12月15日〜12月31日。 学期末面談。 今の所問題はない。成績の悪い子は学校の方で早々とランクを落として推薦で押し込んでしまう。 その時こちらのデータと合わせ、問題なければそれで終わり。しかし低すぎる場合はすぐに学校へワンランク上げてもらうように母親に言ってもらう。たいがい通る。 逆に大丈夫かというような所を推薦で出すようなときは学校の先生にそれで通るかどうかを確認してもらう。ちゃんと先生考えてない時もある。 今日はそれっぽいのがあったので、確認をとるように言った。そのままオーケーであれば杞憂となる。 25日から、中3の勉強合宿。いい思い出作りにもなる。最終日は引きつれて早朝マラソン10キロを行う。 来週中2の面談。家で全く勉強しない子達のために、小学生が夏休みにやる1日スケジュール表を作らせる。情けないが、必要だ。精神年齢は中2で小6。1日の送り方も手取り足取り言ってあげないとだめ。来年中3で受験となれば、いまやってやらないとダメ。 情けない話だが、もちろん皆がそうだと言うわけではないが、そんなもんだ。 12月25日.月曜日 ここ、館山では午前中は海が緑で、とてもきれいだった. ところが午後になって風が吹き出し、部活帰りの中学生は自転車に乗れず、やがて、波が風に飛ばされ、雨でも降っているよう. 沖合いに停泊している船も、次第に岸に近づき、サーファーも気がつくと見えなくなり、ちょっと気になる. 子供達は11時の開校式のあと午後から授業開始. 各自が選択した科目を黙々とこなしている. 50分の授業の後、10分の休み、それを繰り返し、夕食、おふろ、そしてまた勉強、勉強、勉強を繰り返す. 夜は面接、作文の練習.補習. やはり受験生だけあって、ちょっとは違う. そりゃま、そうだろ. ここで遊ぶ奴などいない. と思ってたら、うちの教室の子が、真夜中、寝ていなければいけないのに、他の部屋へ行って、カードゲーム、おしゃべり、おしゃべり. やってくれたぜ. 元気があってよろしい.か? 説教垂れる. 確信犯ならオーケー. なんとなく、浮ついてならふざけるな! 後者. 怒鳴りつける. 12月26日.火曜日 今日も館山の波は高い.上空を一羽の鳥が風に向かって飛んでいる.大きく羽ばたいているが、前には進まず、同じ空を飛んでいる.しかし何かそれを楽しんでいるようにも見え、しばらく見上げている. 僕の担当は国語と作文. 作文は面白い. テーマ「10年後の私」 みんな24とか25になっている.社会に出たての頃だ. 地域と密着した警察官、海外での災害救助を目的とした自衛官、犬の訓練士も兼ねた獣医、ファッション雑誌の編集者、子供に夢を与えるアニメの声優、人が5年経って住み心地の良さが分かるような家を作る建築士、デザイナー、海外で日本の危機を救う商社マン、保育園の保母さん、数学の教師、図面から書いて実際に釘も打つ大工、など、みんながそれぞれ具体的に書いてきた. ちょっと感心した.それぞれの希望の理由が、具体的で自分自身の経験から生まれているのが良かった. 父親、母親、また祖父、祖母の生きる姿をしっかり見ているのだ.また見ていないようで、世の中の動きも見ているl. そういうことが分かるのが作文だ. 次回のテーマは「30年後の私」 もう親になっているはず.どんな自分を思い浮かべるだろうか.しかし眠い.次の授業の後3時間ほど空きがある.ここでリフレッシュ. 12月27日 水曜日 作文コース.「30年後の私」 ここでは自分がどんな大人になっているのか、どんな父親母親になっているのか、どんな家族を作っているのか、息子、娘とどんな関係を結んでいるのか、何を望み、何を不安に思っているのか、仕事はどうなっているのかを想像してもらった. 多くの生徒達は、いま自分が親にかけている心配や迷惑を、親になったとき自分の子供からもかけられているだろうと想像した. そして親になるのは大変なことだと書いた. 母親の役割をちゃんと果たしたいと書いた女の子は、そうでない今の家庭の寂しさを書いた. また会話があり、一家がそろっている家族、心配事や悩み事を打ち明けられている親を想像した生徒達は、その理由として現在がそうでないからと書いた. 父親になるのが不安と書いた子もいた. 楽しい30年後はみな今の裏返しだった. 場が盛り上がれば盛り上がるほど、色々あるのだ. 12月28日.木曜日 「いじめはなくなるか」 全員がなくならない. ストレスの発散にいじめは一番. 弱肉強食のこの世の中,学校も同じ.弱いものはいじめられる。 いじめられる者にも責任ある.学校でもそういっている。 暗い,こそこそしている,目立っている. 世界にだってアパルトヘイトがあった. 日本にだって江戸時代から村八分があった. 人間の心そのものに弱いものをいじめ自分を守ろうとするプログラムが埋め込まれている. いじめは本能. 人類はリセットするしかしない. 一度積み上げた積み木細工は全部壊すしかない. だからいじめはなくならない. 続いた.みんなあっという間に書いた. そしてそれは予想通りで,やりたかった事は,にもかかわらず,救済の方法はないか,色んな条件をつけていいからそれを考えてみようと進める. まずいじめる相手のうち,顔が不細工,体が不自由の理由でいじめるのは,卑怯だ.それはやめる. いじめられているものは協力する.