2001.1.1~15 塾日記. 1月2日 頭が痛い。学校からの推薦を蹴った子がいる。 世間では偏差値も低く見られまあ確実な押さえ校というところへの推薦だ。 だから本人のプライドが許さなかったのだろう。そして本人は辛い所を選んだ。模擬試験では合格可能性30パーセントの所だ。 長い間本人に自立への意志があった。それを表現,表明する機会がなかった。それが今来たのだろう。受験という場で自分を表現したいのだろう。 どこまでサポートできるか。意志はあるが具体的な方法も力もない。点を取ること。点を取らせること。受験を彼にとっていい機会にすること。 とにかく効率良くむずかしい事はやめ,取れるところだけは徹底的に取れるようにすること。どこまで支えられるか。 頑張るしかない。こちらも。しかしもっと考えろよ。いいけどさ。(T_T) 1月4日. 湯島の天神様にお参り. 中3にお守りを買いにいく. 拍手を打ち一人一人を思い浮かべ,志望校の合格を祈る.ところが12月から持った中3,10人はなかなか顔と名前が思い浮かばない. 必死になって思い出す. おかげで,10分近く,合唱したままフリーズ. 忘れたまんま帰るわけにはいかないからね. 1月8日。 6日は実力テストをした。 まだ帰省中の子,ハワイやグアム,スキーに家族で行ってる子もいて,出席は7割ちょっと。この5年ほど,学校に食い込んでもみんな休みは家族でとる。この時学校なんかいいからと親が両方言うと子供が学校を馬鹿にする。そんな親が多い。 しかし昨年,成績もなかなか上がらず,来年からは1週間ごとに宿題ができたか,復習もしたかを評定し,できなければその週の日曜日に家庭教師に行って1週間のできなかったところをやる。と面談で言った中2の女の子がテストを受けに来た。 受けても平均が20点から30点は行かないことは僕も本人も分かっているのだが,よく来た。今年はやる気があるのか,起きたのか。もっとも日曜日に押しかけられたくないのだ。こっちだって押しかけたくはないが,しかし揺さぶることが必要。なんか今年は一歩前に進みたい。 いい子なのだ。部活も係りも人に言われた事,言われないことも引き受けやってしまい,自分の事は全然おっぱらかし。何とかしてやんないとと思う。 いよいよだなぁ〜〜気合気合気合だろう。 1月10日. 中3にお守りを渡す. 12月からの子たちは勉強へのやる気はなく,ここへきてしっかりしろと説教ばかりしてるのだが,お守りをもらう時は,急に恐縮して,両手で真剣な顔になって受け取る. やっぱいい子たちだし,当然だが試験は気になっているのだ. 短すぎる期間しかないが,ここから上げていき,これまでした事のなかった質と量の勉強を経験させたい.と思う. 1月13日. 小3.男子.計算も漢字もダメ.整理整頓もダメ.学校でもいじめられ気味. すぐにいじけ,机の下に隠れて泣く.しかしそれは演技. また演技であることを自分も心得ていて,受けないときはすぐやめる. 心優しく,人の心の揺れ動きを感じ取れる.自分の弱さに食われそう. 自分の弱さを優しさのせいにする.自分は優しいから,弱い.いじめられる.だから自分が弱いのは優しいから.ということで自分自身を正しいと考える. 自分自身が正しいと感じている.そしてその感じ方には頑固さがある.何もできない自分は自分が正しいからと思っている. 3学期,最初の授業.小説を書いてきた.宿題を全て忘れた. 歩いて30分.家に取りに帰らせる.戻ってきた時にはもう帰らせなくてはならない. 小説を書くのは良い.彼にとって絶対に必要な事. だからといって,決めた宿題を頭の外に置きっ放しにして,それを良しにしたくはなかった. 最初の授業,成立せず. 決めたことができない弱さを小説を書くことで帳消しにするのは違う. そこを言いたかった. 弱さから詩や小説は生まれるが,弱さを支える強さを作ろうとする意志がなければ生まれた文や絵や音は育たない.そう思った. 来週彼は宿題をやってくるか.
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