連載作品紹介(新連載順)

いつか、桜の下で

作者:吉村 千夜
冒頭:
 映画の宣伝で、「ほんとうの夫婦のあり方」とか、「究極の恋愛のかたち」とか、ひとつに定義づけられたキャッチコピーを見る度に、ゆづきはどうにも突っ込みたくなってしまう。だって恋愛のかたちなんて、それぞれ違うものだから、これが究極だなんて誰にも決められない。どうしてこんなに安易なコピーをくっつけるのか。君らそれで納得するんか、などと映画の登場人物にまで突っ込む始末。
「そういう性格やねんから、しゃあないけどな」
 彰介には一言で一蹴されるが。そういう自分はどーなのよ、と心の中でまた突っ込む。こいつがどうも一筋縄ではいかない奴だからな


 初めて小原彰介の名前を名簿で見たときは「なんちゅうふざけた名前や」と思った。そしてつい、口に出してしまった。

幻想詩人

作者:橋口さかえ
あらすじ:
 小さな文具卸しの会社に勤める京子。同僚の美鈴、高木と共に企画課で年末商戦をこなしていた。話題は新人飯島の人の良さと彼氏の良さ。そんな噂をした翌日、飯島が相談を持ちかけてきた

眼鏡越しの空

作者:しもこし
登場人物:
 木原智美…主人公。高校二年生。眼鏡をかけた女の子。
 大石光輔…主人公の同級生。バスケ部。
 木原利通…智美に干渉したがる、できのよい弟。
 田端  …主人公の学校の写真部部長。
 倉下桃子…主人公の同級生。友達。

あらすじ:
 大石光輔がインターハイ出場をかけた試合で、彼の活躍のもと勝利した。智美は彼のことをかっこいいな、と思う反面、なぜか素直によろこべない。試合終了後、倉下が、大石に「智美が好きだって」というと、大石は「ぼくも」と答えた。智美は呆気にとられる。

黒竜に騎る男

作者:砂塔悠希
あらすじ:
スカルツ王国の第3皇子クリストファー(クリス)は、エルフ王グレイバラロレフを祖父に持つ1/4クォーターエルフ。
この夏の初め、スカルツ北部地域のハイランドの北部にあるドワーフ族最大の城キルサーン城が、ハイランドの北に浮かぶ島魔族の国オーガーの突然の侵攻により陥落し、先のエルブン戦争を治めた聖剣のひとつであるダーク・ソードが奪取された。デュアル・リゲイリア覇王の宝称と呼ばれる4つの神器のうちの一つである。
 事態を重視したスカルツ国王アーサーは、第2皇子アレックスにオーガーの動向を探らせるために、領国各地への巡回を命じ、まだ見習い騎士だったクリスにその1/4エルフの能力を以て、デュアル・ソードを水竜から預かりおくよう命じたのだった。
 クリスはデュアル・ソードを水竜から預かる過程で、奇しくもオーガーの戦士と出会い、オーガーの真の目的が覇王の宝称を利して世界を支配することであることを知った。オーガーが次に狙うデュアル・リゲイリアを守るための皇太子スチュアートの出陣を前にして、アーサーはクリスにキルサーンの城で落ち延びているはずの、神官チャ・ザとドワーフ族の皇子シャナ救出を命じた。
 クリスは友人のルディを伴い、キルサーンに潜入するために、ドワーフの街道の場所を尋ねるべく、幼いころの友人であるエルフ族のサラを訪ねるが、エルフ族の里アールブヘイムで起きた変事のため、サラがバレンツの岬にある黄金樹のもとへと旅立った事を知った。
 サラを追いかけようとしたクリスにスィロカムラスという若いエルフが同行を申し出て、一行はバレンツの岬へと向かった。
 バレンツの岬でサラに追いついた一行だったが、黄金樹はサラに答えることなく、樹が弱っていることを知ったクリスがその場で亙りを行ない、精霊たちの力を借りてアールブヘイムに起きた変事の原因を知ったのだが…