日本の目標について


   F/1999-7-23

 どうもこの頃、日本が目標を失い、国民も官僚も政治家たちも刹那的になって いるようです。その証拠に、政治家は現在の景気回復しか見ていない。
この結果、国税をどんどん使い、とうとう国の借金が600兆円のオーダになっ てきているのです。日本のビジョンに向かって、投資しているわけではなく、 ただ目の前の景気をよくするだけのために費やしているんです。もちろん 景気回復は必要です。が、それと平行して日本の100年の計を議論すべき です。
 それなのに、日本の戦略のベースである目標・大義について評論家も政府も 国民も誰ももっていないという状況です。そこでこのHPで日本の目標・大義を 検討したいと思います。

1.検討の基礎
  日本や世界の歴史を探り、その歴史によって現在を過去の1つの場面 に当てはめ、この過去の場面での最適策を考え、今後は逆に現在に演繹する方法 をとる。
 これは、「歴史から見た現在」の手法として、このHPでは基本的な手法の1つ です。
現在、検討対象になるのは、日本・米国・欧州・中国です。国家戦略の要諦は、 国際関係にあるのです。戦前の日本は、欧米からアジアを解放するという大義で 大東亜戦争を起こし、欧米に負けたのでした。

2.目標について
  今の日本の大義は何ですか?
戦後50年日本は、欧米諸国に経済的面で追いつくことを目標にしてきたのです。 しかし、その目標は既に欧米より1人当たりGNPで仰臥して、 到達しています。
 次の目標・大義を探す必要があるのですが、皆どこにいけばいいのか わからない状態です。このため、当面現状の修正に明け暮れるのです。 このままにしておくと、国の衰退をおこすことになり、2020年の 日本は、国民の富を大幅に落とす可能性もあるのです。50年のサイクル で日本は興亡を繰り返す法則に今回も当てはまってしまいそうです。

3.似たような歴史の局面の探索
  現状の日本の閉塞状況と米国の1国世界支配体制とその支配に多数の国が不満を 充満させている状況に似た歴史の局面を探すことです。
  このような局面は多々ありますが、皆様がよく知っている歴史をして、 織田信長と豊臣秀吉と徳川家康の3人の関係が、一番説明しやすいと思います。
今、織田信長の時代とよく似ています。米国が織田信長、欧州が明智・豊臣で、 一歩離れて日本が徳川とみれば、いいのではないでしょうか。欧州は、現時点米国 と歩調を合わせているが、いつか米国に反旗をひるがえすかもしれないと思います。 仏国の姿勢が良い例です。明智的です
 日本は、米国と人種が違うため、今は一歩離れて存在しています。米国と完全 には一致していませんが、反旗を振ることは死を意味するのでできません。
 このような精神的状況でなにが起こるのか?

4.今後の動向と日本の役割
 米国より、英国の方が国際紛争に対し、武力介入を主張している現状は、 皆様も知っていると思います。欧州は一本化していないのです。
 英米の強権外交は、織田・豊臣2政権と良く似ていて、恐ろしさを感じます。 しかし、中国やロシアなど旧社会主義国が欧米・日本に追いつけないと感じる と同時に欧米が自分の勢力範囲を東欧に広げ、中国やロシアの勢力圏から欧米中心 の世界統一圏にほとんどの国を向けているようにみえます。  そして、勢力範囲内に楽市楽座や法の統一化を行っていくのです。
 このような状況では、ロシアや中国は不満でしょう。このため、新たな紛争 を誘発する可能性があるのです。北朝鮮や中台関係などです。 これは、織田政権と同様だと思いませんか?

5.徳川の日本の役割と期待
 このような時代では、日本はODAなどで、調整者として、目立たなく 、しかし、日本の味方を増やすしかないのです。勿論、目標は世界の安定 に貢献するため、各国の伝統文化を尊重した仕込みを構築することです。
 徳川江戸時代の幕府構造を世界に構築するのです。これが日本の今後目指す 大義なのではないでしょうか。

6.準備
 政権交代には、多額の資金が必要です。この資金を枯渇させないことです。 大混乱になったとき、世界を助ける必要があります。
 この事態に備えることと、攻撃が防御の最大手です。このための 自衛隊の充実です。外交には大きな期待はできないと思います。それより、 国民意識の改革を行いことです。戦後の清算です。経済的目標ではなく世界に貢献する 大義を持つ事が重要です。


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