米国債の格下げ
とうとうS&Pが5日(2011年8月)、米国債を格下げしたので、いつもの日本国債の話は横に置いといて、今日は米国債格下げを取り上げたいと思う。AAAから一段階下げてAA+となった。
図を見ると、米国債はずっと「AAA」だった。
何度も国債の格下げを経験済みの日本人にとっては、どうでもよいことなのだろうが、アメリカ人にとっては、プライドが大いに傷ついたようで、大騒ぎである。例えば、
CNN:Downgrade(格下げ)の話で持ちっきりである。
New York Times(電子版):メールが届いた順位が7位で、閲覧はヘリコプター事故に次いで2位であり、国民の関心はさほどでもないか?
アメリカにとって、米国債の格付けがトリプルA(AAA)から下がるのは初めてのことであり、トリプルAクラブ(トリプルA国のプライドを表す)からの離脱を「なぜ」といった論調で扱っている。ただ、今回の格下げはS&Pのみであり、ムーディーズやフィッチはまだ格下げしていない。
しかしながら、国債格下げや国債発行額の限度額の拡大に大騒ぎするのは健全だと思う。日本では、何事もなかったように国債発行額が増え続けており、1000兆円を超えようとしている。間違いなく米国より日本の借金の方が膨大であり、個人の預金がいくら莫大であっても、日本の借金は後戻りができないくらいに膨張した。
膨張して破裂するのを見守っているところである。
1000兆円の借金があっても、まだ大丈夫だといっているエコノミスト達がいるが、どういうつもりなのだろうか?新たな借金をゼロにして、毎年10兆円ずつ返済しても100年かかる。半分にしても50年かかる。それどころか今でも新たに毎年40兆円も国債を発行している。どうやったら返せるのか。内閣が毎年、弱体なのに。
明日は、格下げ後初めての市場がどんな反応をするかだが、日本の株式市場は下がり、為替は円高に振れるだろうが、それほど深刻な影響は出ないと思う。もうかなり織り込み済みである。