〜初めてのデック〜

40代からのデック構築(別に10代でも 20代でも0代でも可):
 マジックのルールを解説する上でやっかいなのは、マジックには2本の柱がある、ということです。その1つは文字どおりゲーム進行に関わるルールであり、もう1つはデック構築に関わるルールです。
 マジックを理解する一番簡単な方法は実際にゲームをやってみることです。しかし、じゃあ一回やってみようといってもデックがなければゲームはできません。そして、デックを組むためにはある程度ルールを理解していることが必要であり、で、ルールを理解する一番手っ取り早い方法は実際にゲームをしてみることで、実際にゲームをするためにはデックがいるという ……おお、見事などうどうめぐり。まあ、ここでは、とりあえずゲーム進行そのものに関わるものはできる限りすっ飛ばして、デッキ構築に関わるルールに要点をおき説明することにします。
 実はゲーム進行に関わるルールについては、ルールブックで十分わかります。前にも書きましたが、第4版のルールブックはけっこう出来がいいので、一度読んでみて下さい。小さくてしかも分厚いので一見とっつきにくそうですが、実際は見た目の印象以上に分かりやすく書かれています。それに、本当のルールはこのルールブックの中の半分くらいで、他はほとんどがサンプルゲームなのです。
 さらに、このルールブックは第4版のスターターセット1つに1冊必ず付いてくるので、日本語版を山のように買い込んだ人が友人にいれば、ただでもらえるという利点もあります。カードを買う勇気がない人には、とりあえずルールブックだけもらうというのがお薦めです。「深い」人はみんな英語版なので、一昔前は日本語版は1つだけルールブック欲しくて買った、という人が多かったのですが、最近は日本語版もメジャーになったのでルールブックの1冊や2冊あげるよ、という人も珍しくありません。カードを「ただであげるよ」という人は世間で言われるほど多くはいませんし、くれるという人もほとんどが英語版なので初心者には辛いんですが、ルールブックならそうでもありません。少なくとも2つスターターを買えば1冊余りますし。さあ、貴方も、洗脳計画の一歩としてルールブックを配りましょう。貴方が名古屋人なら私が限定先着5名様にさしあげます。(苦笑)
 ただし。マジックのもう一つの柱である「デック構築」については、哀しいかなルールブックには詳しい解説がありません。初心者向きの解説書にもあんまり多くのページが割かれていないのが事実です。で、ゲーム進行のルールじゃなく、「デック構築」について重点をおきましょう、ということになるわけです。初心者のための、ですよ。カードが1000枚以上はあるぜ、というそこの貴方は、読み飛ばして下さい。多分貴方の期待するデック構築講座ではありません。 (笑)
 さて、と。スターター2つしかないよー、という初心者の方々だけになったところでそろそろ始めますか。

「猿でもわかるデック構築」(猿にはわかんないってば):
 猿でもわかるWindows入門って本当にあるんです、これが。ちょっとイヤ。じゃあ俺は猿以下かぁーっ! ……閉話休題。
 とりあえず、簡単に最初のデックを組んでみましょう。まず、はじめに買ってきたスターターを開けてみて下さい。1つに60枚のカードが入っています。ちなみに、このカードの入っている順番はある規則があって、はじめに「土地」22枚が、次に3枚の「レア」が、その次に9枚の「アンコモン」が、最後に26枚の「コモン」が入っています。この「レア」とか、「アンコモン」とかいうのは「レアリティ」という「マジック」のカードの種類の分け方の1つです。
 「レア」というのは最も希少度が高いカードで、その分強力なカードが揃っています。「アンコモン」というのはその次に貴重なカードで、中にはレア並に重宝するカードもあります。最後に「コモン」というのは手に入りやすいカードですが、基本的なカードが多く使いやすいのが特徴です。とりあえずは、「レア」3枚だけは貴重なカードなんだなぁ、と覚えておいて下さい。ちなみに「土地」というのも「ランド」という「レアリティ」の種類の1つで、やり込んでる人にはごみくず当然という意味になります。(苦笑) ちなみに厳密に言うと「土地」=「ランド」ではなく、「アンコモン」や「レア」の貴重さを持つ「土地」というのがあるんですが……。

