5.寅さんの名ゼリフ - 第9作 「柴又慕情」
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世間知らずなセリフ

「親切な女将(おかみ)の一人もいて、俺が仕事から疲れて帰ってくる。『お帰りなさい、疲れたでしょ?』。 そんな事を言ってくれりゃぁそれで十分よ。あっ、風呂はなくってもいいよ。俺銭湯大好きだからね。 『一っ風呂浴びてらっしゃいな。帰ってくるまでに晩御飯作っとくからね』。タオル、洗面器、 シャボン。『どうせあんた細かいお金持ってないんだろ?』。四十円ポンと貰って、『じゃあ行って くるか』。『いってらっしゃい』。やがて俺は風呂へ行く。帰ってくる、晩メシになる。俺はね、 おかずなんか何だっていいな。どうせ家賃はたいした事ないんだからさ。そうねぇ、おつまみに 刺身一皿、煮しめにお吸い物、玉子焼きなんかちょっと付いてもいいし、おひたしなんかもあった らいいなぁ。お銚子を三本ぐらいすっと飲む。昼間の疲れでついウトウトする。女将(おかみ)が スッとそれを見て、『櫻、枕を持ってっておやり。ついでにお腰も揉んでやったらいいんじゃ ないかい?』、ってね。あ、"櫻"ってのは下宿の娘よ。ん? どうしたんだ、その面は」

【解説】
寅次郎が一人暮しをする為に不動産屋を回り、つい調子に乗って世間知らずな自分の希望を ぺらぺら喋ってしまった。それを聞いて飽きれた不動産屋。


無神経なセリフ

「あんちゃんは見なくたってお前達のウチがどんなもんか良くわかるよ。割り箸みてぇな 細い柱立ててよ、安い煎餅みてぇな壁ペコペコ回りに張り付けて、中へお住みになるんですか?  中に居て、よっこらしょっと座ったらストンと底が抜けるんじゃねぇかぁ。そよ風がフワッと 吹いただけでコロンと転がるようなウチだよ。みっともない事やめろぃ!  ウチなんか建てるなんて生意気な事はやめろやめろ!」

【解説】
自分の家を持つ事を考える博と櫻に対して精一杯のケチを付ける寅次郎。 このセリフで博は目に涙を溜め、櫻の方は泣き出してしまった。ここまで言わなくてもいいのに・・・。


情けないシーン

タコ社長:「上を見てもきりがねぇし、下を見て暮らさなきゃいけねぇって話だよ。なぁ、おばちゃん?」
おいちゃん:「お前の工場より下があんのかい?」
タコ社長:「・・・。酷ぇよそりゃぁ・・・。言っていい事と悪い事があるだろ・・・。俺の工場だってな、俺が真面目に働いたから・・・(涙)」

【解説】
寅次郎の無神経なセリフで嫌な雰囲気になったのを見たタコ社長が、場を取り直そうとして一言言った。 それに対しておいちゃんがさり気なく突っ込んだ。


キザなセリフ

「そんな気の利いたもんじゃござんせん。宛てもねぇ、ただの旅人ですよ」

【解説】
旅先でマドンナに「観光旅行ですか?」と聞かれて答える寅次郎。


番外篇 - マドンナ、失恋話を語る

「ある日、私その人のウチに遊びに行ったの。お庭が広くてね、垣根に真っ赤な薔薇の花が咲いてる ようなウチだったんだけどね。そしたらその人がね、私にこんな事言うのよ。『結婚したら、君は 薔薇の手入れだけしてれりゃぁいいんだよ』って。その時私、なぜだか急に嫌ぁな気持ちになっちゃってね。 何て言ったらいいのかなぁ、馬鹿にされたみたいなって言うのかな。それでウチに帰って父に話したら、 『そんなヤツやめちまえ』って言うもんだから、結局それっきりやめちゃったの」

【解説】
この話はマドンナの失恋というより男が失恋したと言った方が正しいかもしれない。ただいかなる理由でも 恋を失うのが失恋であるので、やはりマドンナから見ても失恋かもしれない。


笑えるセリフ

「お互いに薔薇の花ってガラかぁ? せいぜい鼻の穴ぐれぇじゃねぇか?」

【解説】
マドンナの薔薇の花の話でおばちゃんが「私も一度でいいから言われてみたい」と言い出した。 それに対しておいちゃんが怒り、寅次郎が止めに入った時に言ったセリフ。


気分最高なセリフ

「おお、労働者諸君! 今日も、一日ご苦労様でした! 明日はきっと、カラッと晴れた日曜日だぞぉ!」

【解説】
明日の日曜日にマドンナと散歩に行くというので気分が最高の寅次郎。


番外篇 - 博、冷静な一言

「しかしなぁ櫻。誰かが傷ついたり、寂しい思いをしたりしたとしても、仕方がない事だってあるんじゃ ないのかなぁ。仮にだよ、お父さんの為に結婚を諦めたとしても、誰も幸せになる訳じゃないだろ?」

【解説】
父親の為に結婚を迷っているマドンナに対して冷静に語る博。


番外篇 - マドンナ、決心する

「今夜わたし決心がついたわ、彼と結婚する事を」

【解説】
マドンナにモロに結婚の決心を打ち明けられた寅次郎。それを聞いた寅次郎は下を向いたまま一言。 「そうかい、そりゃぁ良かった・・・」



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