電脳資本主義の未来(1)


   F/1999-8-11

  インタネットが、日本でも本格的な普及期になる様相なのでこの未来像 とインタネットに伴う社会変革の方向について検討しましょう。

1.普及率について
  日本の98年家庭普及率11%、企業普及率80%で、企業のほとんど は、すでに導入済です。
  米国は家庭普及率37%と非常に高い普及になっている。
このため、米国の方が先にインターネット社会を経験している。しかし、 日本でも企業人はインターネットを経験しているはずです。

2.諸外国との比較
  米国のインターネット週ユーザ数は7650万、日本975万、 英国810万、ドイツ714万、カナダ649万と、日本は 世界第2位の位置にあるが、米国との差は大きい。この差が米国一国 だけが好調の理由でもあるのです。

3.企業動向を見る
  インターネット世界では、1番手サービスしか生き残れない世界で あるため、各分野毎で集中化が進んでいる。
  ブラウザでは、マイクロソフトがネットスケープを圧倒し、 次バージュンはマイクロソフトしか出荷できないようである。
  ポータルサービスは、YAHOOに集中しかつYAHOOが拡大しているため 、その拡大分野もYAHOOが取っていくことになる。YAHOOがどこに行くか要注意。 たとえば、掲示板サービスなど。他サービスは特徴を出さないと生き残れない。
  米国の本・CD販売では、アマゾン・コムが有名。日本は、家庭 の利用に火がついていないため、まだ結果がでていないようです。 しかし、本では紀伊乃国屋がリードしている。

4.インターネット企業の特徴
  企業規模の割に従業員が少ない。数人から十数人と、見た目より少ない。 この原因が、インターネットのサービスがほとんど無料のためです。 個人が無料奉仕で始めた歴史があるためで、今でも収入を広告で賄っている 場合がほとんど。
  大企業が参入できない障壁がここにあると思います。また、参入しても 会員料を取るため、なかなか大きくなれない。ただ、OA用品のアスクル のように、FAXでの注文の代わりにインターネットというサービスは 好調のようです。当面このような企業対応のFAX等置き換えサービスが 活躍するのでしょう。

5.今後インフラの変化
  米国のサービスとして、始まったインターネットもECに MCIワールドコムが幹線網を整備して、EC統合に合わせて インターネットのインフラを整備したように、拡散されていくのでしょう。
  このように、米国系企業のEC進出が激しく、ECサイドの通信会社の 淘汰が始まっているのです。
  日本もやっと、CATV等のNTT以外でのサービスが出てきて インフラ整備が急速に整備されようとしています。 日本はどうか今後の動向に目が離せない状態です。

6.社会秩序の変化
  インターネットは個人と企業が平等であり、またインターネット上で 有名になろうとすると、他との比較が容易でため違う視点、分野等が必要 になるのです。
このため、必然的に情報の多様化が促進する構造になっている。
  多様性の尊重という、いままで日本社会では個人より組織が重要で 個人の異端性を問題こそすれ尊重することはなかったのですが、今後この 異端児とさせていた人たちの活躍の場が出てきたことを意味するのです。 異端児ガンバレ!!!
  これは、日本社会で秩序観変更の起きる可能性がある。

7.情報価値の変化
  これから、情報価値が急激に下落する可能性があるのです。個人の多様な 情報が公開されると、有名な評論家の意見を有料で見たいと思うかどうかだ。 無料の個人情報の質は問題があるが、複数の目で見た定評がある サイトをリンクという形で紹介しているので、このリンクを辿ると いろいろな情報が得られることになる。もし、英語ができれば、世界の 情報もタダで得ることができるため、情報がほとんどタダになり、 情報の価値は下がる方向にいく。
しかし、一方で、超シリーズの著者:野口教授のようにリンク集で 金を取る方法も出てきている。
  新聞、雑誌、CD、本などの媒体には、持ち運びが便利であるという 利点があり、当分価値があるが、MP3・MP4等の技術やIモード携帯 電話が発展すると、維持できなくなる可能性がある。
  しかし、情報収集の手段が多様化するため、その加工業コラミストは 楽しいものになると確信している。

8.コスト構造の変化
  (原価+卸マージン+小売マージン)>>(原価+インターネット中間業 +物流経費)が成り立つ業界の構造は変化するはずである。
  インターネット中間業はほとんどタダ同然であるため。
しかし、対面販売が主流の高級品はこの公式から除外してもいい。
この業界構造変化の始めが本、CD、車、専門家対応の株売買等であろう。
  自分の業界を見てください。インタネットビジネスと対抗するなら、 この公式の左辺を小さくして、たとえば卸マージンの排除等で生き延びる可能性 を見出す必要があるためです。

9.企業サイドの利用
  インタネットビジネスを避けずに、対面販売からインタネット販売への シフトが必要でしょう。
 人件費がほとんどかからないため、総コスト抑制ができ、値引き等の余地が 出てきます。担当者は1人でも十分です。それより、認知度の向上が重要です。

このつづきは、次回。

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