17-5 副詞の比較級・最上級

ドイツ語の形容詞は、(意味が許せば)そのままの形で副詞として使えます。これは英語にはないドイツ語の形容詞の大きな特徴です。

Sie ist schön und singt schön.
「彼女は美しい。そして美しく(美しい声で)歌う」
前のschön は形容詞、うしろの schön は、動詞 singen に掛かる副詞です。

英語では She ist beautiful und sing beautifully.
となって、形容詞に -ly を付けて副詞にしています。

Er spielt sehr gut Tennis.
形容詞 gut「良い」がそのまま副詞「上手に」になっています。英語は、
He plays tennis very well. good → well としないといけません。

このようにしてできた副詞は、形容詞とまったく同じ形で比較級・最上級が使えます

だだし最上級は am -----sten の形しかありえません。副詞なのでうしろに名詞がくることは考えられないので、格変化が前提の der -----ste の形は使えないのです。

また純粋な副詞である gern[e] 「好んで(~する)」は gern - lieber - am liebsten と不規則に変化します。


・ その高速道路を使えばよりはやく目的地に着くことができる。
→ Mit der Autobahn kann man ans Ziel kommen.

・ トーマスはペトラより熱心に勉強するけど、一番熱心なのはイュールゲンだ。
→ Thomas studiert Petra, aber Jürgen studiert .

・ きみはコーヒーが好きだけど、ぼくは紅茶の方がいいんだ。でも一番好きなのはビールさ。
→ Du trinkst Kaffee, ich trinke Tee. Aber ich trinke Bier.