ロシアの混乱化について



 ロシア情勢が、緊迫してきたので分析をしたいと思います。

 ロシアの混乱は、エリティンの金権汚職体質にある。この政権は、
共産主義のモラルを捨て去って、自由民主主義主義の一番悪い金権
体質だけをまねしたようです。

 このため、経済活動全般をマフィアが取り仕切ることになり、なん
でもありの世界になって、全うな人がいないような状態になってしま
った。法と秩序の復活なくしては、ロシアの復興はない。モラルの
崩壊は社会基盤の信頼性がなくなるので、このままでは経済の安定は
ありえない。エリティンではもうロシアの安定はない。

 しかし、その混乱ロシアを米国はIMFの資金で助けたが、その
IMF資金も横領され、マフィアがその金を米国に投資するという
状態だ。金の一部がエリティンの家族にも流れたから、現在のロシ
アでは、マフィアの頭はエリティンなのです。これでは、ロシアは
中流国(オランダより下)に下落し、今後も下降していくでしょう。

 この結果も出てきていて、この冬の食料が不足するとロシア政府
が報告している。それと、IMFの追加資金がないと、ロシア全体
が回らないことは判明している。しかし、マフィアが支配している
ロシアに金を貸しても、戻らないはず。

 IMFもバカではないが???クリントンがエリティンをサポート
している間は、貸す可能性がある。これも軍事政策学???
 軍事大国の可能性があるロシアを後進国化する援助???だと分
かるような気がする。エリティンをサポートする米国は本当にワル。

 とうとう、この現状に国民も気がついて、今度の下院議会選挙は
プリマコフかプチン??対大統領府の戦いになって、恐らく大統領府
は負けるでしょう。

 負けることが、大統領府でも分かるため、チェチェン紛争を拡大し、
国民の目を逸らそうとしているのであろう。このため、チェチェンへ
の爆撃は止めないし、欧米諸国の中止勧告も聞き入れない。

 しかし、この影響を日本も受けることになるのです。
北方領土回復をエリティンとだけやっていては、日本の今後の外交は
成り立たないのです。多次元外交が必要。それは、プリマコフとプチン
にロシアに権益がない日本商社が選挙資金を援助するのです。
もしかすると、そのカケは大成功し、大きな権益ができる可能性がある。
 または、大商社がロシアの権益を守るために、その代理人に援助され
るのです。すべて、日本の政治家トップは知っている必要がありますよ。

 そのチャネルを生かして、今後の外交を民間ベースにやっておくの
です。2000年の大統領は、プチンかプリマコフのどちらかです
から。そして、再度大統領選挙後、北方四島の返還を要求するしかない。
今、やってもエリティンではダメだ。もうレームダック状態。自分と家族
を守ることで手一杯の状態ですよ。
 IMFがエリティンに選挙資金を優遇する可能性があるが、そのような
対応は、ムダです。
(以下に裏付け資料を掲載する。)
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(ロシア政治経済ジャーナルから引用)
プリマコフ元首相の経歴
1929年10月29日、ウクライナ共和国の首都キエフに生まれる。
モスクワ東洋学大学卒、モスクワ大学大学院修了。経済学博士。
56年からラジオテレビ国家委員会のラジオ放送記者に。
62年よりプラウダ紙に勤務。中東特派員。
(まあスパイもしてたに違いない)
77年東洋学研究所所長。
89年ソ連人民代議員に選出。
89‐90年ソ連最高会議連邦会議議長。
91年9月KGB第一副議長。
91年12月対外情報局長官。
96年外相。
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(ロシア政治経済ジャーナルから引用)
ロシア中央選挙管理委員会は11月3日、下院選挙に参加する政党
の登録を終えた。
大規模な戦いを繰り広げているのは2つの勢力。
すなわち祖国‐全ロシア対大統領府。

