イラク・ユーゴ問題について


   F/1999-7-21

 イラク・ユーゴの問題を、今回は考えたいと思います。
イラクとユーゴの行動を見ていると戦前の日本の行動を思い浮かべて しまうのですが、皆さんはどうですか?
そこで、覇権国に挑戦した国々(特に日本)の歴史を調べてイラクや ユーゴの行動を予測しようと思います。

1.覇権国に挑戦した国々(特に日本)の歴史
  イラク・ユーゴに対する新聞論調は、悪いのはイラク・ユーゴであり、 世界の敵であるように書かれています。
 しかし、50年前日本もイラク・ユーゴと同じ立場になって世界の敵 になり、ABC包囲網を引かれ、第2次大戦に 突入してしまいました。
  その当時の覇権国はイギリスであり、日本とドイツがそのイギリスに 挑戦したのでした。
 イラク・ユーゴがそしてその前イランが、今の覇権国であるアメリカに 対して挑戦しているのです。
 いつも覇権国サイドの方が報道機関を握っているので、挑戦者サイド が世界の敵になってしまうのも歴史の教えるところです。

  その当時の日本の人々はどう思っていたのでしょうか?
  日本は教育で、鬼畜米英と教え、かつ八紘一宇・大東亜共栄圏で 日本こそアジアの盟主であり日本の生命線は満州であると言っていま した。英米はアジアから出て行けといい、国民もある程度そう思ってい たはずです。なぜなら、国民からの反発は歴史に出てこないからです。
 国民は「勝つまではがまんします。」と耐えたのでした。
  イラクやユーゴはイラク・ユーゴ国民に対し、ユーゴ・イラクの 生命線はクウェート・コソボであり、米国はアラブ・コソボから出て行けと言い、 かつ「アラブの大義」「スラブの大儀」を守るためにがんばろうと 言っているとまったく戦前の日本と同じだと思いませんか。 よって国家へのイラク・ユーゴ国民の反発は考えられません。

  あのまま大戦を日本が回避したらどうなったでしょうか?
  その離れ技をやった国があります。フランコ将軍のスペインで 戦後も生き残った全体主義国家はこの1国だけです。世界の孤児と なったが20年近く独裁体制が続いていました。しかし、フランコ死後 、ご存じの 通りスペインは民主主義の国となり、EC加盟を果たし、 現在年率10%以上の経済発展をとげています。
  日本がもし大戦をおこさなかったら、スペインのフランコ政権時代 のように、経済的には失敗し、今のような豊かな日本ではないで しょうね。

  今回、イラクが海・空の封鎖をされているが、どうなるだろうか?
  これは、イラクの場合たいへんです。イラクの大部分が砂漠であり、 食料の輸入がないと食料不足を引き起こす可能性があります。 イラクが1番やらなければならないことは、イラク国内での食料の増産 と食料を輸出してくれる国の確保です。まず、ヨルダン・イラン・ リビア・スーダン・イエメンなどの味方または好意的中立、アメリカの 覇権に反対の国々からの輸入です。

2.アラブの大義について
  イスラム教の爆発的発展を可能としたのは、軍事力であり、また アッバース朝時代 アラブが1番学問・科学が発展していました。 その後も大帝国をつくり、アラブとしてのプライドはかなり高いのです。
 それと、回教の予言書(旧約聖書)で、近い将来に神の国ができると予言されて います。
 欧米に支配されている現在からの脱出を図ることは、彼らの歴史から も考えそうなことです。
 このようなことから、アラブの復活を目指した運動がおこってきた のです。

3.イラク・ユーゴの今後の予測
  イラクは持久戦に持込み、「アラブの大義」に賛成する世論 が出てくるのを待っています。
 今後、イラクやユーゴなど米国覇権に反対する国が連合していくように 思います。この勢力の裏にロシアと中国がいる構図ができるのでしょう。

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