1993 .3/19〜20

火打・澄川<山スキー)

 初めてのコレを含め、ここに計3回行った。(やはり、このときの感動が一番)
まだ、信越線が63を連結し碓氷峠を通過した時代。長野乗換えがないだけ楽。電車は、家を出た時から旅である。



 雪のち薄日。パウダースノーの澄川に一人シュプールをつける私がいた。
  
 今回は3月18日、23時50分発のシュプール号に乗る。全席予約のため並ばなくとも良い。多くの人は上のホームで待っている。大宮を過ぎると消灯となり、さすがに学生も寝る。おかげで今回はよく寝れた。

3月19日
 弱い冬型ということで、妙高高原駅は雪。妙高国際スキー場に着くも雪。駐車してある車には20cm積もっている。これでは三田原山登りは30cm以上のラッセル。<ヤバイ)8時45分リフトに乗るもガスって雪。先行者いないかな?今日はゲレンデスキーしてようかな?
 
 ところが、第三リフトの途中からガスの上に出て、陽が射している。おまけにリフトを降りるとシールを着けている男女2人パーティがいる。トレールがあると楽だ。この若い男のラッセルが速く、ただついていくのがやっと。雪は降っているが、今日は風がなく、ガスもさほどない。三田原山直下から私が先行。

 三田原頂上からの滑りだしでもたついていたら、女の人に処女雪を蹴散らされてしまった。この恨みはいずれ晴らすのであった。黒沢池からの登りは、私が先行する。雪は深いが軽いので、さほどしんどくない。高谷池ヒュッテ14時着。彼らも雪が降ってるため小屋へ入る。彼らは明日、澄川に入る予定。私は、気が多いとぼかす。釣り師の心境か?この夜は、3月6日の夜よりかなり冷えたが、よく寝れた。

3月20日
 朝起きると白馬が見える。火打には雲がへばりついているが、時間の問題だろう。
 
 7時30分、私が先行。8時頃、火打が晴れる。彼らには雷鳥平らで追い着かれてしまう。彼らは、そこにザックをデポし、私と先頭を代わる。
 
 雷鳥平の会話、女「今日はどこに行くの?」私「てっとり早いから澄川にしよっと」女「あそこは、上り返しと、その後の林道長いから一日では無理よ」私「ヘッドランプとジョギングシューズ持ってますから」
 わらじの記録でも一日で行ってるし・・・。ちなみに、彼女らはテント持参です。

 10時、頂上着。私は、早く澄川を滑ろうと考える。彼女らは、見えないが、幸いなぜかもたついている。
登ってきた東面を一ターンすると即転倒。雪が腐りだしている。それではと北面に回りこむ。この頂上直下からの澄川の源頭は、パウダースノー(60cm)で、踏ん張らずにターンで快適。カールの底でしばし自分のシュプールを眺め、ほくそ笑む。この後、雪が最上粉雪のため一度も転ばなかった。黒菱川出合100m手前で板を外し、10m急斜面をつぼ足で登る。黒菱川12時。川が割れており渡れず、いちばん緩い雪壁から川床に降り、対岸に渡る。このころから、にわかに雪が降り出す。ここから燕尾根まで登り返さねばならない。やや雪が重くなり、急斜面のラッセルがしんどい。深雪の登りは辛いので、左にトラバースする。

 13時45分、少し上に行くと平らな所があり、そこまで行くと何と燕尾根を登っている人とご対面。両者、驚く。雪の降る中、迷ったかなと不安であったので、ホッとする。「これから登るんだ」「これは、気圧の谷の雪、たいしたことない」「自分らは発電所から来た。その後の林道はモービルが来てるから大丈夫」「除雪はまだ菅沼までしかやってない」私、大安心。このパーティは、一人がテレマーク、一人がつぼ足であり、後者が遅れていた。ここから尾根上を滑り出す。途中、緩い尾根が二手に分かれる。右側がルートであるがトレールがあって助かる。その後、目の前に急斜面が現れる。なんと、発電所の送水管の上を滑るのである。急斜面+湿雪、ボーゲンになる。第三発電所14時45分。吊橋を渡り、200mシールで登る。発電所員のトレールがしっかりしている。登り切るとモービルの車庫あり。ここからクロカン走法の始まり<15時)。菅沼付近16時。ここから除雪してある。ところが、道路の両脇に昨日の雪が10cm残っている。その上を、またクロカンする。ストックがコツコツ響く。

 滑っていくと、なんと人家まで来てしまった。

 火打2460から西菅沼新田300mである。

 バス停着、16時30分。バスは16時55分。民家の車庫前でカッパを着て雨宿りしていると、そこの家の車が前に止まる。ガレージを開けてくれ、まだ用足しがあるから内に入っていろと言う。カッパを脱ぐ。ふと見ると古い山スキーの板があった。10分ぐらいで戻ってきて「どっから来た、火打凄いね。俺も山やってて、年間100日ぐらい行ってた。山スキーで靭帯やってからやめた。ちょうど昼闇山の沢の開拓の頃でな。じゃあ、気をつけて」16:55、バスに乗る。新井駅に着く。460円のところ万券しかない。ブットばされるかなと思い、恐る恐るだす。「事務所があそこだから、そこに払っといて」事務所に行くと女の人がお釣りをくれた。「毎度ありがとうございます。どこから来たの。気をつけて」皆、親切。19時04分の直江津発特急「あさま」で帰ることにして食堂でたらふく食う。