〜実践的デック構築講座〜

最初の任務は扱ってるお店を探すことだ!:
 というわけで、初めてのデックが2つできました。一般的にはMagic初心者が最初に躓くのはデックの構築が多いようです。カードを買ってみたはいいけど、どこから手をつけたらいいのか見当もつかない、という方は、私のまわりにも結構います。市販の書籍にはデック構築例が山のように載ってはいるのですが、そんなデックが組めるほどのカードが初心者にあろうハズもありません。かといって、スタータパック2つ分程度しかカードがない頃のデックの組み方など、滅多に載っていません。しかし、貴方の手には、燦然と輝くデックがあります。(苦笑) そう、貴方は既に最初の難関を突破したのです! ……とはいえ、これから始まる広大なドミニアの地における戦いにおいては、残念ながら貴方のデックはまだまだ未熟と言わざるを得ません。そこで、初期のデックと、その発展について、もう少し実践的に詳しく書いてみようと思います。名付けて、『初心者のための実践的デック講座』!

次なる任務は入門セットを探すことだ!:
 さて、とりあえず、貴方の手元には、スターターパック2つから作り出したデックが2つあるはずです……笑っちゃいけません、これだって本当に立派なデックなのです。え? まだないって? そういう方は、「初めてのデック」を読んでみて下さい。え? 俺様のデックは山のようなカードから厳選して作ったスペシャルデックですって? ……そういう方は、この先は読み飛ばして下さい。多分貴方の期待するデック講座ではありません。 (笑)

 さて、と。初めてのデックを2つしか持たない初心者だけになったところで話を進めていきましょう。これから貴方は、広大なドミニアの様々な魔法を使うことになっていくことになります。しかし、貴方の手にある呪文書−デック−はまだこの2つだけです。貴方は、これから新たに得た呪文を検討し、自らのデックに加え、あるいは、呪文書から外すことでさらに自分のデックを精錬し、強くして行かねばなりません。

 しかし、スターターパックの内容は千差万別。ここで、貴方のデックに対してコメントするのは非常に困難です。 ただ、まだ始めたばかりの初心者が、いくら一人二役でデュエルをやってみても、どれが必要なカードで、どれが不要なカードか判断するのは非常に困難でしょう。そこで、いささか邪道ではありますが、まだカードが充分にない初期の頃のデックの例として、ここでは『Magic the Gathering 入門セット』収録のカードを流用してデックを作ってみたいと思います。収録された解説書の出来や、収録デックの内容はともかくとして、このセットに入っているカード構成はスターターパック2つを買ってきたばかり、という状況に非常に似ています。これを使えば、貴方の手持ちのデックの状況とよく似たものが簡単に出来るというわけです。なんだったら、 『Magic the Gathering 入門セット』そのものを買ってくる手もあります。内容が裏面も通常のカードと同じで普通のプレイにも使える(!)第4版のカードセットなので、手持ちのカードに混ぜて使うこともできますし、限定解除版とはいえ第4版のカードなので、日本語版第5版発売後の今では貴重なカードセットになっている点も見逃せません。(もっとも、肝心な絶版の『稲妻』が入っていませんが)

 結構貴重なレアも入っているので、余力のある方は買ってみて下さい。(今からでは入手困難かも知れませんが……)

え?今更第四版じゃ……って? いや、ボータルよりは……:
 さて、と。というわけで 『Magic the Gathering 入門セット』のカードで、まずデックを組んでみます。これには構築済みの2つのデックが含まれていますが、これについては無視して全部のカードを一旦混ぜることにします。(……初心者に三色デックというのは、如何にカード不足とはいえお勧めできません)

 ええっと、枚数では白11枚、黒22枚、赤11枚、青11枚、緑11枚、無色(アーティファクト)5枚、土地は平地8枚、沼17枚、山9枚、島8枚、森7枚、計120枚。……ぴったりスターター2つ分。黒が多い以外はどっこいどっこいといったところ。とりあえず、黒は使うとして残りの一色を何にするか、ちょっと考えてみましょう。黒の最大の弱点はエンチャントの破壊手段が全くないと言うことなので、普通なら『解呪』のある白が第一候補なのですが、『解呪』は『入門セット』には含まれていない(泣)ので、次の候補として『平穏』を持つ緑を見てみます。しかし、なんたることか……これも含まれていません。(号泣)

 呆れて他のカードを見てみると、かろうじて青に『フィードバック』(対象エンチャントのコントローラーのアップキープの間に、そのプレイヤーに1点のダメージを与える)があるぐらい……。ううむ。この程度だと、色の特徴が唯一生きている赤(なんといっても攻撃呪文!)も大いに魅力的に思えます。『入門セット』には『稲妻』こそないものの、『分解』2つ、『火の玉』1つが入っているのです。しかし、青には優秀な軽量級クリーチャー『西風の隼』が2つと、重量級飛行クリーチャーとしてかなり使える『幻影獣』があります。『対抗呪文』がないとはいえ、これなら青を選ぶメリットもあります。ということで、ここは少しでもエンチャント対策のある青にしましょう。黒と青、それにそれぞれ対応の土地を入れて計58枚。本来のルールでは、デックは40枚以上、という条件しかありませんが、後で詳しく述べるように、普通は60枚以上で組むのが基本なので、ここでもそれに従います。(本当はスターター2つしかないような段階なら40枚で組む方が練習にはなりますが) さて、残る2枚はアーティファクトでいいでしょう。『入門セット』に含まれるアーティファクトは『破城槌』、『機械仕掛けの獣』、『ジェイムデー秘本』、『破滅のロッド』、『ウルザの眼鏡』。アーティファクトは使えるので黒と赤から削って全部入れてもいいのですが、ここでは2枚だけ、『破城槌』(攻撃時のみとはいえバンドは強い!)と 『ウルザの眼鏡』(タップだけのコストで相手の手札が見れる!)を入れることにします。

 これでちょうど60枚。残りは60枚しかないので、残念ながらもう1つのデックは3色の60枚になりますが、これは致し方ありません。さて、と、デックも出来たので、友人を呼びつけて戦ってみましょう。なぁに、初めは自分同士での模擬戦でも構いません。ただ、Magicの神髄は対人プレイにあります。友人がカードを持っていないなら、3色デックを貸してあげればよいのです。ひょっとしたら、貴方が思いもしなかった呪文の使い方で大逆転を演じてくれるかも知れませんよ……。さあ、れっつ、でゅえりんぐ!

最後の任務は巻き添えを探すことだ!:
 ……さて、結果はどうでしたか? 何度かプレイしてみたら、同じ要領で色の組み合わせを変えてデックを組んでみて下さい。新たなる戦いが貴方を待っています。これに満足いかなくなったら、初めて追加のカードを買ってみても遅くはありません。このデックにもいろんな弱点はあります。このデックでは勝てない相手というのも、残念ながらあります。しかし、弱点を知る、ということは重要なことなのです。無闇にカードを買い集める前に、自分が手にした120枚のカードを活用してみて下さい。そして、このデックの弱点が一体何なのか、それがわかってから新たな世界に旅立っても決して遅くはありません。さあ、もう一度……、れっつ、でゅえりんぐ!
 まずはルールブック片手にやってみて下さい。全てはそこから始まるのですから。


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