10年不況の意味
F/1999-8-08
1992年から続いた日本の10年不況について、その意味を
検討したいと思います。
今回検討の基礎をローマ帝国に対抗したカルタゴにおきます。
カルタゴは、ローマ帝国を破る可能性があったのです。それは、ハンニバルの
遠征で、イタリアの半島部まで攻めたのですが、最後は失敗したのです。
その後、数十年でローマ帝国より戦争に負けたカルタゴの方が大繁栄して、
地中海貿易を占めてしまって、ローマ帝国の執権カトーは盛んに
「カルタゴ打つべし」と。そして、ローマ帝国からの理不尽な要求を突きつけられて
戦争になり、カルタゴは負けて永遠にこの世に無くなる処置をされたのでした。
カルタゴの地域に塩をまき、農作物ができないようにし、住民もほとんどを
殺害し、生き残った住民も違う地へ移住させられてたのでした。
これと同じようなことが米国と日本の間に起こった可能性が
あったのです。1990年当時の米国ワシントンでの雰囲気は今にも
日米で再度戦争を起こし、2度と日本を先進国家にしないように
するにはどうすべきかの議論があったからです。
この事態をローマ帝国とカルタゴの事例で説明していたのですから
米国サイドでは、同様事象と捕らえていたのではないかを
思います。しかし、日本サイドは米国の労働者が働かないから
いけないのだと論調していたのです。危機意識がほとんどなかった。
結果は、日本が自立的に大不況を起こし、米国が自立復興と日本のQC
+日本のカンバン方式を入れて立て直したのでした。このため、
カルタゴのような不幸な事態を日本は免れたのです。
現在米国は、貨幣増刷による借金をして、繁栄しているように
見えています。日本も借金を重ねて、やっと10年不況から脱出
できる目処が立ったのです。このため、10年不況の国際的意味
を再確認しておきます。
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