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夏の暑い日に寅次郎が旅から帰ってきた。とらやに帰る前に上野からとらやに電話を入れた寅次郎。
おいちゃんの死んだ夢が気になって電話したのである。電話に出たおばちゃんが、冗談のつもりで
「おいちゃんはやっと息をしてるだけ」と言ったのを寅次郎は真に受け、慌てて上野からタクシーで
帰ってきた。
寅次郎が帰ってきたすぐ後で、御前様や近所の人達、そして葬儀屋が続々ととらやにやって来た。
寅次郎が上野から帰る道々そこら中に手を打ってきたのである。ほんの冗談のつもりがそこまで話が
発展してしまい、その事で夜になって大喧嘩が始まった。怒って旅に出ようとする寅次郎にさくらが
平謝りし、結局とらやに留まる事となった。
しばらくして堅気のセールスマンになった登が札幌の政吉親分が重病だと寅次郎に言いに来た。誰かれ構わず札幌までの
旅費を借りようとする寅次郎に対し、さくらが散々説教をした。しかしそれでも最後は寅次郎にお金を貸してやった。
そのお金で寅次郎は登を連れて札幌まで行き、生い先短い政吉親分に再会した。
政吉親分には女中の妾に産ませた息子がいた。病床でその息子の顔が見たいと寅次郎に哀願する政吉親分。
寅次郎と登は政吉親分の息子を捜しに函館まで行く事になった。しかしやっと捜し出した息子の澄雄(松山省二)に事情を
話してみたが、澄雄は母親と自分を不幸にした無責任な父親にはどうしても会いたくないと言う。寅次郎は仕方なく
政吉親分に言い訳をする為病院に電話したところ、親分は数時間前に死んだと聞かされた。
さくらの説教と政吉親分の死により、寅次郎は今までの自分の生き方を深く反省した。札幌の宿で、
実の親に対する登の不謹慎な気持ちに頭にきた寅次郎は、登をぶん殴りすぐに田舎に帰れと登を宿から追い出した。すっかり
気持ちを入れ換えた寅次郎はその後とらやに帰り、おいちゃんとおばちゃんに今までの事を詫びた。そしてこれからは
「額に汗して油にまみれて働く」と誓ったのであった。
寅次郎は一旦はタコ社長の印刷工場で働く決心をしたが、結局断られてしまった。
その後、寿司屋と天ぷら屋と風呂屋に行ったが全部断られ、頭にきた寅次郎は最後に風呂屋のおやじの首を
絞めてしまった。職探しに疲れた寅次郎は、江戸川に置いてある小船の中で昼寝をした。ところが小船のロープが外れ、
眠ったままの寅次郎を乗せた小船は江戸川の川下の方へ流れて行ってしまった。
しばらくして寅次郎からさくらの所に油揚げが送られてきた。あれから寅次郎は小船で浦安まで流され、
浦安の豆腐屋に住み込みで働いていたのである。さくらが寅次郎を尋ねて浦安の豆腐屋に行くと、そこには
額に汗して油にまみれて働く寅次郎の姿があった。豆腐屋のおかみさんにすっかり気に入られている寅次郎だが、
実は寅次郎にはまたしても下心があった。豆腐屋の一人娘の
節子(長山藍子)に惚れてしまっているのである。
むし暑いある晩、節子が寅次郎の部屋にやってきて、「できればずっとこの店に居てもらえないかしら」と突然寅次郎に言った。
これをプロポーズだと思った寅次郎は、しどろもどろになりながら「いいよ」と答えた。
次の日の夜、寅次郎がずっと店にいてくれるお祝いで、家族で一杯やる事になった。乾杯の後に、
豆腐をよく買いに来る若い男(井川比佐志)がスイカを土産に持って店にやってきた。若い男は寅次郎がずっと店に居てくれる事に
対し、「これからも宜しく」と言う。何故その男に「宜しく」と言われるのか不思議に思った寅次郎は、「この男は親戚か」と
おかみさんに尋ねた。おかみさんの答えは「これから親戚になる男」だった。
何の事はない。その若い男は国鉄の職員で節子の恋人だったのである。節子が結婚して家を出ると豆腐屋を継ぐ人間が
いなくなるので、その事で二人は今まで結婚できなかったのである。そこに寅次郎が現れ、しかもずっと店に居てくれるとなれば
この二人はすぐにでも結婚ができる事になる。寅次郎にとっては何ともバツの悪い最悪の失恋となってしまったのである。
翌朝早く、寅次郎は黙って豆腐屋を出た。そして花火大会の夜、寅次郎はカバンを取りにとらやに
顔を出し、再び旅に出る結末となった。
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