2004/8/12.13.14.15

南ア・赤石沢

佐藤(松本労山)・沼

12日 牛首峠(10時)北沢出合(14時)100m上のテンバ(14時半)
13日 出発(7:15)門の滝(40分待ち)5m右壁ハング直登(40分待ち)大ゴルジュ高巻(40分待ち)滝沢出合BP(15時)(15時半ヤツラ通過)

14日 出発(8時)百間洞山の家(10時40〜11時)赤石岳頂上小屋前(14時〜14時35)赤石小屋(17時半)(佐藤さんが頂上小屋でビールを飲み、酔ってしまい大ブレーキ)
15日 赤石小屋(6:00)サワラ島(8時半)畑薙第一ダム下駐車場(9時着:待っていたプラド送迎車に飛び乗る)

二日目、先行されたA山岳会5人に、門の滝で40分、5m人工で40分、大ゴルュジュ高蒔きで40分待たされました。(ザイル張るので)
 つらっパじないやつらで(女性もいる)、当然の様な顔で、イラつきました。(大ゴルュジュ高巻きで彼らが上へルートミスする間に、水平トラバースで、やっと追い抜く)
 最終日、赤石小屋からの下山では一度追い越されたが、休まず追い越し、先の送迎車に乗れ、鼻を明かしました。
 (数日前、単独で入渓した50才の人が、疲労(手帳に記述)で死んでいるのが発見されたとのことで、不気味でしたが、どこだかわかりませんでした)
 バスの運ちゃんが、「50で行くとこじゃないよな」と言う。偏見では?
 


初日


畑薙第一ダム下の駐車場に6時半ごろ着くと、駐車場が車たくさんで、おまけに10人ぐらいバス待ちの人が並んでる。始発8時10分では?ゲートの所で寝てた佐藤氏が車で戻ってきて6時45分合流。
そのうち、バスが二台来て登山者が並び長蛇の列。あわてて、最後尾に並ぶが、7時に出た臨時バス二台には、あと15人差で乗れなかった。
やはり、お盆休みは今日からで、ラッシュの様相。その後、8時過ぎプラドが来て6人乗る。
結局、7時に出た、バスが戻ってきたのは9時だった。その時、ちょうど静岡からの始発リムジンバスが到着して、25人ぐらい下りる。最後尾に並んだのは当然。

10時に牛首峠で降ろしてもらった。快晴で赤石沢の奥に赤石岳が見える。梯子で降り、河原で仕度してると、後続のバスで来たA山岳会5人が登場。
我ら先に出発。大きな釜で水流に向かい泳いでいく佐藤さん。難なく泳ぎきり落ち口を登る。私は不安を感じたが、ザイルなしで泳ぎ始めるが、メットを付けた頭がザックに使え、頭が上がらず息継ぎが出来ず、慌てて戻る。(ザックの雨蓋の間に、はさんだザイルが後頭部まで盛り上がっていたのだ)
ここは、お前では泳げないよと言う、神のお告げの様でもあり、シュリンゲの垂れてる右壁から巻く。なんだ、沼さん泳げないの?
そうなんです、私はドザエモン、いや違った、カナヅチの埼玉県人です。文句あっか。

その後、白泡の立つ水流を果敢に攻め突破する佐藤氏。ここは、ザイルをザックに付け、それに抱きつき引っ張って貰う。楽ちん。

その後の、ニエ淵の大釜は、佐藤氏が空身で20m泳いで落ち口の2mの滝にやっと這い上がった。佐藤氏のザックをザイルで水の上を引っ張りあげると、30mザイルなのでザイルは手元から離れる。そばで見てた、A会の女から「あんたどうすんの?」おおきなお世話だ。
佐藤氏が、ザイルを流れに浮かべるとユラユラ揺れながら半分ぐらいはこちらに来るが。。と、Å会トップが泳いで滝に取り付く(こちらが終わってないのに)A会「うちらの紐引っ張ってもいいよ」その気もないくせに、減らず口を叩くやつらだ。

ザックを背負ったまま、半分まで泳いで行きたるんだザイルを掴む。が、ピンと張るまで手の掻きがなくなり沈みあせる。
落ち口はザックが重く、這い上がれない。ゴボウでやっと這い上がる。

