日本新時代:移民受け入れ



拙文「神道から見た日本」に対し、ある方より「日本新時代」と題
して、次の様なレスをいただきました。ご紹介いたします。
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久保憲一さん、はじめまして。****と申します。よろしく

 この6月、「経済審議会グローバリゼーション部会報告書」では、
移民受け入れを先送りしました。

 私は、かなりの高い確率で、移民受け入れにGOが出るのではと
思っていたのですが、日本の失業率の高さがネックとなり、結果は
先送りです。

 しかし、先送りです。私は近い将来、日本は必ず移民を受け入れ
るであろうと考えています。そして、彼(彼女)らは、新しい
「大和」民族になるでしょう。

 産業・経済のグローバル化ばかり、大きく叫ばれ、見過ごされが
ちですが、日本に新しい血を入れようとする動きは、着実に進展し
ています。
その時のために、我々は、十分な心構えが必要ですね。

                        以  上
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****様。初めまして。ご返事ありがとうございました。
 確かに、仰るように、これからの日本人はその「心構え」が必要
だと思います。
「人種」「民族」「宗教」差別や紛争を全くと言ってよいほど経験
していない大半の日本人が、多民族国家・日本になった後、気付い
ても「後の祭」ですよね。

 天皇陛下が「日本を最も理解している方々」と仰った日系ブラジル人。
それも納得できます。多民族間で偏見と差別に遭った彼らの経験か
らすれば、「祖国への誇り」と日本人たる自覚がなければ、彼らは
生き抜けなかったのです。そうした日系ブラジル人が多く住む
「豊田市」でさえ、現在、生活感覚の違いから、日本人と多くの
トラブルを生みだしているようです。

 私は毎年、学生を率い、親日国・台湾とパラオへ交互に訪れてい
ますが、台湾に行った時、「茶髪」「鼻耳リング」の学生が、
「フィリピン人」に三度も間違えられたと憤慨していました。パラオ
へ行った時も、ある学生は「現地人」と間違えられ、注文した食事
サービスを一番後に回された、しかし「現地料金」で得をしたと漏
らしていました。

 これで、分かるように日本人は、多民族間の生活経験がない。
「人種」「民族」「宗教」差別や紛争も味わったことがなく、それは
遠い他人事なのです。

 私自身も、かつてアメリカ大統領選挙でシカゴ街頭演説を聞いてい
た時、ヒスパニックに間違えられたので(後でジョークだと分かった
のですが)ムキになって「日本人だ」と答えた経験があります。

 イギリスの地下鉄ホームで黒人にある宗教集会に誘われた時、
「私の宗教は神道だ」と答えても、彼は首を傾げるばかりでした。こう
して日本人は「国」「人種」「民族」「宗教」を自覚するのでしょうね。
これからは多くの日本人にとって「試練」でしょうね。

 今後ともよろしくお願い致します。

  水廼舎(久保憲一)

  mizuya@jinja.or.jp
  kubok@suzuka-iu.ac.jp

 http://www.simcommunity.com/sc/jog/mizuya/main
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(読者Fのコメント)
 今後、日本の勤労者が少なく高齢者が多くなり、勤労者の税金負担や
労働者不足が深刻になるということで、中期的には日本も移民受け入れ
を検討する必要があるのでしょう。が、徐々にゆっくりと同化可能な
レベルで行うことが必要でしょう。ドイツでのトルコ移民のような摩擦
を起こさないレベルで行う必要があると思います。バラバラの国から
抽選で、というような施策を考える必要があるはず。
         F

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