この男の「無私」が日本を救った

(井伊直弼の授業・長野藤夫氏の追試)


          1  悪者でなかった井伊直弼

               「この男」とは、幕末を生きた井伊直弼である。
               長野氏の資料を読んで驚いた。
               そこには、今まで私の知っていた井伊直弼とは
               全く正反対な人物像が描かれていた。   
               井伊直弼の「無私」の行動のおかげで日本が
              列強の植民地にならなくてすんだというのである。                                                 

          2  長野氏の授業の追試

              アジアの白地図を模造紙大にコピ−し、
             植民地を色別にした。これを黒板にはる。

            (説明)

              この地図は井伊直弼が活躍した19世紀
            中頃(江戸時代末期)のアジアの様子です。
            フランスは今のベトナムを、オランダは今の
            インドネシアを、スペインは今のフィリピンを
            そして、イギリスは、今のインドやビルマを
            植民地としていました。欧米諸国は、アジア
            の国々を植民地にしようと、さかんにやって
            きていました。
            そして、長野氏の自作読み物資料を配る。 

           (指示1)

           先生が資料を読みます。みんなも黙読

          して下さい。 

             読み終えたあと、原稿用紙を半分に切
            ったものを配る。

            (指示2) 

          感想を書きなさい。時間は5分間です。

           必死に感想を書く生徒。教師のよけいな
          言葉はいらない。「感想を書きなさい」という
          指示だけで十分である。それだけ、長野氏
          の資料に力があるということだ。井伊直弼
          の生き方が生徒に何かを感じさせた。  

            (指示3)              

           感想が書けた人、発表して下さい。   

            数名の生徒が発表する。この後、
           もう一つの資料を配り、読む。(この資料
           は、星亮一「井伊直弼」PHP文庫あとが
           きである。)

           (発問1)

           井伊直弼のどこがすごいと思いますか。

          さっきの原稿用紙の裏に書きなさい。

           (発問2)

           井伊直弼の生き方から、自分はどのよう

          なことを学びましたか。200字程度で原稿

          用紙に書きなさい。

           (指示4)

            先生は指名をしません。どうぞ、発表して

          下さい。 

           (最後の語り)             

             今、私たちはこの日本で平和で豊かな生活を
           送っていますね。このような生活ができているの
           も、江戸時代の終わりに「自分の利益」を考えない、
           井伊直弼の「無私」の心があったからこそだね。
           もし、植民地にでもなっていたら、今の私たちの
           生活があったかどうか。

            なお、この授業は長野氏がおっしゃる通り、

            進路決定を控えた、卒業間近の3年生の

            3学期にぜひとも、行いたい。


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