左翼とは何であったのか?


   F/1999-9-04

  ある会合で、元左翼というTNさんから、なぜ左翼は 50年以上も日本で主流になっていたのかと、質問された。 この質問を検討しよう。

1.左翼の発生
  マッカーサが日本統治して理想社会を築こうとして、 徳田球一などの共産党幹部を解放し、かつ右翼の一翼 と本来なるべき元軍部の少佐以上と党人派政治家を大量パージ したため、社会党系や官僚政治家の天国となったのです。
  それと、報道機関と教育機関の検閲を重点的に行い 、平和憲法はよく、日本古来の習慣はすべて悪いとした。 この援護グループとして、朝日新聞と社会党を指名したの です。

2.左翼の基盤、日本サイトから見ると
  社会党の基盤は民主主義であるとしたが、1つは、GHQ の保護である。1952年までパージで本来右翼の人たち が活動できなかった。それと敗戦後8年から9年で日本国憲法や 日米安保条約等基本的な戦後体制を構築してしまった。このため、 左翼のやるべき仕事は、その保守維持のみになっていた。
  よって、日本では革新派が保守で、保守派が革新的と なる構図が出来上がった。その後吉田・池田の2首相が、 社会党の反米運動を利用して、対米交渉を有利にしていた。 このため、社会党に中選挙区制で議員と国会対策という名目で 金を渡していた。
  2つは、1945年に国家統制経済となって 社会主義国家に近い形になっていた。この仕組みを左翼が有利に 利用し、組合活動を行った。また資金を得た。戦前は労働者 と経営者は別の存在であったため、組合が有効な手段に なっていなかった。1945年体制では会社が同一の集団として 固まったため、経営者と労働者は同じ仲間となって、 労働者の集まりである組合と交渉するようになった。
  その内に、労働組合の幹部がその会社の社長になるケース も出てきた。
  3つは、庶民のジェラシーを巧みに利用して、右翼サイドの 力を削減してきた。「軍国主事が復活して、子供がまた戦地にいく。」 と議論より雰囲気で圧倒する方法であった。
このため、論理面でも補強がされていないため、現在左翼の言う ことは民主主義や人権を阻害・侵害することが多い。このことが だんだん国民も分かってきた。
  4つには、社会基盤上、左翼的でないと職につけないために 左翼でいたという人が多い。
この4つの基盤で50年間、左翼は生きてきたのです。

3.左翼の崩壊
  冷戦後、米国が日本と中国を天秤に掛け始め、戦後体制の見直し が始まった。しかし、それに反対したため、左翼が革新という名の 超保守であることが国民に知られた。現在、45年統制経済体制も 崩壊して、次の体制構築をしている最中であるが、この議論に 左翼は参加できない。戦後体制の保守維持しかやっていなかった ために、アイデアがない。もう1つは、福祉国家像が北欧3国で 大失敗しているために、その構想も提案できないため、左翼陣営で の持ち駒がない。
  民衆のジェラシーの対象が何もしない労働貴族層に及んできて 左翼の魔術がきかなくなっている。

4.米国サイドから見ると
  左翼を作ったのは、マッカーサとニューディーラです。 その時代論理は、戦前を「天皇ファシストの時代」「封建主義の残滓時代」 とし、これがあったたために米国に楯突いたのであるから、 この思想を潰す必要があるとの論理だ。この思想維持を社会党の 役割とした。
  その後、朝鮮戦争が起き、史観修正として、ライシャワーなど の日本研究で、「近代化のパラダイス」と明治以降の日本近代史を 書き換え、再軍事を日本に押しつける予定であった。
  この史観によって、社会党を制御するはずであったが、 吉田・池田コンビが中選挙区制や国会対策費で社会党甘やかし、 対米交渉のカードにしたのです。前提として、日本の中立化は 米国の一番いやなことであると2人とも知っていたのです。
 しかし、この虎の尾を踏んだのか鳩山政権であの当時1955年に 日ソ親善友好条約を締結するなぞは、米国のトルーマン・ドクトリン 冷戦構造に対する脅威以外のなにものでもなかったのです。 党人派首相の失敗。その後当分、党人派を米国はいやがった。
  社会党が大きな力を持っているので、対日要求がきびしいと 日本の中立化を早めると米国を牽制して、吉田・池田の2人は、 軍事拡張や外交上の金のかかる義務を米国に肩代わりさせてきた のです。
  しかし、冷戦後、米国はとうとう我慢できない状態になって きているのです。まず、日米ガイドラインで、有事の体制を 日本に要求してきたのです。現在、日本と米国の関係は、英国が インド統治の最初にやった蕃国との軍事保護協定と同じ状態にあ るのですから、久保さんの言うように日本は米国に占領されている 状態です。
  このため、再軍事化を日本はして、米国と対等な関係を構築 する必要があるのです。NATO諸国と同程度の関係にはしない とダメですよね。
  このため、憲法改正、左翼思想の根絶は待ったなしです。 社会党と左翼は日本での役割を終焉したのです。やすらかに死に たまえ!!!
  もう1つ、今の日本に吉田・池田・田中のような「ワル」な リーダが必要なのです。米国と日本と中国のパワーゲームが始まろう としているので、相手の手を見て日本の進路を決めるしたたかさ がないと、日本は国際的にバカにされることになるのです。 現に、中国は、日本の政治家とあまり話をしたくないと言っている。
  今回の山峡ダムでもタイト援助にすれば日本になっているのに、 イイカッコするから欧州に契約を持っていかれるのですよ。

  左翼のいなくなった社会では、右翼が分裂するはず。 残念ですが。分裂すると国粋派と国際派とになるのです。
このサイトは国際派となるでしょう。戦前の海軍と陸軍の戦いの 開始が迫っています。
この兆候がNC4の掲示板に現れているので恐ろしい。

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