取水口で清水山岳会の男5人に抜かれる。若くて早い。
北沢出合いに格好のビバーク地。清水山岳会が休憩してたので、天パルのかと思い先行する。その先にいくが、巨岩が増えあまりよい敵地がない。脇を清水山岳会が通過。まだ、先に行くのか。
北沢出合いに戻ろうとするがA会の偵察人が戻るのが見えた。
Å会に取られたらしい。うろついてるうち、右岸の河原に適地を見つけ、薪も多く、夜は薪の脇で寝れて快適だった。周辺で、アマゴ、二匹ゲット。


2日目

7時出を目指したが、少し遅れてるとÅ会が対岸を通過していった。15分遅れで出発。この、出遅れがとんだ事になるとは知る由もなかった。
少しで巨大な門の滝が現る。左から巻き、左壁をザイル張って登るA会を40分待ち。その上で、5m滝の右壁ハングを穴の中からシュリンゲに足を入れて人工で登る10mの登り。これも、ミスルートから登るA会を40分以上待った。
デジカメで写真を撮りながらはしゃぐ彼ら、待たせてて悪いなという気持ちのかけらもない。

大ゴリュジュの左高巻きでも、またしてもザイルを張り行く手を塞ぐ彼ら。私らは、ノ^ザイルで登る。横のトラバースでも、1ピッチ、2ピッチ、3ピッチとザイルを使い、そのたびに20分から30分待たされる。
私らは、ノーザイルなのでただ、セミのように止まってるだけ。
2ピッチが終わり、3ピッチ目にかかったので、1ピッチ目の場所から2ピッチ目の場所に移動しようとしてると、落石。行かないでよかった。2ピッチ目の場所に行くと、佐藤さんが、彼らのように上に行かないで、そのままトラバースできると言う。
その出だしが3mの岩なので踏み跡が残らないのだ。岩を越えると一箇所岩の下りの恐いとこがあったが、水平に踏み跡が続き、難なく彼らを抜き河原に降りられた。

朝からのうっとうしさから開放され、スコスコ進む。もう14時近くになり焦ったのか、佐藤さんが足首を捻り痛そうだし、そのうち私が膝で岩を蹴り、膝が痛くなった。
これも、A会のせいか?
大淵を左からザイルを張りへつると、滝沢出合いによいテンバがあったのでタープをはる。

あのまま上に行って、消えたか?と思ったA会は、私らのヒント(最後尾が私らの行くのを見ていた)により戻って同ルートを来たようで、30分後に通過した。

3日目
最初、百間洞山の家までの予定だったので、今日も快晴の中、8時にゆっくり出発。悪場もなく1時間ほどで百間沢出合い(テンバあり)に着き、百間洞沢を登る。大滝(下にテンバあり)は右のルンゼから巻き、花の咲く小川のようになって、かなりダラダラ行くと、山小屋の前に出た。A会が休憩していて、自転車を担いで縦走している若者にパンをやっていた。迷惑料で、我らにくれるべきだ。
小屋のアルバイトのオネーちゃんに会員募集中ですとか何とか言って、勧誘してた。
まったく、減らず口の達者なやつらだ。
Å会「じゃあ、お先に、そのうち抜かれるかもね。(佐藤さんがバテてるのを見て)でも、ないかもね」ウルセー

ここで、30分遅れで追い上げたのがいけなかった。彼らは早朝出発し小屋前でかなり休んでいたらしい。我らは、今日は休憩らしい休憩ほとんどなし。背に、午後の日差しを受けバテバテで(沼なぞは浮腫んで手がパンパン)赤石岳山頂小屋に着いた時には、彼らの影も形もなかった。佐藤氏はココで、ビールの誘惑に勝てず350ml(600円)のビールを飲んだ。
少し貰ったが、頭痛がするので、3000m以上のビールは、飛行機の上で飲んで、着陸の急降下時、頭痛がしたのを思い出した。
軽い熱中症気味だったのかも。

そこに、清水山岳会の面々が休んでいて、皆、大男で、昨日までサーフィンをしてたと言ってもおかしくないナイスガイぞろい。30分近く話をしたりしながら、居てしまった。ザックも大きく、今日はココに泊まるのとのことで、中に入るでもなく休んでる。足は早いが、ゆっくり山を楽しんでるようだ。 

その後、赤石山頂から小赤石の登りまでは佐藤氏快調であったが、下りになってから空きっ腹に酔いが回ったらしく、フラフラして度々休む状態に。そのうちガスも出てきた。小屋の手前でやっと回復したが、小屋到着が遅れた。

