみした。 やっただけの事の見返りがもうちょっとあっていいと思うのだが。 なんか神様,いたらよろしく。 |