貨物列車に乗務する車掌が乗る車両です。 駅扱い貨物があったころは駅ごとに車両の解結が行われており、 車掌もいろいろやることがありました。

長らく、「サイズがでかくてテールライトが点かないKATOのヨ6000」か、 「テールライトが綺麗につくけど高いトミックスのヨ8000」の時代が続いていましたが、 KATOのファインスケールヨ5000の発売をきっかけに(?)KATO・トミックスのそれぞれで ヨ5000・ヨ6000・ヨ8000の主要形式がテールライト点灯で手に入るようになりました。

そういえばワフのほうは恵まれておらず、KATOの「縦に長いワフ29500」の天下が 相変わらず続いてますね。 「意外と背が低いワフ29500」(ワフ35000でも可) を見てみたい気がします…。

ヨ5000(トミックス)

ヨ5000です。

1960年代に製造された国鉄の車掌車です。 新製されたもの、1段リンクだったワフ3500を2段リンク化したもの、コンテナ列車に連結するため緑色塗装のものなど形態は多岐にわたります。 走り装置は2段リンクで、柔らかい板ばねを装備して最高速度は85km/hでした。

模型はトミックス、「東北本線一般貨物列車セット」に含まれているもの。 ワム60000欲しさに買ったセットだったのですがトラ70000とかレム5000とか「いくつあっても困らない車両」たちをいじってるうちにセットは2セットに増えてヨ5000も2両。 ちなみにセットに含まれる車両のうち、「東北本線」を主張するのは所属が水ミトなヨ5000くらいな気もしますが…。 トミックス車掌車定番の目立つ集電版が気になり、そこからいろいろ。気づいたらセットの中で一番加工が重くなってるような(あるある)。

デッキの手すり取り付け、 床下の集電方法の変更(集電板を見えなくした)をやってます。

デッキの手すりはφ0.2の燐青銅線で、塗装してから取り付けています。 取付穴はφ0.25で開けていて、φ0.2の手すりをプライマー(ミッチャクロン)とプラ用塗料で塗装すると塗膜の厚みでちょうどいい具合に刺して固定できるようになります。 同じ感覚で塗装すると黒の塗膜は薄め、白の塗膜がやや厚めになるため、感覚で調整しながらやります。(適当)

摩擦で固定され、接着しなくても抜けなさそうだったのですが、念のため緑キャップ(超微量)で塗膜と車体を接着しました。 塗装した車体に使いますので、筆先に含ませる量には要注意です…。
全8本のうち縦樋に隣接する2本は滲んでしまうのが怖く、緑キャップは使わず黒の塗料でくっつけました。

あ、プラが目立つ手ブレーキハンドルも塗装しています。

床下。

集電方法を変更してスカスカになってしまったので、モールドを削って自作しました。 蓄電池箱・車軸発電機はモデルアイコンのマニ44用から拝借してます。 KATOから発売されてしまい、もはや組み立てることはなさそうでしたので…。
車軸発電機はアジャスタをφ0.3真鍮線と割ピンで作ったのですが、 取付位置を間違ってしましました。車軸発電機の中心からにょっきり生えてるのですがこの位置ではなく、車軸発電機の根本から生えるのが正解かと。 もはや修正不能なので、次作るときの修正ネタにしてます。

ブレーキのKC弁はランナーの余りから自作しました。 トミックスの他の貨車の成型を見ながらまねてつくったのですが意外といいかも。 エアータンクの部分がφ2になるようにして、そこからシリンダ-がだんだん細くなるようにバランスを取ります。 ブレーキテコはどうせ見えないので適当。引き棒は作ってません…。

他の貨車と同様に床下を茶色→黒→赤さび(台車付近)→フラットアース(上下面)の順序で塗装。 カプラーはかもめナックルにしています。

EF15にけん引される貨物列車の図。EF15の写真になってます。。。 この目立つ白い手すりがやりたかったのです。

集電です。
ヨ5000は旧集電。
トミックスの車軸の寸法は、旧集電と新集電⁺集電軸受けで互換になっているようです(レサ10000では台車を共用してます)。 新集電の軸受けをつかって集電することにし、車軸の根本に細い穴を開けて新集電の集電板の軸受け部分を上向きに通しました。

ライトユニット側は0.2φ燐青銅線を基板上面にはんだ付けし、 これを先ほど通した集電板の軸受け部分に接触させます。

ヨ5000(KATO)

