金融覇権時代の国家戦略



F/1999-10-02
 今、米国の1国世界覇権体制であるため、他国は基本的には米国
追従にならざるを得ない状況です。
このような状況では、国力は経済力とりわけ金融力で、それが重要
な時代になっているのです。国力は経済性をどれだけ効率化し、
国民・国家の富を高めてられるかを競う時代になっています。

 それでは、国家戦略はどう構築すればいいのでしょうか?
今までは、軍事戦略が重要であったが、今は経済戦略が非常に
重要になっている。クリントンが日本追い落としのために、ローラ
・タイソンを国家経済会議の議長にして、国家安全保障会議より
上とした時代があった。今は国家安全保障会議しかないが。

 それでは、経済戦略の方法論は確立されているのであろうか?
あります。本当のところ、私Fは企業戦略論が専門なのですが、
国家戦略に企業戦略の考え方を適用すると、いろいろなことがわか
るため、この国際戦略コラムを開催したのです。この考え方と同じ
なのが、大前研一です。

 それでは、1つの例として国家群のポートフォリオはどう見るか
というと、GNPの成長率とシェアの表を国家に適用する。
成長率3%、シェア4%を軸にとると、
 第1象限;スターですが、該当する国はありません。
 第2象限:問題児ですが、中国、韓国、台湾などが位置します。
 第3象限:負け犬ですが、ロシアが位置します。
 第4象限:金のなる木ですが、日本、米国、ドイツなど

 GNPシェアでは、米国25.8%、日本16%、ドイツ8.2%
です。

 特にロシアの負け犬はGNP356、030百万ドルで、オランダ
の402、565百万ドルより小さい。ドイツの2、320、985
百万ドルの6分の1程度となっている。G8の1カ国には物足りない。
中国1、055、327百万ドルでその3分の1と中国より小さい。

1人当たりの年GNPとなると、シンガポールが32、810ドルで
米国の29、080ドルより上になっている。韓国10、550ドル
日本38,160ドル、中国860ドルです。
どうですか、世界観が変わりませんか?

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(読者からのメール)
今回初めて拝見しましたが同感です。
このような考えを持って行動すれば良い状況に向かいそうです。
心の奥で思ってたことを代弁して頂いた気分になりました。
これからも楽しみにしてます。
   いのうえ
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(私からの返事)
読者の励ましが、一番の褒美だと思います。今後も意見・感想を
どんどんお願いします。 
   F




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