FT8愛好家の皆様へ

FT8運用中にこの様な高調波(倍音信号)に悩まされたことありませんか? もしかしたら設定次第では貴方自身も高調波(倍音信号)を発射している可能性があります。設定を見直してみましょう。
高調波はソフトウェアの設定で発生を防ぐことができます。「ALC調整か?」と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、先ずはその前にソフトウェアの設定をチェックしましょう。



ただしリグをCAT制御している必要があります。

WSJT-X / JTDX の設定方法はほぼ一緒です。



MSHVも画像のとおりにしてください。


この設定によって高調波(倍音信号)の発生を防ぐことができます。
どうぞご友人の方々と情報を共有されてください。高調波と聞くと電波の高調波を思い浮かべる方も多く、LPとかBPFとかが関係という発想をされる方もいらっしゃるようですが、この現象はAFの高調波(倍音信号)ことですので電波の高調波とは全く関係がありません。
また一部の局では、リグに対してオーディオ入力レベルが高すぎるように思える場合があります。スプリアスが伴っている場合があります。

調整方法は次のとおりです。この方法は、JTDX / WSJT-X / MSHVで共通です。出力調整スライダーを使用します。JTDXは右上、WSJT-XとMSHVは右下のスライダーです。

1.リグの出力を100%にセットします。
2.出力調整スライダーを最大に設定します。
3.リグのディスプレイにALCを表示させます。
4.適当な周波数で送信してみます。CQでもVVV 自局コールでも何でもOK。実際の交信中に調整するのもありです。
5.リグのALCのメーターの表示を確認します。ほとんどの場合ALCが振れているはずです。
6.出力調整スライダーを少しずつ下げます。

★スライダーの動かし方
WSJT-X / MSHV マウスでカーソルをスライダー上に移動させ、マウスのホイールを回転させると動きます。ホイールがない場合は左クリックで掴んで上下します。
JTDX マウスでカーソルをスライダー上に移動させ、マウスのホイールを回転させると動きます。動かした後細かい上下はキーボードの↑↓でも動かせます。ホイールがない場合はスライダーの脇を左クリックした後にキーボードの上下で動かせます。

7.ALCスイング幅がどんどん小さくなっていくか確認してください。ほとんどの場合出力自体は下がりません。
8.出力が減少する位置の直前に出力調整スライダーを設定します。その時点でALCは振れなくなっているはずです。
9.リグによってはバンド毎にスライダーの位置が異なる場合があります。
10.以後出力はリグではなく、このスライダーによって調整するようにします。

WSJT-X / JTDX ではバンド毎の出力を記憶させることができます。チューンボタンで出力を調整した場合はそのスライダーの位置は「FT8運用」時のスライダーの位置には反映されません。
チューンの時のスライダーの位置を覚えておいて運用時それに合わせるか、チューンを使わずFT8信号を出しながら調整を行ってください。マイナス何dBという表示がスライダーを動かした時に表示されます。

FT8信号はシングルトーンであり、単位時間あたりのCW信号と同じです。したがって本来はALCを振らせても問題はありません。(もちろん過大すぎるオーディオ入力レベルで、ALCのメーターが適正範囲を大幅に超えてしまう状態では、シングルトーンと言えども信号が歪んでしまいがちです。)ただしPCからの音声信号自体が歪んでいるとシングルトーンではなくなり、電波が歪んでしまいます。これを防ぐにはALCを振らないようにするのが最善です。
リグへの過大なオーディオ入力が防げますので「予防措置」としての設定です。100%正しい原因解明とその解決方法ではないにしても、ALCをケアすることで未然に防げるならば効果はあると思います。技術的に詳しい方は、そういう中途半端なことはきっとお嫌いなんでしょうが、私はいい加減なんで100%の回答でなくてもまあいい線いっているならそれでいいと思い、この様な調整方法を書かせていただきました。ご意見は大歓迎ですので @jarl.com までメールください。よろしくお願いします。 (^^)

de JP1LRT Yoshiharu

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