スイスの苦悩


   F/1999-10-04

 スイスは金融覇権の時代に、金融力が大幅に縮小している国です。

今まで、スイス当局は銀行口座の秘密性を守り、この条件で世界の 金持ちから、多額の金を預かり金融大国として君臨していた。

 しかし、ナチス・ドイツがユダヤ人から奪った金品をスイスの銀行 に預けられていると、ユダヤ組織から訴えられ、とうとうその要求 を受け入れてしまったのです。

 スイスは、日本でのイメージの永世中立国とアルプス山脈の中にある きれいな国とイメージされているが、スイスは労働鎖国で移民を受け 入れないことと、警察力が強く、不審者には尾行をつけて監視する という徹底的な警察国家です。これは、日本以上です。

 先ほどの続きですが、戦後50年間口座公開を拒否してきたのです が世界からの非難に耐えられなくて、口座の調査権を渡してしまった。
その余波がいろいろな所に出てきている。ロシアのIMF資金流失も スイスの銀行を調査してわかったのです。このようにスイスの銀行の 秘密口座が秘密性を失ってしまったため、スイスから金が他のオフシェア 市場に流れている。

 オウシェア市場とは、バミューダ、バハマ、ケイマン島、マン 島などです。勿論、スイス、ブルガリア、ルクセンブルグなどの 古い歴史がある所もあるが、スイスの信用力ががた落ちになってい るのです。
 このため、スイス銀行の焦りが出て違法行為を誘発し、日本での サービスを大幅に規制される事態になったのです。

日本の金持ちもオフシェア市場に逃げ出す人が多くなるはずである。
税金がないか非常に低額で、投資等での儲けも日本の税務当局に押さえ られることはないのであるから。

 日本は、世界のそのような制度を国家主権上どうしようもない。
また、マネーローダリングも多くはこのオウシェア市場経由である ので、国際的には規制する方法を考えないといけないとの議論は あるが難しいようだ。

 金融覇権には、オウシェア市場の動向を押さえることも必要です。
この市場はほとんどが欧米の金持ち達のためにあるのですから、 潰すことはない。また、スイスから金融覇権力を奪うことを考えた のは、スイスからの退避先で得をする集団でしょう。すると、 英米の2ケ国になるのです。金融の独占化を図っているようだ。

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