日本の調停技術と世界貢献


   F/1999-7-24

0.今までの調停
  世界の紛争に対して、調停は必要です。この調停には、ある程度の軍事的 脅しとODAなどの経済援助が必要です。アメとムチです。
  しかし、もう1つ米国には理想主義があり、この理想をごり押しして紛争 を広げることがあります。ソ連があったときは、米国がいやならソ連があるさ と陣営を変更すればよかったのですが、現在は世界が1つの覇権の中にあり、 それができないのです。このため、紛争は調停で解決するしかないのです

1.日本の調停技術
  日本の世界貢献は、日本独特な和の精神とプライドを捨てた調停の技術 であると思います。それは、ドグマを持たない日本人の精神基盤があるためです。
  調停者として、カンボジアでの明石代表は、プライドを捨て自分を目立た せないようにして、武力の脅しも使わず、両陣営の主張を聞いて両方の主張の 中間点の妥協案をいつも提案していた。
  欧米民族は、すぐに自分の正義や主義が出て、王政はダメと言い始める。 このため、合意ができない。ボスニアやコソボの紛争解決方法とカンボジアの 紛争解決方法が明確に違うはずです。欧米は直ぐに武力で圧倒して、言うことを 聞かす方向にいってしまうのです。
  これが、日本人同士であれば、分かり合えるとの信頼感があり、両者の主張 の中点で合意しようとの暗黙の了解事項があるため、合意が割と簡単であるよう です。 この当たり前のことが今世界が求めている調停技術なのです。

2.日本の交渉とは
  もつ1つ、調停の基本である交渉術も日本の交渉技術が、米国で研究対象に されているのです。
 MITの交渉学は日本の交渉では当たり前である両方が満足する方法を、 日本人留学生の交渉対応から学んだのです。WIN、WIN交渉術である。 今までは、勝つ交渉といい、一方は勝ち、一方は負けると考えていたようだ。

3.リーダシップとは
  藤森ペルー大統領の活躍は、有名である。ペルー日本大使館占拠事件での手際 のよさは、欧米指導者たちをも唸らせた。危機におけるリーダのあり方を日本と 世界に示した。
  日本人のリーダで、もう1人、緒方さんを忘れることができません。現場をいつ も見て対応処置を考える。このため、国連難民高等弁務官が世界の難民発生地域に 身をおくことになるのです。このような行動を今まで弁務官はやっていなかった のです。

4.日本のリーダシップ
  どうですか。このようなリーダは、日本では当たり前だと思いませんか。
なぜ日本のリーダはこのようなにするのでしょうか?
  それは、日本では、下で働く人たちの自由ややりがいを重要視するからです。 また、危機の対応は、リーダが全責任を持って対応するという武士道の伝統の中 にあるからです。このため、リーダ教育は、論語や日本の伝統に根ざしているのです。 この伝統が、軍国主義につながるとして排除されてきたために戦後はなくなっている のです。そのため、藤森ペルー大統領の行動は戦前の日本人的で、ふにゃふにゃな 現代日本人から見ると危険だと思ったのではないでしょうか?
 今後の日本を考えると教育の変革が必要です。

5.今後の日本の検討
  日本人が日本にプライドを持つことです。そして、良い伝統を存続させる ように教育の改革をすることです。戦前の日本でも良い伝統のものと悪い伝統 のものを、切り分ける必要はありますが、現在のように伝統はすべて悪いと いうことはおかしいと思います。


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