 さて、開けたカードからとりあえず「土地」を別にして、残りのカードを色毎に分けて下さい。この「土地」以外のカードをマジックではすべて「呪文」といいます。プレイヤーが魔術師になる、というわけですね。各色の「呪文」ごとに、例えば赤なら攻撃呪文が、白なら防御呪文が得意、という特徴があるんですが、各「色」の特徴については別にまた説明しますので、ここでは「色」の見分け方についてだけ覚えておいて下さい。そう、「マジック」で言うところの「色」というのはカードそのものの色とは必ずしも限りません。色には「白」、「黒」、「赤」、「青」、「緑」、の5種類があります。逆に言うと、ルール上これだけしかありません。深緑とか、群青とか、水色とかはないので、目を皿のようにして見分ける必要はありません。(苦笑)
 ただ、「無色」という「色」がないカードもあります。……透明なカードではなくて、カードの色、その、いわゆる普通に言うところの色で言うと、茶色っぽいカードがそれに当たります。「無色」は割と貴重なので、1つのスターターにたいてい1枚か2枚、といったところですが、基本の5色については、だいたい各色4〜8枚くらい入っているはずです。2つ買ってきたなら運が良ければ1つの「色」で16枚くらい、だいたい多くて14枚くらいのカードが集まるはずです。
 どのカードがどの「色」なのか、わからない場合はルールブックの8ページを見て下さい。そこに各色のシンボルが書いてあります。これとカードの右上に書いてあるシンボル(マナ・シンボルと言います)を照らし合わせると、そのカードの「色」がわかるという案配です。イラストの下の説明文の中のマナ・シンボルは、今はまだ無視して下さい。 カードの右上に 丸数字しかないのは「無色」で、マナ・シンボルが右上にないのは「土地」と言うことになります。ちなみに、厳密に言うと「土地」は色がない「無色」ということになります。
 カードのイラストのすぐ左下に「土地」と書いてあることでも、「土地」はすぐわかります。土地以外の「呪文」の場合は、「呪文」と書いてあるわけではなく、その「呪文」をさらに大まかに6種類に分けた種類が書いてあります。この種類については、また機会を改めて解説しますから、今は「土地」と、そうでないものだけわけてくれればいいです。
 ああ、そうそう始めにちらっと書いたように、先ほどの「アンコモン」や「レア」の中に「土地」が入っていることもありますが、これは 分けて別にしておいて下さい。特殊な「土地」は始めは使わない方が無難です。慣れてくると重宝するものなので大切にとっておきましょう。

 ちなみに第4版以外のスターターやブースターの中にはいろんな色の混ざった金色のカードもありますが、これはルール上「無色」ではなく、「多色(マルチカラー)」として扱います。とりあえず、始めのうちはこの金色のカードはデックで使わない方が無難です。間違ってもカードダスのように金色のカードが貴重なカード、というわけではありませんので念のため。 第4版のスターターには金色(マルチカラー)カードはありませんから、山のように買い込んでも入っていません。
 ふう。さて、「色」の違いはわかりましたか? これから先、「色」に限らず、「マジック」のルール上の言葉がたくさん出てくるかも知れませんが、混乱しないで下さい。ルール上の言葉と一般的な意味を混同しないように注意して下さいね。
 「このカードは水色だ、青じゃなーいっ!」という屁理屈をこねないように。いや、笑い事じゃなくて、「マジック」のルール用語は、わかんなくなったらルールブックの最後に意味が書いてあるので、確認してやって下さい。「色」はわりと分かりやすいですが、えーと、……そう、例えば「対象」とかは間違えやすいルール用語の代表ですね。ルールに頼らないと日本語論になってくるきらいもありますから。
 ……そう、「猿以下」じゃなくて「猿未満」じゃないと駄目ってことです。
 
