質問:同じ兵器体系の国は戦争できないか


   F/1999-10-20

(読者からのメール)
 何故、同じ系統の兵器体系同士の国は、「絶対に」戦争できない のですか?

  satikoさん
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(著者Fの回答)
 どうも、質問ありがとうございます。メルマガ発行すぐに、質問 してくれて本当にうれしいです。今後もどしどし質問ください。

質問を、自国兵器体系補給国とは絶対に戦争できないと修正します。
no.14の本文の意味は上記ですので。

 勿論、兵器体系とは何かを議論する必要があります。これからは 兵器を単独に運用しても効果がなく、兵器のシステム運用が必要です。
このシステム運用するためには、高度なシステムの運用技術が必要 で、ロシア軍は兵器輸出とともに、軍事顧問団の派遣や兵器供給国の 兵隊の訓練を行っています。特に米国兵器体系国との戦争時は、 米国新鋭兵器を確保したいために、平時より多くの軍事顧問団を派遣 するのです。

 この戦闘で米国兵器技術を知り、それに対抗する兵器の開発を行うの です。ロシア兵器は電子化が遅れましたが、欧米諸国からの電子機器、 特に半導体の補給により改善してきています。

 航空兵器である戦闘機は、レーダやミサイルなど地上支援や衛星支援等 を受けています。また事前の偵察なども。この体系を完成するのに、10年 以上が必要です。しかし、10年が過ぎるともう戦力的には古い兵器と なり、その兵器体系を更新する必要が出てきます。

 それでなくても、兵器体系国は補給した兵器の弱点を知っていますし、 ロシアは、中国に対しSU−30でも最初から、ミサイルは1世代前の ものにして、自国の安全を確保しているのです。このため、インドに輸出 するSU−30の仕様より相当低い性能のはずです。そして、ロシア自体 は次世代の航空機で更新するはずです。

 これは、米国も同じです。台湾に当初F−16Aを供給したが、改造した F−16Bの補給を拒否していたのです。現在は全てF−16Bを輸出 しているが。

 それと航空機は、消耗が激しく補給部品がないと直ぐに使い物に ならなくなるため、故障機から部品を取り外して使用しても、直ぐに なくなるのです。特に電子関係部品やエンジンはロシアからの補給が 絶対必要です。ライセンス生産をその部分は認めていないようです。

 もし、戦うのであれば自国兵器体系を確立してからにすべきです。
イランのように米国兵器体系で米国に挑むのは、戦略的にはバカです。
戦闘になりません。このため、米国とは戦争せずにイラクと代理戦争 したのです。イラクは米国と戦うために米国兵器体系からロシア兵器 体系に変更したかING中であったはずです。

 しかし、物の敵ではないですよ。米国にとっては。
米国は軍事政策学の理論で、途中で戦闘を中止したのです。
軍事政策学を参照ください。
 どちらにしても、まともに戦うなら、自国兵器補給国と戦争は 絶対やるべきではないです。このことだけは、分かっていただいた と思いますが、どうですか?
   F

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