2002/5/16

浅草岳

             

 残雪の浅草岳、ここは私のとっておきの山である。天然のスタジオと言ってもよい。頂上からの残雪の山々の展望。どこを見ても山また山なのがよい。中腹のブナ美林、頂上までの花花花。ま近に見る鬼が面の岩壁。(比するに,白髪門からの一の倉など目でない)10年来てもいまだに飽きない。紅葉の秋もよい。
最近、知る人に知られ、週末は人がいていや(越後側から林道を車で入れば楽に登れる)だが、平日は○。

 前夜、関越トンネルだけ高速使い、塩沢インターで降りる。窓を開けると、何とも言えぬ越後の匂いがする。入広瀬村の大白川駅前に車止め寝る。もう、六十里越えは冬季閉鎖解除になり車の通行可能だった。

 朝、峠を越えると田子倉湖の対岸に猿倉岳、遠くに残雪の未丈ヶ岳が見えた。(こちらから見ると北面の為、残雪多いが、帰りに小出側から見ると残雪ほとんど無く真っ黒だった)

 6:30田子倉駅前の駐車場から登る。朝のうち曇っていたが8時半ごろ晴れ。川をスノーブリッジで渡り、ブナの台地に登る。昨年より残雪少ない、それでも、お気に入りのブナの殿堂には残雪の中に映えるブナの新緑があった。なにやら、人の気配。ふと左を見上げると、壁にへばりつき山菜を採っているおばちゃんがいた。
 ブナ林を抜け、日当たりのよいヤセ尾根に出ると、カタクリ、ショウジョウバカマ,オオバキスミレ、イワウチワ、オオイワカガミ、キクザキイチゲ、シラネアオイ等の花の楽園だった。

 頂上直下で単独者とすれ違い、11時ごろ頂上着。鬼が面の岩壁の後ろに,毛猛山,太郎山、未丈、そのまた後ろに平ヶ岳、荒沢岳、中の岳、駒が岳,八海山。また、田子倉湖の向こうに会津朝日、丸山岳、会津駒方面。北は守門,粟ヶ岳,御神楽岳。何故か、只見の平地も見えるのが愛嬌。

 一人の時間を過ごす。(ここで他に人がいたらショックだ)新潟側から人が雪渓を横切って登ってくる人が来るので、会う前に下山する。実は,汗で濡れて腹が冷えて大をしたくなった。

 往路の只見尾根を下山中、ボコッ、ガラガラ、振り返ると白い爆発か?鬼が面山の稜線に引っかかっていたブロックが落下し、岩壁に当たり粉々に崩壊し,雪塊が岩石を交えてガラガラと急な雪渓上を落下していったのだ。すさまじいものを見た。あれに遭ったらひとたまりもないなあ。  

 
只見線で4月上旬以前にピッケル持って登りに来たら面白いかも。