まれに最上級で使う冠詞が「不定冠詞類」になることがあります。そのときには、それに合わせて形容詞の語尾が一部変わります。
mein bester Freund(m) 「私の親友」(「その親友」なら
der beste Freund)
・
・友人ならたくさんいるよ。だけどトーマスがやっぱりぼくの親友だ →
Viele Freunde habe ich, aber Thomas ist doch
.
sein lieb
stes Kind 「彼の最愛の子供」(「その最愛の子」なら
das lieb
ste Kind)
・ 3人の子供の中でペーターが彼の最愛だ→
Unter drei Kindern ist Peter
.
このように形容詞の最上級はやっかいですが、
救済策も用意されています。それは、
am -----sten という形で、------ の部分に原級を入れてください。
これは便利です。いままでうしろの名詞を省略してやってきた場面で(性・数を意識することなく)使えます。
Der Wagen ist zur Zeit
am schnell
sten.
In Japan ist die Kirschblüte
am schön
sten.
続けてやってみましょう。
・田沢湖は日本で一番深い →
Der Tazawa-see ist in Jpana
.
・私にはビールがいつも一番だ →
Für mich ist Bier immer
.
・私の友人たちでトーマスとフランクが一番若い →
Von meinen Freunden sind Thomas und Frank
.
・最も古いのはこの街では市役所だ →
ist hier in der Stadt das Rathaus.
まさに八面六臂の活躍です。

さて、さらに次のような場面では、最上級ではこの「am -----sten」の形式を使うしか方法がありません。
In Japan ist es im August
am heiß
esten. 「日本では八月が最も暑い」
ここでは「何かが何かと比べて一番だ」と言っているのではありません。Japan ist das heißeste [Land] でもないし、August ist der heißeste [Monat] (訳としてはいいように思えますが)でもないのです。
「日本」や「8月」が一番なのではなく、
気温が他の月(7月や9月など)と比べて
「im August(8月に)」に一番高いと、
条件の比較をしているのです。このようなときは「am -----sten」の形式を使うしか方法がありません。
「学生は試験の前が一番まじめ(fleißig)なものだ」→
Studenten sind vor der Prüfung
.

ところで、いままでに使った最上級はすべて1格のときの形でした。
格が変われば、「冠詞」と「形容詞」の格変化語尾も、もちろんそれに合わせて変化します。
・教師はその一番まじめな生徒を誉める →
Der Lehrer lobt immer
. <1格は der fleißigste Schüler
・ 世界で一番深い湖を知っていますか? →
Kennen Sie
in der Welt? <1格は der tiefste See
・これらは日本で一番美しい花の写真です →
Das sind Fotos von
in Japan. <1格は die schönste Blüte
・最愛の子供達といると彼は幸せを感じる →
Mit
fühlt er sich glücklich. <1格は die liebsten Kinder

最上級の前に
aller などをつけて1語で綴ると、最上級をさらに強調できますが、これはちょっとやり過ぎですね!
meine
allerschönste Liebe, 「私の限りなく最も美しい恋人よ、」