江戸末期と現代日本
F1999-8-07
現在の日本と江戸末期の状況が似ているのでそれを検証します。
- 黒船と北朝鮮のミサイル
民衆の防衛意識に変化が出てきている。
- 時代の雰囲気が変化
世界の強国がアジアを植民地化し始めて、
江戸幕府は鎖国から開国へ時代を変化させざるをえなかった。
今は、冷戦構造からポスト冷戦へ世界の状況が
変わり、日本周辺の状況も変化し、日本自体の安全概念を
変える必要に迫られている。
- 戦略の変更期
江戸時代は日本の存亡がかかっていた。
日本の今後がこれからの政策で変わる。
- 政治が有効な政策を打ち出せない
江戸時代の旗本政治が危機対応できなかった。
戦後50年官僚の危機対応能力に疑問符がついている。
どちらも軍事的な意識がないために交渉ができないでいる。
- 危機からの行動者が増加
江戸時代は藩からの脱藩者が増加して危機意識で行動
した。藩の魅力がなくなっていった。
現在、会社のリストラ者や高年齢者が自由人として、
次の時代を作る行動をしているように見える。老年パワー
が左右両陣営とも中心になっている。
そして、若年者はインターネットの掲示板で論争し始めている。
また、今後、若年層はベンチャ指向により大企業への就職が
少なくなる可能性もあるのです。現代の藩である大企業の魅力が
なくなっていく。
- 大不況による社会構造の変動
江戸末期は天保7年の大飢饉で大不況を招き、この延長
上に大塩平八郎の乱が起きる。
藩や幕府は大借金を抱えた。これは、収入より多く支出
するからで、いつかは返す必要がある。
現在、10年不況からやや明るさが見えてきた状態であるが、
地方自治体や政府は大借金を抱えている。この借金は収入より
支出が多いと江戸末期によく似ている。
- 世界の動向が変化
現在、米ソ2大体制から米国1国の覇権体制になり、今後、
米国の覇権が揺らぐ可能性もある。
江戸末期、英国が世界の覇権をアジアまで拡張している時代で
オランダがそのアジアでの権限を確保できなくなっていった
時なのです。
- 経済制度の変革期
江戸時代末期は、商品経済が浸透して武士階級の維持が
できなくなっていた。町人が時代の中心に躍り出る寸前であった
のだ。
資本主義の発展が資本主義の範疇だけでは説明できない状況
が出ている。個人がインターネットで自由に情報交換できるように
なると、企業と個人の関係の変化が起こるはずである。
類似点が多いということは、それだけ、江戸末期の混乱
を同じような状況が出現する可能性もあることを示唆して
いるのです。特に日本が抱える国債・地方債の動向を見る必要
があるのです。
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