「3時間でわかるデック構築」(絶対だな、こら):
 さて、と。 「色」ごとに分けましたか?  あ、難しい顔しなくてもいいです。ちょっと脅しちゃいましたが、心配しなくてもそんなにルール用語かどうか悩むようなことはありません。まぁ、カタカナ用語でなければたいていは文字どおり受け取ってもらって構いませんから。それに、デック構築の段階で知っておかねばならないマジック用語はそんなに多くありません。……ついでに冒頭から出てきたマジック用語をざっと復習してみましょうか。
 マジックには、いろんなカードの分け方があります。始めに説明した「レア」、「アンコモン」、「コモン」、「ランド」という分け方が、「レアリティ」という貴重さによる分け方で、ゲームそのものよりも、カードの交換のときのための種類です。
 次の「土地」とそうでないカードに分けるのが「土地」と「呪文」に分けるやり方で、「マジック」のゲームにおける、最も基本的分類になります。
 そして「呪文」の分け方の一つとして「色」による分け方があり、「色」には、基本的に「白」、「黒」、「赤」、「青」、「緑」、の5種類しかなく、それに加えて「色」を持たない「無色」の呪文もあります。
 ……あれ、考えてみれば数行で終わる話でしたね。(ぉぃぉぃぉぃ)

 うう、先を急ぎましょう。さて、ここで初めて「デック」を組むわけですが、はじめは「色」の中で最も枚数の多いものを2つ選び、それに「無色」のカードと選んだ2つの「色」に対応した「土地」を全部入れるのがいいでしょう。ただし、「土地」の方は変動が激しく、運が悪いと2つのスターターをあわせても欲しい「土地」が6枚しかない、といったこともありますが、たいていは各種類の「土地」が8 〜9枚あるはずです。ああ、「色」に対応する「土地」を説明するのを忘れていました。 「土地」には基本地形として「平地」、「沼」、「山」、「島」、「森」、の5種類があり、それぞれが、白、黒、赤、青、緑、の5種類に対応しています。イメージ的に何となくわかりますね? それに、各土地の下の説明には「あなたのマナ・プールに@を加える。」として、先ほどの呪文のカードの右上に書いてあったのと同じマナ・シンボルが書いてあるので、それを見れば対応する「色」がわかります。せっかくマノレチメディアなんだからシンボル書いてもいいんですけど、著作権とかあるので、うーん。(画才がないんじゃないです、いや、ほんとだってば)
 ああ、「土地」にもたまに基本地形以外の……始めにちらっと書いたような「レアリティ」が「ランド」ではない土地というのがありますが、これは貴重品(アンコモン以上)なので始めに買った中にはないかも知れません。

 さて、できましたか? 選んだ2つの「色」の「呪文」、それに対応する「土地」、無色の「呪文」、これで、40 〜50枚くらいのデッキの出来上がり、というわけです。
 簡単でしょ? さて、同じようにして残った3色のうち、多い方2色と、それに対応する「土地」を集めて、2つめのデックを組んで下さい。
 ではこの2つのデックをよく切ってください。
 よく切りましたか? さて、これで貴方は既に2つのデックを組めるようになったわけです。……なんですか、その目は。ぶっちゃけた話、これが一番簡単かつ有効な作り方なんです。これ以上簡単な作り方に、買ってきたスターターをそのままよく切る、というのがありますが……あーものを投げないでーっ。

 本当のことを言うと、買ってきたスターターをそのままよく切る、それでとりあえずプレイしてみてルールを理解する、というのも一つの手なんです。だけど、それをやるとあまりにも「土地」のバランスが悪くて、お話になりません。で、とにもかくにも普通に戦える……いや、最低限プレイできるレベルのデックとなると、どうしても「色」を意識せざるを得ないのです。逆に言うと、「色」さえ意識しておけばプレイができるだけのデックはできます。「土地」のバランスは、「土地」すら不足しているレベルだと、(ブースターが混ざっていない状態なら)逆にバランスがとれてしまいます。始めはこのデックを使ってみてルールブック片手にお互いで戦ってみて下さい。なに、相手役は自分でやればいいんです。で、ルールが理解できたら、そのうえで、より強いデック作りをめざしていけばよいのです。そのときになって初めて呪文と呪文の相性やデックに必要な呪文と足を引っ張る呪文を選び出し、デックを改良していけばいきましょう。
 そう、まずはやってみて下さい。全てはそこから始まるのですから。

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