軍事政策学とは何か


   F/1999-9-18

  CSIS(戦略国際問題研究所)は、軍事政策学(Political-
Military Studies)を掲げ、国家政策に関与している。特に、湾岸戦
争の時、米国軍にイラク壊滅をさせずに、途中で止めたのはCSIS
の指示であったことが判明した。
  ブッシュ前大統領も、石油資本がバックにあるので、グルーバ
リストであることは知っていたが、まさかCSISの影響下にある
とは知らなかった米国国民は、驚いた。それまでは保守本流だと思
われていたのだ。

  CSISは、軍事学・地政学・国際政治学を合わせた軍事政策
学を作り、国際戦略をその観点から構築している。米国の今後を占
うにもCSISの軍事政策学が必要で、日本の学者も軍事学を嫌わ
ずに研究してほしいものである。特に米国の軍事政策学の分野は米
国の国家戦略の中心にあるため、この動向を知らないと米国の行動
を推測できない。

1.軍事政策学の中心の考え方
この軍事政策学の中心の考え方は、味方の近くに敵を作り、緊張状
態にして、その味方の地域に米軍を配備することである。米国近傍
のエリアは、敵を殲滅しておき、防衛を軽くする。

EUの近傍にユーゴを作り、サウジアラビヤの近傍にイラクを作り
、日本の近くに北朝鮮を作り、味方の国に米国軍基地を置く。米国
軍の正当性を確保し、かつ味方の国々が離反できなくする。

味方の近傍の敵を殲滅しない。また、敵との外交権を米国が取り、
味方の国には外交権を渡さない。この成功例が湾岸戦争である。

2.米国の今後の軍備
米国の国防費が削減される方向にあるため、軍事の電子化効率化を
目指している。宇宙・空・海軍の有効利用と陸軍の削減が中心であ
ろう。今後は、インテリジェント化することと、米国世論が海外派
兵をさせない方向にあるため、陸軍だけではなく、空軍との連携を
取った戦術を指向して、陸軍の損害を押さえる。
  この部分は、アルビン・トフラーの戦争と平和 1993年
フジテレビ出版が詳しい。

3.朝鮮半島情勢
  朝鮮半島の問題を分析しているが、これは原文を参照してくだ
さい。

4.日本の対応
日本にも、軍事政治学の分野を研究する機関が必要である。いくら
憲法で禁止しても、紛争はなくならないし、軍事行動は世界の各所
で今も行われている。これを無視することはできない。

特に、米国や中国などの軍事大国は政治・外交での軍事の有効利用
を目指しているため、紛争を無理矢理作っている。今の東チモール
も、独立派には、米国民間企業が資金を出し、かつ併合派は、イン
ドネシア軍特殊部隊が中心であり、この特殊部隊の訓練は米国軍が
行っているのです。

このため、米国はインドネシア政府を非難したことと、整合性が取
れないため、軍事訓練を中止したのです。米国の動きを推測するに
も軍事政策の「ワル」性を知っていないとダメである。

5.参考
  もちろん、ウエッブサイトでは、軍事政策学のワルの部分は見
る事ができませんが、概要はわかります。
  

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