こちらはKATOのヨ5000。

トミックスとほぼ同じタイプをプロトタイプとしており、多数派を選ぶとこうなるかなーという感じ。 ちなみに発売はこちらのほうがはるかに先です。 トミックスと同じく手すりを取り付け、床下の塗装をしました。

単に手すりを取り付けただけっちゃ、だけです。 床下の塗装を行い、ステップ部の白などは入れなおしています。

写真を調べていると、側ブレーキのステップ・手すりが白く塗装されてないものが多くあります。 これはヨ5000・ヨ6000ともおなじで、どうも旧い写真にいくほど塗装されてないようです。 有蓋車や冷蔵車なども側ブレーキのステップ・手すりは旧い写真になるほど塗り分けられておらず、どこかしらの時代から塗られ始めてるように見えます。 白く塗装せずにバラエティ…も考えたのですがやっぱり白いほうがかっこいいので全車白く塗ってしまいました。

赤く光るテールライト。 車輪はスポーク車輪に交換してあります。

連結器、エナメル塗料でサビというか油脂というかを表現してみたのですがいかがでしょうか。 黒鉄色で塗料のはげを表現するのにもチャレンジしてみようかと思いつつ…、それはまだです。

ヨ6000(トミックス)

ヨ5000に引き続き製造されました。 製造量数は905両ですが番台区分として7900番台が存在し、このためヨ7000は存在せず次の車掌車の型式はヨ8000となっています。

主にローカル線向けだったのでヨ5000と比べると小型となり、 車内の椅子も3人分から2人分に減らされています。 ストーブは当初は石炭ストーブだったのですがのちに多くが石油ストーブに換装されています。 石油ストーブ装備車は車端部に白のラインを入れて識別できるようになってます。 ヨ5000だとトミックスは石油ストーブ装備車、KATOは石炭ストーブになってますが ヨ6000はトミックス、KATOともに石油ストーブ装備車を模型化していますね。

トミックスのヨ6000。 発売はかなり昔の、ミニカーブレール対応の貨車たちの黎明期だったと思います。 まだKATOのでかいヨ6000が幅を利かせていた時代、速攻で食いつきました。

ヨ5000と同様、めだつ集電版を撤去して床下機器を作り直しているのが主な加工になります。 白く目立つ手すりも取り付け。

集電板を撤去してスカスカになった床下を作り直しています。 蓄電池箱はKATOの客車のものの縦幅を詰めて使用。 こちらは、車軸発電機も自作しています。

KC弁はまた自作しました。
そこから延びる空気配管もただの真鍮線ですが取り付けています。 チリコシも付けたかったのですが…面倒になりやめてます。

塗装は、いつもの茶色たちあげの艶消し黒です。 ブレーキシューと、板ばねまわりはエナメル塗料で追加で汚しました。

集電部のつくりかえ。
工作はヨ5000と同じ内容です。
テールライトは片方非点灯にしようか悩んだのですが…勿体ない気持ちになって両方とも点灯にしてしまいました。

ヨ6000(KATO)

永らく「ちょっと大きいヨ6000」が幅を利かせていたKATOでしたが、 そのヨ6000も、各種2軸貨車のファインスケール化にあわせてファインスケールでリニューアルされました。

トミックスの手すりを埋め込んだのと一緒にこちらも手すりを追加しました。 トミックスのように集電版が見えてることもない床下は最初から完成度も高く あえていじる必要もないのですが、茶色立ち上げでの塗装はやってます。

スクラッチからの製作で立体感が出たトミックスの床下と比較すると今度はこちらが GMキットの電車の床下みたいにチープに見えてきてしまう(特に車軸発電機…)のですが、まぁ…。

ちなみにヨ5000とも同じですが、デッキ・テールライトまわりにはメーカーの個性が出ており、 床板を嵩上げしてデッキが平面になることを重視しているKATOと、 ステップ周りのファインスケールを優先してテールライトレンズは真ん中を堂々と通しているトミックス。
ステップの幅も結構異なり、こちらは幅の広いトミックスのほうが雰囲気が出ているように思います。

いじる前に検索したら、品薄なようで結構プレミア価格で取引されててびっくり。 汎用性が高い車両で、欲しくなった時にないと困るのでこうなるんでしょうか。 各種2軸貨車は結構頻繁に再生産されて市場在庫はあるのですがイメージなのですが、 それでも汎用性が高い貨車はすぐになくなるようです。
タキ35000とかも再生産されるたびにすぐになくなりますしね。