〜れっつ、ぎゃざりんぐ!〜

「多次元宇宙、売ります!」 :

 最近「Magic」というカードゲームの名をよく聞きませんか? そして、多少の興味は持ちつつも、「ルールが難しそうだ」とか、「一度ハマると無限に金を喰らい続けるゲームだ」とかいうためらいから、その世界に足を踏み入れるのを渋っていませんか ?
 ためらうことはありません。かつては異国の言葉を覚えなければ立ち入ることすらかなわなかった彼の地も、今では偉大なる魔法の力により日本語で旅ができるようになっています。パックツアーなら2日間でたったの¥2800(税込み)。さあ、あなたも神秘と驚異に満ちた世界「ドミニア」に旅立とうではありませんか!(こらこら、魔法の王国の宣伝じゃないんだから)

 というわけで、このコーナーでは話題のカードゲーム「Magic The Gathering」について紹介したいと思います。

思い立ったが吉日、または、欲しいときが買い時 :

 まず、 「Magic The Gathering」(以下マジック)とはどんなゲームなのでしょうか。教科書的な回答をすると、全く新しいタイプのカードゲーム「トレーディングカードゲーム」となります。じゃ、 「トレーディングカードゲーム」とはなんなんでしょうか。 「トレーディングカードゲーム」とは、カードを集め、集めたカードによって自分だけの「デック」と呼ばれるカードの組を作り、それによってゲームをする、コレクション的な楽しみとゲーム自体の楽しさを合わせ持ったゲームのことです。そして、これが 「Magic The Gathering」(以下マジック)の最大の特徴でもあります。

 ……なに、さっぱりわからないって? うーむ、やっぱりこの魅力を説明するには、やってみるのが一番かも知れません。どうです? ちょっとやってみませんか? なーに、そんなに怖がらなくても痛くないですから、大丈夫ですって。……冗談はさておき、徒手空拳ではドミニアで生き抜くことはできません。マジックを始めるにあたって、いくつか必要なものがあります。
 とりあえず、最低限必要なもの。
 場所。マジックをプレイするにはカードを並べておけるスペースが必要です。座布団1枚分くらいは必要です。机の上を片づけてください。
 次に時間。1戦交えるのにかかる時間は、たいてい10分から15分くらいです。もちろん、例外はあります。短いときは1分で終わってしまいますし、長いときは1時間たっても勝負がつかないことも珍しくはありません。(さすがに1日かかっても勝負がつかないということは滅多にありませんが)
 そして、プレイヤー。マジックは基本的に2人でやるゲームです。貴方が友人にマジックを勧められたのなら話は簡単です。その友人が喜んで相手をしてくれるでしょう。そうでないのなら、貴方の友人、家族、その他に勧めて(洗脳して)プレイヤーを確保してください。なあに、どうしても調達できないならコンペンションに参加するとか、色々手はあります。どーしても相手が見つからないなら、そして貴方が名古屋人なら私が相手になりましょう(笑)。まあ、とりあえずルールを理解するだけならプレイヤーは貴方自身だけで十分です。
 さらに、紙と鉛筆、またはカウンター。これは「ライフ」を記録するのに使います。まぁ、始めのうちは紙と鉛筆で十分でしょう。ついでに消しゴムも用意しておきましょうか。
 さて、最後に ……そう、マジックのカードが必要です。貴方が地方に住んでいるなら、これを入手するのが実は一番困難かも知れません。その場合は、通信販売で手に入れるのが一番無難です。そうでなければ、必要なのは¥2400程度の現金と店までの交通手段だけです。で、どこに売っているか、ですが、コンビニには売っていません。ボードゲームやカードゲームなどを専門に扱うホビーショップといわれる店ならほぼ確実においてあるはずです。そういう店が近くにないなら書店でも扱っていることがあります。最近はファミコンショップなどでも扱っていることがあるので、覗いてみるといいかも知れません。一番身近なのは東急ハンズでしょう。タロットカードなどと一緒においてあります。
 さて、品揃えが良さそうな順に売っている場所を並べてみましたが、一口にマジックといってもカードには色々あります。とりあえずは、日本語版のスターターを2箱買っておきましょう。始めはこれで十分です。
 必要なものは、これで全て揃いました。さあて、いっちょいってみますか。
「我が前に立ちふさがる者、全てドミニアの地に沈む定めと知るがいい ……滅びよ!」

