
最初はこのページ全体を飛ばしてください。
日本語の主語をドイツ語の人称代名詞にするのは、実はとても厄介です。例を挙げてみましょう。
私があなたに「田中さんはきょうは来ませんよ」と言ったとします。この場合の「田中さん」は、その場にいないので、男なら er(彼は)女なら sie(彼女は)になります。
けれどももしあなたが田中さんで「田中さんはきょうは来ませんよね」と私が言った場合の「田中さんは」は、Sie(あなた)になります。
「アキコは賢いよ」は、場面によって sie(彼女は)にも du(きみは)にもなります。
つまり人称代名詞は(場合によっては)「誰が誰に向かってその人称代名詞を使っているのか」を考える必要があのです。
「あなたは賢いわ」はどうでしょうか。一般的には Sie ですが、もし奥さんが旦那さんに言っているのなら、du になります。
1-1 で憶えた du/ihr と Sie の違いを整理しておきます。du/ihr は原則として心理的距離の近い相手に使います。家族内、親族内、友人同士、クラスメイト、ペットに向かって、神様に祈るとき、などです。
さらに3人称単数の er/sie/es には別の使い方があるのですが、それは 3-1 以降で習います。