760−1. 2001年を振り返って



2001年を振り返って、日本・世界の考察をFとTの対話でしよ
う。 F、Tより

T:Fさん、いつもありがとうございます。2001年も、残りわ
ずかですので、振り返りましょうか??今日はFさんが中心ですよ。

F:2001年もいろいろなことがありましたね。しかし、米国は
9月11日のテロで得をしたように思う。米国の景気対策としての
戦争を、正義という仮面を付けてできることになったのですから。

イスラエルの首相を強硬派のシェロンにした時から、米国のITバ
ブルが弾けて不景気になると考え、チェイニーは中東戦争を仕掛け
ていたように思う。ブッシュ政権自体は軍事政権であり、戦争する
と予測したのですが、このような正義の仮面をつけられるとは。

T:そうすると、この不景気時の戦争準備プログラムは、いつでき
たのでしょうか??

F:クリントンの時代から、テロでビンラディンが出てきた1995
年以前からあったように思う。

T:そんなに前から、米国は準備していたのですか??

F:イラクの攻撃を止めたのは、CSISですが、この1991年
時点でも、景気が一層悪くなったら、再度攻撃できるようにと、
サウジの監視も含めて、戦闘中止を進言していたので、この時点が
起点でしょうね。しかし、クリントンの経済政策は成功して、イラ
クを潰す必要がなかったために、ここまできたのです。しかし、
誤算もありますね。この10年で、イラク石油がEUに浸透したた
めに、ヨーロッパがイラク攻撃を快しとしない。

このため、ソマリヤ、ビスボラなどの名前が挙がっているが、規模
が小さすぎる。戦争の規模がアフガンより小さい。10億ドルも使
えない。しかし、米国議会に承認してもらっている戦争費用は、
200億ドルですから、全然物足りないのです。このため、今、
米国は戦争探しになっているのです。そして、昔からテロ国家とし
て、米国が指定している北朝鮮がクローズアップしてきたのです。

T:今回の不審船ですね。これはどうなのですか??

F:どうも、米国の関与があったように思う。キシンジャーの日本
韓国、北京訪問は、北朝鮮との戦争をどうするかであったようだと
日高さんは言っている。日本政府も、不審船に機関砲を打つと決断
した時点で、最悪、北朝鮮との戦争を覚悟したはずです。そう論評
した新聞がないのは、やはり平和ぼけですね。

今、日本には北朝鮮の工作兵が相当数いるはずです。オウム事件で
警察長官を仕留める腕前は、相当なもので、北朝鮮工作兵であろう
と言われた。このように日本でもテロが北朝鮮工作兵や北朝鮮系の
人たちにより、起こせるのです。そして、戦争状態になれば、当然
社会混乱を起こすベく、活動するはずです。この対応は警察、特に
公安警察の範疇ですが、どう準備しているのか不安ですね。

今までの国内問題とは違う要因がありますし、朝鮮総連の組織を
どう捕らえるかです。

T:日本の平和ぼけの対応を変更しないといけないということでし
ょうか??

F:そう思いますね。特に北朝鮮との戦争を想定したシュミレーシ
ョンを早急に行うべきでしょう。また、米国の戦争志向は日本とし
ても、韓国と合同で抑制することは必要だと思いますが!!
あまりにも、世界から米国の意図が見え見えで、この限りでは、
明確でいいのかもしれないが、米国のやり方は一方的すぎるために、
米国にイスラムの13億人の憎しみが向かい、米国内部で、テロが
多発することになり、憎しみの連鎖を起こす可能性が高い。
また、テロが多発すると、安全性が低下して、経済的な効率が落ち
、経済の発展はありえない。付随する問題を米国は抱えることにな
り、没落する可能性もあると思う。結局、因果応報でしょうね。

T:昨日、YSさんと話をしたら、それと、ヨーロッパが米国と付
き合いきれないと言い始めているようですよ。米国の宗教家が戦争
を煽っていると。

F:その可能性は大いにあると思います。皆が米国の一方的な戦争
志向を心配している。米国の没落は世界の混乱を招き寄せることに
なるからです。米国のキリスト教原理主義者に気をつけるべきです
ね。

T:今後の見通しも出していただいてありがとうございます。新年
の対話もよろしくお願いします。
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北朝鮮有事への視座            アルルの男・ヒロシ 
   
