OLYMPUS E-M5 Mark III

深度合成機能を持っており、それ目当てで購入して立ち上げ中です。 中学~高校の頃にOM-1を使っており(父から借りてた)、それ以来のオリンパスのカメラです。

深度合成は、ピントを前後にずらしながら複数回の撮影をして、 その複数の画像からピントが合った部分を抽出して全体にピントが合った画像を得る技術です。 photoshopなど画像処理ソフトで画像の合成をするのが一般的なようですが、 カメラ側でこの機能を持っている機種があり使い始めました。(2020/8現在)

デジタル顕微鏡などで一般的な機能なんですが、そういえばオリンパスって 内視鏡とか顕微鏡とか強かったですね。
それまで絞り込んでなんとか被写界深度を稼ごうとしていたのですが Nゲージのサイズなんで無理があり、こちらにトライ。

まず、使ってみる

ED71+12系の6両編成。 上が元の画像、下が深度合成した画像です。

レンズはズームキットに付属の M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO です。

まだ条件だしの途中なんですが、フォーカスステップ6、ISO800, f20で撮ったもの。 編成の先頭から後ろまでピントが合った(風の)写真が撮れました。

ワンタッチで前から後ろまでビシッとピントが合った本物風の写真が撮れることを期待していたのですが、 今のところはまぁ…な感じです。 模型っぽく見える原因がピントだけではないというか、本質的に模型であることが 原因だったりするのでそううまくはいかないですね。 条件だしをちゃんとやってないのでまだこれからな感じはありますが、 自然光の下で撮るとか、カメラ側ではフォーカスシフトだけやって 合成はphotoshopにやらせるとか、いろいろ試してみようと思います。

「本物をミニチュアっぽく撮る」ことは簡単ですし需要がある(本物はどこにでもあります)んですが、 ミニチュアをホンモノっぽく撮りたい人ってそう多くはないですし(そもそもミニチュア持ってない)、 カメラ的にはおまけ機能を出ないのかもなーとも思ったり。

今度は583系。13両編成を前から後ろまでピントを合わせることにチャレンジしてみました。
いい感じじゃないでしょうか。

レンズはマクロレンズ(M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro) にしてみました。買ってしまった…。 フォーカスステップ4、ISO800, f20 です。

ワークとして使った写真も残してくれるのですが、手前側に余計なステップがまだ1-2個入ってるので フォーカスステップはもう少し小さくしても行けそうな気がします。

とはいえパンタグラフがついた編成ものは深度合成に対して条件が厳しすぎる気もします。 こういう写真が手持ちで簡単に撮れるほうが、カメラが深度合成を内蔵している強みかもしれません。
これまでは手振れと絞りのぎりぎりを狙ってましたが、あまり気にせずに 撮って前から後ろまでピントが合ったものができます。

銀色や白が滲んでしまいます。 f16, f20くらいまで絞ってしまうとレンズの回折ボケが起きていたようで、 絞りすぎないようにチャレンジしてみました。

ネット上の情報だとフォーサーズレンズはf11を超えると絞りすぎなようで、f8以下でチャレンジ。 カメラのフォーカスステップの振り幅は、絞り値、レンズから出てくる被写界深度で正規化されているようで 絞りを浅くすると同じフォーカスステップでもピント幅が狭くなります。 どこまで寄ってるのかにもよりますが、f6.3だと機関車2両で限界。

上側はフォーカスステップ3, ISO800, f16。 下側はフォーカスステップ5, ISO200, f8。

フォーカスステップ 3 / 5、f8 / f6.3 あたりをうろうろして 一番いい具合かなーと思った1枚です。若干の滲みは残りますがf20の時と比べるとずいぶん改善しています。 反面、すでに編成の6両目以降はピントが合わなくなります。

ISOは800より200のほうが良いように思いますが、単体での比較はまだ。ただ、絞りを開けてる分で シャッタースピードは同じくらいに。 あ、回折の対策としては、画像をちょっと暗めにするのも良いようです。

ソフトウェアで深度合成してみる

定番ソフト? CombineZP で深度合成してみました。 上のED71 + 12系をやってみたものです。 撮影フォルダ内にある生画像(8枚)でトライ。

"Stack" でやったのですが、帯の上下にノイズのようなものが出てしまいます。 カメラ内蔵のほうが成績よさそう…と感じたのですが、 jpegのノイズ拾ってるのかもと思い始めました。raw画像でトライしてみようかともいます。

f8.0、フォーカスステップ1, 20枚をCombineZPで深度合成したものです。 "Soft Stack"でやったのですが、結局これがいいような…。 回折ボケだと思ってたものもこちらでは出ておらず、手すりがシャープ。 ただ、エアフィルタの上に手すりの妙な影があったりしてこちらはこちらで微妙です。 絞りをもっと開けてみてやるといいかもしれませんが、今日はここまで。

左はカメラ内蔵、f20、フォーカスステップ6です。 右はf8.0、フォーカスステップ1, 60枚をCombineZPで合成。 右のほうが寄ってるので条件が厳しいです。 編成を前から後ろまでシャープに…撮ろうとするとf6.3~f8、フォーカスステップ1~2、 20枚~30枚程度は必要なようで、カメラ内蔵の8枚だと厳しいように思います。

まとめ

E-M5に内蔵の深度合成機能は枚数制限の8枚というのがあり、 Nゲージの1編成(10cm~1.5m)で深度合成しようとするとf11、フォーカスステップ5程度が限界かと思います。 おそらく最適な条件はf6.3~f8、20枚~40枚程度になるため、 それを外部で合成したものに画質としてはかなわないように感じました。

8枚という枚数はおそらく搭載しているバッファRAMのサイズやマイコンの演算スペック、 ひいては価格から来ているかと思うのですがNゲージの編成には厳しいようです。

一方でカメラが深度合成機能を内蔵しているのはとてもお手軽で、例えばブラケット撮影したファイル群を いちいち手動でグルーピングする必要もなくワンタッチで深度合成した画像が得られます。 ちょっとした工作中の写真や模型の一部分、パーツ等を撮るにはとてもよさそうに感じました。 花や虫などを手持ちで、手軽にきれいに撮るにはとても良い機能なのではと思います。

私は、編成写真はフォーカスブラケット撮影+外部での合成でいこうというのが結論です。