Excel孫の手−１３０

	
「エクセルの −べからず−」
　Ｑ．先日、あんまり残業が重なったんで、部長に文句を言ったんですよ。						
　　　そしたら、「効率が悪い仕事をしてるから・・・。」なんて言われて、ちょっと、
　　　カチーンと来てしまって、だって、あんなにエクセルで効率を上げているんです						
　　　よ。						

　Ａ．部長から見たら、効率が上がったのが分かっていない、そんなに言うなら自分で						
　　　やって見ろと思っているんでしょう。						

　Ｑ．ソウデスそうです、イヤァ嬉しいなあ、分かってくれる人がいて。						

　Ａ．イヤ、その反対ですよ。						
　　　効率の悪い仕事を本当にしていませんか。

　Ｑ．心外だなぁ、ここで、いつも質問して答えて貰って、それを仕事に反映させてい
　　　るから、壁に貼ってある『業務効率を上げよう！』の標語が、自分の代名詞みた
　　　いに感じているくらいです。

　Ａ．そう、私もそうだったんですが、ある時、ふっと気付いたことがあったんです。
　　　何でもかんでもエクセルの機能で実現しようとしていたけれど、地道な手作業
　　　の方が早い場合があることに！

　　　こんなことしてません？
　　　１．大量のデータを集計するように言われました。ただ、不定形のデータ部分が　
　　　　　含まれていて、定型データに揃えるのに、複雑な関数を使って処理しようと　　　
　　　　　して、関数がきっちり動かない。

　　　２．少ないデータなので、簡単に処理した後、見映えをやたら良くしようといろ
　　　　　いろと工夫する。

　　　３．多部門に配信しているデータ収集用のフォームを、頻繁に改良する。

　Ｑ．もちろん、っていう感じで、当然のように１も２も３もやってます。

　　　１．については、集計前にデータを整形するのは、必然ですよね。

　　　２．については、いつも言われるんです。『もっと、インパクトを』とか、もっ
　　　　　と『もっとスマートに』とか・・・。

　　　３．については、『情報をもっと効率的に集めたい・・・』の裏返しで、入力欄
　　　　　を増やし、レイアウトも利用部署の意見を反映させているんです。

　Ａ．そう、その答は至極もっともな内容で、反論の余地がありません。

　Ｑ．そうでしょ、努力してマスモン。

　Ａ．フフッ、残念でしたぁ〜、あなたはエクセルに使われています。
　　　
　　　１．について
　　　　　関数でいっぺんに処理したい気持は、よ〜く分かります。
　　　　　でも、データ量の数％にも満たないイレギュラーを処理するなら、手作業で
　　　　　処理した方が遙かに早く終わらせることが出来ます。
　　　　　そのための機能が、『置換』『検索』です。
　　　　　この辺の見極めで、作業時間は、相当に変わってきます。

　Ｑ．確かに、やたら入れ子構造の難しい関数で処理すると、数式を作ってチェックす
　　　るのに時間はかかっています。でも、チャレンジしたいじゃないですか。

　Ａ．そこですよ、自己満足のために時間を取られていると上司は思っているハズです。

　　　２．について
　　　　　日頃から、見映えについてのノウハウを身に付ける努力をしておき、実際の
　　　　　業務を処理するときは、イチ押しのデザインを使えるようにしておくのです。
　　　　　実際の業務処理に、研究的な時間を持ち込んでしまいがちなのが、エクセル
　　　　　のように自由度の高いソフトが持つ『ワナ』なんですね。

　Ｑ．試行錯誤って言いたいんですか。

　Ａ．分かっているじゃないですか。それに、その場での変更は、実力ではなく、あと
　　　で見ると意外にアラが目立ったりすることはありませんか。

　Ｑ．ソコを突かれると痛い。ヒヤッとすることも・・・。

　Ａ．そうでしょ、そうでしょうとも。

　　　３．について
　　　　　このパターンが一番時間を取られています。
　　　　　何故？多部門にわたるデータは、集計されるときに、『くし刺し演算』を使
　　　　　いますよね。そして、データには過去に蓄積された物が存在します。
　　　　　と言うことは、過去のデータを現在のフォーマットに変換しなければ、使え
　　　　　ません。　そして、変換の際のデータの欠落や改変のチェックも必要になっ
　　　　　てきます。

　Ｑ．いや、流石に鋭い！
　　　データ変更はないはずだったのに、フォーマット変換で一部データが置き換わっ
　　　たことが有りました。それも、一度や二度ではないんです。
　　　チームで仕事をこなしていますから、異なったフォーマットに変換してしまい、
　　　後で責任のなすり合いに成りかかったこともありましたよ、そういえば。

　Ａ．どうです？こうやって考えると、余計な仕事をしていたと思えるようになってき
　　　たでしょう。

　Ｑ．確かに、そう思わざるを・・・。ちょっと、悔しいですけど、これが真実ですと
　　　言われてグサッと来ました。

　Ａ．でも、気が付いたのですから、もう大丈夫。
　　　能力は折り紙付きなんですから。

　Ｑ．慰めでも、有難いお言葉ですーっ・・・・。
　　　そういえば、あれも、これも、それも・・・！！！！！

　Ａ．おやおや？！