北朝鮮が危ないというのは、副島隆彦氏が書いておりましたが、
この裏にキッシンジャーが絡んでいるのではないかということが雑
誌「正論」の「ワールドウォッチ」に掲載されていました。以下に
一部引用します。

(引用はじめ)

だが、次は北朝鮮だ、というのはおそらく正しいだろう。日本国内
の最高実力者たちの動きが最近、富に慌ただしい。密かに韓国の軍
の首脳と会ったりしている。ヘンリー・キッシンジャー元国務長官
が、十一月末に、日本に来て新聞協会等で講演をしたようだが、
本当の目的は韓国の首脳陣との根回しでもあったのだろう。

(引用終わり)
産經新聞社 正論 副島隆彦のワールドウォッチ 200nから一
部引用した。

私が新聞の記事やインターネットで検索して調べたところ、キッシ
ンジャー氏は韓国の経済フォーラムというもっともらしい理由で
韓国を日本訪問のあと訪れています。

韓国:朝鮮日報の英語版インターネットサイト
http://english.joins.com/article.asp?aid=20011117004932&sid=H00

また、日本政府高官の動きですが、キッシンジャー氏がまだいたの
かもう帰米したのかは定かではありませんが、中曽根元総理が韓国
を訪問しています。
しかし、この会談は、歴史教科書問題などの日韓の過去を巡る討論
だったようです。(サンケイ11月22日朝刊)

まじなおじさん氏の見解では、「中曽根・小泉」と「中谷・加藤」
とで容認派・忌避派とに分かれていると言うことですが、不審船引
き揚げへの行動が及び腰な様に見えるのも、引き揚げを行って「決
定的な北朝鮮との関連」を示すものが出てしまうと、ますます有事
法制や対米支援のレールに乗った戦争準備があくまで日本周辺の有
事対応として進むという傾向を忌避しているのではないかとも思い
ます。アメリカは北朝鮮へのコメ支援を再開することを報道官を通
じて、発表していますが、これとても日本への梯子外しでしょう。

アメリカが声明を発表した19日には、不審船は確認されていたの
かどうかは分かりません。しかし、日本時間18日には、偵察衛星
が不審船をキャッチしている(サンケイ27日朝刊)ことを考える
と、アメリカの食料支援再開報道の裏では北朝鮮への警戒が強まっ
ていたのではないでしょうか。しかも、おなじサンケイ新聞の記事
では、不審船が交信していたのは朝鮮人民軍であるということも報
道されており、これをあわせて考えると、北朝鮮は米国軍の動向で
も調べるために工作員を派遣していたのかと推測できないでしょう
か。

国際政治評論家の桃井真氏はサンケイの25日夕刊のインタビュー
記事で、「韓国と戦争を起こす際に米軍が行動しづらくするため、
日本でテロを起こすことは十分に考えられ」、「日本に来たからと
行って日本だけを相手にしているわけではないということを認識す
べきだ」と語っていますが、なかなか言い得て妙な分析といえまし
ょう。

いずれにしても、今回の情報もアメリカ発だったということは、通
常から数ある不審船の侵入の中から、この船が「選ばれた」という
こともあり得るのではないかと思います。

北朝鮮は中国を挾んでいるために、日本にとっては、「やっかいで
あるが存続して置いた方が望ましい」国であるという考え方もある
と思います。
したがって、北朝鮮の扱い次第では、中国と韓国・米国・日本が裸
で対峙することになり、中国のタカ派の野心を増長させる可能性が
あります。今後の北朝鮮情勢に注意するべきだと思いますが、アメ
リカは北朝鮮への武力行使を、次期大統領選挙への効果的な宣伝材
料として温存していくかも知れません。

その他の、候補国としてソマリアについてですが、ソマリア大統領
は、アルカイダの拠点はもう国内には存在しないという風に告げた
と言うことです。

イラクについては、トルコがすでに石油利権と引き替えに支援を約
束したという報道が最新の「ニューズウィーク」誌等でなされてお
り、フセイン政権を視野に入れた、マケインなどの新保守主義派は
こちらを先に手がけるのではないでしょうか。

しかしながら、北朝鮮や国内の安全保障関連の動きには今後とも注
意する必要があるのは間違いありません。


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