しかし小屋番が良い人で一時間待って18時半から食事を出してくれた。食堂に二人だけ。飯をたらふく食う。軽いけんちん汁の様なのが、お代わりでき旨かった。
新館でなく、冬季小屋の方に泊まる。

4日目
雨の中、カッパ着て5時半に食堂にいくと私らのほかに2人しか居づ、ペッケだった。皆、小屋の中は3時、4時起きなんだもんね。
6時に出発、同じ所に泊まっているであろうÅ会の人には幸い昨夜は合わなかった。
と、思ったら途中で後ろから抜いていったのは3人はÅ会のやつらだった。それでも、中高年はゴボウ抜き。南アルプスのマナーは良くすぐ抜かさしてくれる。

途中、遅い人が居るのか休んでいるA会を追い越し、さわら島に到着。するとすれ違ったおばさんが、「あと三人は乗れるみたいよ」と言う。幸いすぐ前を歩いてる登山者は4人組だ。ドアを開け出発しようとしているプラドが居て、お宅らは何人。二人。
じゃあ、乗れ、と言うことになり飛び乗る。少し行くと、登山道からちょうど林道に降りてきたA会と車中ですれ違う。
やったー、終わり良ければ、すべてよし。
先行してた、バス二台を抜き早くついた。

帰りに、大井川から静岡方面の道で、日焼けした背中の出た格好〈上半身ビキニスタイル?)でバイクに乗る女の子がいて、おじさんは(道の狭いこともあるが)もったいなくて、追い抜けないのでありました。

埼玉では、見ない光景に接し、静岡は海も山もあっていい所だと、思った。

帰りは、清水から東名に乗り、沼津で渋滞とかで富士で降り、本栖湖回りで河口湖から高速乗り、中央道の団子坂SAからの渋滞を楽しむ余裕(先日の北岳の帰りよりひどくなかった)もでて、上野原で降り、甲武トンネルで南秋川に出て、通いなれた道で五日市〜青梅を通り、茶畑の道を通り川越に帰る。 富士から川越まで165kmだった。あとで、地図を見ると川越から富士山を結んだ直線方向をズーと走行していることに気がつく。
 
注意:畑薙ダム〜清水は山道で2時間はたっぷりかかる。







淵を果敢に攻める佐藤氏




右壁きわを泳ぐが、水流強く押し戻され、今度は左をしばし泳ぎ、ようやく岩に取り付き一呼吸です。
内心、コリャダメかなと思う沼。




流れを突っ切り右に這い上がる。ヤッター。




後は綱を付けたザックにつかまり、楽ちんの沼
上と同じ所




門の滝〈巨大なんですが・・・)










三日目の百間洞大滝


佐藤さんの記録を掲載

天気に恵まれ、快適に遡行する事が出来ました。以下、その山行記録です。
8/12 登山客が多すぎたため乗り切れず、折り返しのバスに1時間遅れで乗り込
む。昨日、赤石沢で遭難者の死体が発見されたと、バスの運チャンが言っていた。な
んでも「疲れて死ぬ!」と書かれた手帳が有ったそうです。牛首峠で下車し、入渓す
る。天気は絶好の沢登り日和!、死人のことなど忘れて、ウキウキしながら遡って行
く。
 イワナ淵、ニエ淵とエメラルドグリーンのきれいな釜を、私が泳いで快調に突破し
て行く。カナズチの沼野さんは、ザックを浮き袋にして、ロープで引っ張り上げる。
陽射しが強いので、いくら泳いでも寒くならない。ハーケンの連打が見上げる位置に
有り、昔の迫力を偲ばせる。今は、北沢出合いに取水堰堤が出来てしまい、水量が
減ってしまい簡単に通過出来てしまう。でも、淵は白い花崗岩とエメラルドグリーン
の水をたたえていて、とてもきれいです。
 巨大な岩の中を縫うようにして遡行して行くと、ゴーロとなり水流が無くなり取水
堰堤となる。堰堤のバックウォーターを、私はザック背負ったまま泳いで突破する。
以外に長くて、疲れた。他の人は、堰堤のハシゴを使う。ここで、清水山岳会に追い
越される。北沢出合いに、テン場が有ったが清水山岳会がザックを下ろして、テン張
りそうだったので、上流へ向かいテン場を探す。探していると、清水山岳会が遡って
来たので、先ほどのテン場にしようと、戻って行くと、A山岳会がテン張っていたの
で、またまた上流へ行かなければならなかった。何をやっているのだろう?。
 右岸に丁度良いテン場を見つけ、タープを張った。2時30分薪を集め、さっそく
釣り。沼野さん2匹、私は0。焚き火の横にゴロ寝。