看板に偽りあり:

 ってなわけで、本来ならこの辺でルール解説をするべきところなんでしょうが ……ルールブックを読んでください。
 …… あー、石を投げないで!
 実は最近出たばかりの「MIRAGE」ではなく、あえて第4版を勧めたのは、こういうわけもあるのです。確かに小さな字でぎっしりと埋まったはとっつきにくく感じるかもしれません。しかし、だまされたと思って、一度手にとって読んでみてください。ほら、意外と優しく、わかりやすく書いてあるでしょう? 無理して参考書(!)を買わなくても、基本的なルールならルールブックで十分把握できます。「こういうときはどうするんだろう?」と、ルールの解釈に疑問が生じたら、初めて専門書に手を出しても遅くはありません。安っぽい翻訳にありがちな、読みにくい文章ではなく、訳者も結構気合いを入れて翻訳してくれていますから、一度目を通してみては如何でしょうか。
 ここで、ルールブックそのままを書いても仕方がないですし。
 ただ、やっぱりサイズも小さいし、細かい字で読みにくい、という方に、初心者向けの入門書を2冊紹介しておきます。

「初めての人に贈る MAGIC The Gathering 入門ガイド」 ホビージャパン ¥500
  ルールブックにはない雰囲気で、マジックの世界の雰囲気とルールを紹介してくれます。最後にはコンボの紹介や、見やすい日本語版カードリストなども載っていて、なかなかお得です。熟練ギャザラーにはちょっと物足りないかもしれませんが、初心者にはぴったりでしょう。ルールブックの代わりとして、カードを買うときに一緒に買っておくといいかも知れません。
 メインになっている漫画リプレイ「よくわかる”マジック”対戦」は傑作です。このために買っても損はありません。「『送還』されたクリーチャーに付いていたエンチャントってどうなるの?」などの、ちょっとした疑問にも答えてくれます。
 「ぬおっ、こんぐらいっ」ガンガン!

「マジックスターターブック」 臼木照晶 著 新紀元社 ¥2000
 ちょっとお値段は張りますが、この本もリプレイ中心にわかりやすくルールが解説されています。基本的なルールから、順を追って説明しているので、ルールが把握しやすいのが特徴です。リプレイ中心なので、実例に事欠かない、というのも初心者にはお薦めです。この点、ルールブックのリプレイのルール適用が間違っているのはちょっと考え物です。先制攻撃のダメージはバンドしていても相手に先に与えられるのでルールブックP57のようなことは起きません。結果に変わりはないんですが。(なにかに「これは英語版でも間違っているので気をつけてください」と書いてあったような気がしますが、何で読んだのか忘れてしまいました)
 4th、Cronicles、Ice Age、Homelandsのカードテキスト日本語訳が載っているのも割とお得です。
 ちなみに、私はこの本でルールを覚えました。

 次回予告。
「ふっ、この勝負、俺の勝ちだっ! 我、古の契約に基づき、汝に命ずる、我が召還に応じよ……いでよ、『疾風のディルヴィッシュ』!」
「させるかっ、破滅の力よ、汝我が血もて我を守り賜え、『衰亡の加護』!」
 永遠なる刻と、無数の世界を渡り歩いた者たちが最後にたどりつく世界、ドミニア。戦いの果てに、彼らはいったい何を見るのか!?
 次回、「デックを組んでみよう! 」。ご期待ください。


もどる

Presented By Dark Knight.