米国と日本の逆転


   F/1999-9-10

  FRBのグリーンスパンが先に米国経済がおかしいと言ったが、 IMFも米国経済の変調を予測するようになった。
今後の日本と米国経済・外交を検討しよう。

1.米国市場の終わり
  IMFの警告は、一部金融資本が米国市場でカラ売りを 始める合図のようだ。このIMFの予測はあるメンバへの 指示や警告ですから、IMFの予測は大きな意味を持っている のです。日本と違って、米国は予測しやすい。
  いつ、米国市場がガラ場になってもおかしくない状況です。 米国金融資本の資金が逃避場所を探す展開になり、それが 日本、欧州、アジアなどに向かっている。しかし、あまり大きい と混乱するため、徐徐にやっている。この資金逃避が完了したら、 米国市場はガラ場になるので、どうぞ市場関係者の皆様は、 時期を探ってください。

2.没落の準備
  米国政治は、米国没落を予期して、その準備を開始している ように見える。まず、軍事産業傾斜です。ユーゴが終わったと 思ったらイラクの爆撃、そしてインドネシアにも火をつけて、 紛争拡大し国連軍介入を目指し、インドネシア軍との衝突も 念頭に置く状況になっている。また、ロシアのチェチェンで再度、 ゲリラ組織に戦闘をしかけさせている。

3.日本の制御
  日本の経済的突出や世界での政治的拡大を阻止するために、 アイリス・チャンの南京虐殺をベストセラーにし、ニューヨーク タイムズでオウム信者の人権侵害報道、カリフォルニア州では 反日法可決と目白押しに日本牽制をしている。
  もつ1つ、日本コントロールとして、北朝鮮の利用を米国は 考えて、北朝鮮の瀬戸際戦術に乗って、日本へ恩を売り、加えて TMD研究に日本から金を出させて、米国軍事産業を潤そうとし ている。
  有事法制整備を行わせ、かつインドネシア紛争を利用して、 日本の有事ガイドラインを適用した掃海作業を日本に押しつける 可能性もあるのです。

4.日本外交の転換
  これに対して、日本の対米外交は明確な方針がなく、ただ、 米国の思惑に押し流されていくように見える。 日本からのビジョンが今ほど必要な時はないのです。 勿論、日本が欧米を越える世界的なビジョンが必要で 、日米欧ともに利益になることが必要です。

5.日本の提案ビジョン
  日本が東アジアを防衛すると明言するしかないように 思う。これを行うため、日本の再軍備化と世界へ軍の派遣をする と明言する必要がある。その交換条件として、日本の東アジアでの 外交優先権を確保する必要がある。米朝交渉は、少なくとも日米朝 の交渉にすること。
  英国がインド統治の最初にやった蕃国との軍事保護協定より ましにする必要がある。蕃国は外交権行使をすべて英国の相談の 元行う必要があった。今の日本もすべて米国と相談しないと外交 できない仕組みになっている。この脱出を目指すべき。
  そして、NATO諸国と同程度になるしかないと思うがどうか?

6.マハティールのEAEC
  この状況に反発しているのがマハティールである。EAEC (東アジア共同体)を作り、欧米支配からの脱出を図る意図であるが、 これに日本は乗れない。が、この構想を潰す必要はない。欧米諸国が 過度に対日要求をするなら、我々日本もEAECに乗りますよと、 欧米を脅せばいいのです。
  外交はゲームである。ゲーニングパワーを確保する必要があり、 この材料になるのでEAECは生かしていくことが必要。

7.日本の民間外交
  日本の民間外交があまり活躍していない。これに比べ、英米民間 は、政府のできないことを相手国に対して行っている。たとえば、 東ティモール独立派への資金援助を民間が行っている。政府が直接 やると、内政干渉になるためできない。勿論、政府と民間が協議して いるのだ。この2次元外交の体制を日本も作る必要がある。「ワル」 な外交をすることは必要悪である。戦後日本だけが、いい子過ぎる のである。この修正も切羽詰まっている。


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