日本株投資術
こうして8年ほど株の取引をしたが、一度もトータル(手数料も含めて)でマイナスになったことはない。一番損をした時期は、ライブドア問題の時で、新興株をまた元へ戻るだろうと、そのままにしておいたら元へは戻らなかった。泣く泣く損切りをした。リーマン・ショックのときは、だいぶ前からおかしいと察知して、塩漬け銘柄1つを残して全部売り抜けていたので、下がったところで買って逆に少し儲かった。しかし、日経225が500円、1000円と下げ続け、生きた心地はしなかった。売り損なっていたら株取引はもう止めていただろう。
一番儲かったのは、初心者のころに購入した不動産再生のアルデプロ(8925)である。景気が良くなり始めたころで、不動産は絶対に上がると読んで、その通りとなった。今は木端微塵だが、購入後3倍くらいにはなった。売却後200分の1まで株価が下がったのに、よく生き残っているといえる。ニトリは18勝2敗、朝日ネットは9戦全勝である。ニトリは円高になると株価が上昇する銘柄なので、輸出産業とは動きが違い、注意が必要だ。あと、そろそろ天井感が出てきたが、安心して買える銘柄だ。
最後に、もう1つ重要なことは、損切りの基準を設けて、必ず従うことである。私のつたない感覚では、購入後12〜13%下がったところで損切りするとうまくいく。何か悪いニュースが出ると、10%程度はすぐに下がってしまい、10%に損切りの基準を設けると、売れたところで株価が反転し始めることも多い。ちょうど下がりきったところで売る羽目になる。さらに下がっても売らないでいると、今のアルデプロやNTTドコモもそうだが、任天堂(7974)でさえ塩漬けになってしまう。あの任天堂が、である。そうしてしまうと他に買いたい銘柄があっても、資金がなくて買えなくなることこそ問題である。
以上、私の経験を簡単にまとめてみたが、必ず自己責任で株取引を楽しんでください。株の話なら2時間くらいなら、原稿なしでも話ができる。けっこう奥が深くておもしろい。
一番大事なことを忘れていたが、結局長い目で見ると、株価は利益(臨時の損益が入らない営業利益が一番重要)に比例する。