想定外Part2

福島第一原発がある福島県双葉郡で過去に起きた大津波を調べてみた。

すると、西暦869年に発生した貞観(じょうがん)津波があった。

 

ウィキペディアによると、「貞観地震(じょうがんじしん)は、貞観11年5月26日ユリウス暦869年7月9日[2]グレゴリオ暦換算7月13日)に陸奥国東方の海底を震源として発生した巨大地震である。地震の規模は少なくともM8.3以上であったと推定されている。現在の地名では、東北地方の東の三陸沖と呼ばれる海域にある太平洋の海底が震源とされ、地震に伴う津波の被害も甚大であったことが知られている。約数十 - 百年ごとに起こる三陸沖地震に含まれるという考えから貞観三陸地震、上述の津波被害の観点から貞観津波ともいわれる。」

 

マグニチュードがM8.3からM8.6で、死者は約1000人と言われている。また、仙台平野には9m程度の津波が7から8分間隔で繰り返し、襲来したと推定される。相馬市には、さらに高い津波が押し寄せたようだ。

かなり昔の事でもあり、真実はなかなか分かりづらいとも思う。科学が発達した今日でも、東日本大震災のマグニチュードは、当初発表のM7.9(5.20修正)からM8.4→M8.8→M9.0とたびたび変更された。

 

双葉郡浪江町での貞観津波による堆積物調査は、東北大学の今泉俊文教授らが平成19、20年に調査をして、平成21年3月に発表している。簡単にまとめると、福島第一原発から北へ約8キロほどの浪江地区で、海岸線から約1キロ内陸部に貞観津波によると推測される堆積物が見つかった。この調査結果は初めて発表された貴重なものである。

 

しかしながら、それ以前にも東北大学の箕浦幸治教授が東北大学の広報誌『まなびの杜』の2001年夏号No.16で興味深い話を寄せている。

貞観津波の襲来から既に1100年余の時が経ており、津波による堆積作用の周期性を考慮するならば、 仙台湾沖で巨大な津波が発生する可能性が懸念されます。(途中略)
しかし、海岸域の開発が急速に進みつつある現在、津波災害への憂いを常に自覚しなくてはなりません。 歴史上の事件と同様、津波の災害も繰り返すのです。」

 

確かに起きてから指摘することは誰にでもできる。しかしながら、こうして津波発生前に危険性を指摘している人もいる。絶対安全と言うからには、マニュアルどおり設計するだけでなく、心を込めて設計することの方が大切ではないか。あと15メートル盛り土をして、コンクリで固めてその上に発電所を建設したところで、いくらコストが増えただろうか。