ガリレオ衛星相互食2003年5月3日

 ガリレオ衛星は、木星にある衛星です。この衛星は、ガリレオ・ガリレイが見つけたもので、4個あります。これらの衛星は5〜6等星と明るく、双眼鏡でも見ることができます。
  ガリレオ衛星は、木星の周りを回っているので、地球から見ると、木星の近くにいつも見えています。普通は、地球から見ると少し傾いて回っているのですが、6年に一度、ほぼ水平に、木星の周りを回るようになります。今年はこの年で、ガリレオ衛星が重なって見えたり、影に隠されたりする相互食が見えます。

 さて、その様子を撮影したものがしたの画像です。右側の明るい木星が大変目立ちます。その左に見えるのが、ガリレオ衛星です。この画像では、カリストが見えていませんが、衛星は一番下の図のように並んでいます。
 
  今回は、ガニメデの影に、イオが入る現象です。イオは、自分で光りを出していないので、ガニメデの影に入ると、太陽の光りが当たらなくなり、暗くなります。一番イオが暗くなるのは、20時56分ころでしたが・・・。20時50分すぎからうす雲が多くなり、減光していく様子がよく分かりませんでした。しかし、影から出てくるのはなんとか分かりました。
 画像を注意深く見ると、20時56分のものには、イオがほとんど見えていません。しかし、20時58分には、少し明るくなっています。そして、21時00分になると、ほとんどもとの明るさになりました。影に入り始めて、終了まで約8分の現象でした。特に、イオは95%の減光で、大変いい条件だったのですが、雲があり残念でした。

左上から下へ、20時49分、56分、57分
右上から下へ、20時58分、59分、21時00分
バイザック20cm反射+LV25mm パナソニック デジタルビデオカメラNV-DB1
撮影地松山市内
 画像は静止画を8コマ取り出し合成し、トリミングしています。


 今回はなにしろ雲があって、衛星の明るさが、変化しています。しかし、本当はイオ以外の衛星の明るさが変化しているのではありません。また、シンチレ−ションが不安定で、衛星の形がいびつに変化し、明るさのばらつきもあります。

 ところで、画像で見ると奥行きが表現できません。実際は、ガニメデがイオの手前にあります。太陽はこの時、まっすぐに衛星を照らしているのではありません。少し傾いた方向から照らしています。分かりやすく言えば、右側手前から太陽の光りが当たっていると思ってください。そうすると、ガニメデの影が左奥へと伸びていきます。この影が、イオに重なって、暗くなるのです。ただ、完全に影に入っているのではないので、真っ暗にはなりません。なお、同じ現象の2/25の画像と見比べると、イオの減光の大きさがよく分かるでしょう。

 

 

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