8/13 朝、ノンビリと出発の準備をしていると、暁山岳会が対岸を通過して行
く。7時30分出発。しばらく、ゴーロを行くと門ノ滝に出合う。A山岳会の6人
パーティがロープを出して、左の側壁をトップが登り出しているところに出くわす。
ここで、1時間の待ち。次の、岩穴くぐりの滝でも1時間近く待たされる。    
  その次の、大ゴルジュの高巻きでも、1時間近く待たされ、二人ともイライラし
て待っていた。なんでこんな所でロープを出すのだ!、と思いながら、その後をノー
ザイルで登って行く。彼らが3ピッチ目を登っているとき、その下にトラバースらし
き踏み跡を見つけ、暁山岳会を尻目にトラバースして、先に沢に降り立つ。ルート
ファインディングと技術の差か、と彼らを出し抜いて、優越感に浸りながら遡行を続
ける。
 相変わらずのゴーロ帯が続く中、ラジオラリアの赤い岩が美れいだった。大釜の滝
を越えた所に、手頃なテン場が有ったので、今日の泊まり場とする。滝沢出合い15
時。裏赤石沢出合い迄行きたかったが、二人とも足を挫いたり、ぶつけたりで、疲れ
ていたので。
 薪を集めていると、A山岳会が遡って来た。そして「あなた達のルートが正解!」
と、苦笑いして通りすぎて行った。今日は、釣果なし。焚き火で酒を喰らって寝る。
場所悪く、焚き火横でゴロ寝出来ず。

8/14 今日は、すぐに沢が終わってしまうので、ノンビリと8時過ぎに出発す
る。すぐに、裏赤石沢出合い着き、良いテン場跡を見て後悔す。ここなら、焚き火の
横でゴロ寝出来たのにと。ゴーロの中にかかる滝を登りながら、ドンドン高度を上げ
て行く。
 百間洞大滝を超えると、谷が開け前方に稜線が望まれると、ヒョッコリと百間洞山
の家が現れ、赤石沢の遡行が終了する。ヤブ漕ぎも無く、楽なツメである。
小屋の前には、昨日さんざん待たされた、A山岳会のメンバーが居て、出発する準備
をしていた。
 ここから、赤石岳までが長かった。私は遅れ勝ちとなり、バテバテになりながら
登っていた。風が冷たく湿っぽく、北の方から雲がドンドン押し寄せて来ていた。
14時10分、赤石岳避難小屋に着くと、小屋の前に一昨日追い越された、清水山岳
会のメンバーがくつろいでいた。今日は、避難小屋泊まりだと言う。私は、小屋に着
く成りビールを買って、グビグビと飲み干してしまった。そんな私を、沼野さんが心
配そうに見ていた。
 久々のビールを飲んで勢いが付き、快調に赤石岳のピークを越えて、小赤石の手前
の、赤石小屋へのトラバース道に入ったとたん、ノドが渇き体中がだるくなり足に力
が入らず、まともに歩けなくなってしまった。木の枝を杖にして、地を這うように、
ノロノロと歩いて行く。やっぱり、ビール飲まなければ良かった、と後悔しながら。
(多分、軽い高山病)胃液を2、3度吐いたら、いくぶん楽になり、赤石小屋に18
時着。
 小屋の夕食にありつけ、ほうじ茶が旨くて、何杯も飲んでしまっていた。沼野さん
はビールを旨そうに飲んでいたが、わたしはビールを見るとゾッとして、飲む気がし
なっかった。ちなみに、小屋に泊まると行き帰りのバス代が、ただになります。(バ
ス代片道3,000円、小屋一泊2食7,500円)

8/15 最終日、6時20分発。雨の中を一気にサワラ島まで、馬鹿っ話しをしな
がら駆け下って
行く。途中で、A山岳会を追い越して行く。8時30分、サワラ島に着くと、丁度2
分の席が空い
た、プラドが待っていたので、それに乗り込み駐車場へ。駐車場で、沼野さんと別
れ、雨畑ダムへの長い林道を行く。ダム近くの、すず里の湯と言う温泉に入って、帰
路に就いた。(500円)