メールなどを利用して連帯して孤立しないようにする. いじめられているのもは,自分で自分を嫌っている者が多いl. だから自分を好きになる努力が必要. 自分がいていい環境を自分で探す.学校でなくていい. 自分のストレスをなくす. 自分がしたいことを早くさがし,それに集中する.そうすれば人をいじめるようなつまらない時間もなくなる. 相手の良い点を探す.自分の良い点を探す. 表立って助けると自分もいじめられる. いじめられている子にはそっとそばにいてやる.それだけでも心が安らぐはず. ほんのちょっとした言葉でも勇気を持って言う. ほぼ8割がいじめられたりいじめたりの経験を持つ子達だった.その中で救済の方法を探すのは,リアルすぎて言葉になりにくかったはず. しかしそれなりにみんな考えた.今は共食いの時代.それが当たり前になり抜け道など想像できないのが正直な所だろう. こうした時間が意味あるものであることを願う. しかし疲れた. ここ「夕日海岸ホテル」から,夕日が沈む光景を見ようとしたが,雲にうずもれていき,見られなかった.でも雲が赤く滲みながら,やがて暗くなっていくのは,夏の日の線香花火を思い出させ,それなりにきれいだった. 12月29日 金曜日 「社会へ一言.大人のここがおかしい.」 これは実に意外だった. ほぼ6割の子が,この前の内閣不信任決議案に賛成すると言ってしなかった加藤元幹事長への非難だった.変わることへの現実的な予感が一瞬したのだろうか. 「いい年をしたいかにもひ弱そうな大人が,圧倒的な不利の中,政治を変える,日本を変えると本気で言っているようだ.これはなんか起きるかも.」 そんな事を考えたのだろう. 一瞬政治という場に目が行った. そこは自分達の学校という複雑で息苦しく,シカシ底しかないのでたのしむしかない窮屈で退屈な世界とは全く別の,鈍感で,無神経で,下品で,偉そうにする馬鹿な大人たちが,意味ありげにふんぞり返っている世界だ. そしてこの世界を変えようとしているのか,かとう とかいう人は. そう思ったようだ.そしてあっさり裏切られる. 子供達は怒っている.かなり本気で怒っているのだ. シカシこんなことはこの何年,何十年となかったことだ. この糸そっと引っ張ってみたい. 疲れた.今日は最後の夜.自習は3時まで続いた. 明日は6時半,勉強合宿最終日10キロマラソン. 希望者のみ.誰も希望するがいないので,まず自分の持っている教室の子達を参加させている. ずっと続いている. さっき女の子達が時間の確認に来た.今3時15分.3時間を切っている.それでもいつもみんな来た.明日は来るだろうか. それより僕自身起きられるか.5時半に起きて準備が必要.トイレを済ませておかなくてはならないのだ.早めに起きて体を温め,トイレに行く.起きられるだろうか. 寝ないのがいいのだ.耳栓をはずせば他の先生のいびきで寝られなくなる.これが作戦. 12月29日 金曜日. 午前6時45分.まだ外では星が光っている.これから恒例の合宿最終日早朝10キロマラソン. 行ってきま〜〜す,だ! (^○^) 12月29日.金曜日 今年はホテルを出て右.館山マラソンのスターとゴール地点のある方へ行った.去年は逆,自衛隊のあるほうだった.女の子達は体調を崩し一緒に走れなかった.残念. でもその中の子の姉ちゃんは,おとどし一緒に走った.そのときは男達が走れず女の子達と走った.二人ともバスケ. たまたま姉ちゃんがその体調を崩し走れなかった子の薬を昨日合宿所に持ってきて,随分大人になっていてびっくりしたが,そんな事を思い起こして走り出す. しかし3時まで勉強して,6時半に走る. 良く起きた,うれしいね.とっても. (^^ゞ 浜辺を走る.振り返ると朝日.太陽を背に写真をとる.l 帰りはコンビニで好きなものを買わせるのだが,あいつはピザまん買ったとか,おにぎり買ったとか,ソーセージ5本買ったとか,あいつ今何してるのだろう. と以前一緒に走ったこのことが思い出される. 1時間で帰る. 午前1コマで最後. 力こめる.こめるぞ. 12月30日.土曜日. 終わった. 最終日は3時まで補習. 5時半に起きて走る準備. 6時45分から1時間走る. 走るのはゆっくり,しゃべりながらだから別に疲れる事はない. ただうれしいだけだ. 閉校式で,こんだけの合宿で満足してはならない.まだまだ足りない.我々が用意したカリキュラムの7割も終えていない.合宿でスタートラインに着いただけ.今までのマイナスを何とか0にしただけの話.1月,合宿を終えたからといってほっとしてはいけない.ここからがスタートと話す. 全員真剣な目をこちらに向けていて,びびる. 他教室の生徒の表情が断片的に浮かんでは消える. 特に作文を担当すると,その子のプライベートが見えるので,実は辛い.書かれているその子の内面を背負い込むことにもなりかねないのが作文だ. 作文の授業って,しかしその覚悟がまず必要だと思っている. いいよ,何かいても. 受けるから. という覚悟.これが必要. あと覚悟といったって,実はそういう覚悟を持って受けてやると,後は自分でやっていくということを経験上知っている. 彼らは自分でやっていける. そのきっかけがないのだ. 悩み事を話す.話すことで悩み事がわかり次にどうすればいいのかが分かる. そして進む. そういうことだ. 疲れた.眠い. 洗濯しないと. 掃除も. |