ギリシャのデフォルト
ギリシャ問題について初めて書く。
『日本国 デフォルト』という日本国債の破綻について本を書いた筆者なので、とても関心がある。
では、ギリシャ問題がどうなっているのかまとめてみると、ギリシャの財政危機はギリシャだけではどうにもならないレベルに達していて、債権者間で事前に合意を取り付けた上で「管理されたデフォルト」に導こうとしている。ただ、デフォルトには違いはないが、2001年アルゼンチンのように突然デフォルトすると悪影響が大き過ぎるので、少しでも和らげようとしている。
実際、ギリシャの債務残高は34兆円で、GDPの144%(2010年、EU統計局)である。ちなみに、日本の債務残高はGDPの約190%にものぼる。日本の場合、9割以上は日本国内での借金なので問題ないと言い続けているエコノミストもいる。
EUでは「欧州金融安定化基金(EFSF)」を設けて、約47兆円の資金を準備して危機に備えている。EUの首脳会議で「管理されたデフォルト」が合意され、国債の元本を50%削減する案で進もうとしていた矢先、ギリシャのパパンドレウ首相がギリシャ支援策を巡る「国民投票」を実施すると宣言した為に、世界が大騒ぎとなり、各国の株式市場も大きく下落した。ギリシャ国民が「ノー」と言ったら、これまでの努力はすべて水の泡と帰する。
これを受けて急遽行われた独仏首脳会議では、私の予想に反してギリシャ国民の判断を尊重するとして、ギリシャ国民にユーロ圏に残留するかどうか、下駄を預けることになった。来月に実施予定の国民投票は世界の注目を集めることになるが、実際、どんな結果になるやら。