○祖国‐全ロシアサイド
*プリマコフ元首相、ルシコフ・モスクワ市長
*新興財閥グシンスキー
*グシンスキー傘下のマスコミ→独立テレビ(NTV)、セヴォドニャ新聞、
週刊誌イトーギ等
*ガスプロム(世界一のガス会社)

○大統領府サイド
*エリツィンさん
*ターニャさん(エリツィンさんの娘)
*新興財閥ベレゾフスキー、アブラモビッチ
(次男のチュバイスは彼が擁立したステパシンが解任されてから
ぐれている。)
*ベレゾフスキー傘下のマスコミ→ロシア公共テレビ(ORT)、TV6、
コメルサント、新聞、独立新聞等

この2つの勢力が激しく戦いを繰り広げている。
そしてこの両陣営の中で比較的独立した立場を保っているのが
人気者プチンさん。支持率は上がり続けている。
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(共同通信から引用)
11/09 17:40 逮捕恐れるロ大統領二女 プリマコフつぶしに躍起

 来月十九日に迫ったロシア下院選挙を前に、エリツィン大統領の
二女タチヤナ・ジヤチェンコ顧問(39)を中心とするクレムリン
の大統領側近グループ「ファミリー」が、プリマコフ元首相率いる
中道連合の切り崩しに躍起になっている。           
 下院選で中道連合が圧勝し、来夏の大統領選でプリマコフ政権が
誕生すれば、「汚職、腐敗の疑惑にまみれたジヤチェンコ顧問らの
逮捕は免れないと恐怖感を強めている」(大統領府高官)ためだ。
 ジヤチェンコ顧問の取り巻きはユマシェフ元大統領府長官、ウォ
ロシン現大統領府長官、財閥総帥のベレゾフスキー氏、アブラモビ
ッチ氏ら。顧問を通じ大統領を動かし、首相・閣僚人事から政策ま
で多大な影響力を行使、私利をむさぼってきたとされる。    
 アブラモビッチ氏らがクレムリンを牛耳ることを批判した独立系
「ノーバヤ・ガゼータ」紙のムラトフ編集長は、ウォロシン長官を
訪ねた経験を振り返った。長官が「大統領府はそうした人物とは一
切関係ない」と全面否定した直後、長官室を出たところで編集長が
出くわしたのはアブラモビッチ氏だったという。
 かつてエリツィン大統領の絶大な信頼を得ていたコルジャコフ前
大統領警護局長(現下院議員)は「ジヤチェンコやウォロシンはベ
レゾフスキー、アブラモビッチから多額の金を受け取っている」と
断言する。有力大衆紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」のグセ
フ編集長も同じ指摘をし、「ジヤチェンコは軽率で愚かだ」と批判
する。                           
 大統領府で選挙対策を担当する高官は匿名を条件に、クレムリン
が「プリマコフつぶし」のため中道連合に加わる州知事らに脱退の
圧力を加え、政権側メディアを総動員してプリマコフ批判を展開し
ていることを認めた。ベレゾフスキー氏の支配下にある公共テレビ
はプリマコフ氏へのすさまじい中傷報道を展開、中央選管が警告し
た。
 ファミリーがプリマコフ氏を恐れるのには訳がある。同氏が首相
だった今年春、検察庁がクレムリン高官らの汚職捜査に着手。一時
、ベレゾフスキー氏にも逮捕状が出た。有力下院筋によると、当時
、民営化など経済改革に絡む汚職容疑で「元閣僚や財閥代表ら数十
人のブラックリスト」が存在していたという。         
 娘と取り巻きの腐敗ぶりについて「健康がすぐれない大統領は何
も分かっていない」(コルジャコフ氏)との見方が一般的だ。だが
、「欧米マスコミによるクレムリン汚職報道で大統領は衝撃を受け
た」(大統領府高官)とも。 
 ベレゾフスキー氏とアブラモビッチ氏は最近、小選挙区から下院
選に出馬した。議員の不逮捕特権が狙いなのは明らかで、追い詰め
られたファミリーの焦りを象徴している。
(モスクワ共同=杉崎洋文)
(了)  991109 1741

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