737−2.ケインズ学説の限界について



 「732−2.ケインズ学説の限界について」へのコメント

>ケインズ学説に限界があるように感じる。それを考察しよう。F

どうも、ケインズの魔法は国家投資が、その投資により、民間の投
資を呼ぶ込んだ時は経済が拡大して、供給増を引き起こして国家経
済をどんどん拡大させるが、民間投資を呼び込まない時は社会効率
を悪化させて、経済を疲弊させるためケインズの失敗に、なると考
えられる。<
Fさんの上記の記述は正しいと思います。
 
「730−2.有効需要を増やそう」
>ただ、買うものがない。ユニクロの服ももう充分あり、100円シ
ョップの品物も、買ってしまった。低価格品はもういいということ
で、ユニクロの売上も落ちている。そして、低価格製品はほとんど
海外の製品である。今日本は、このような低価格低付加価値の製品
の製造では中国に負ける。日本供給品としては高付加価値の製品や
サービスを作るしかない。<
Fさんの上記の記述も正しいと思います。
 
私の見解 民間の投資を呼び込む可能性があるところに、国家が投
資すればケインズの魔法が効果をあらわすものと思います。Fさん
が言うように従来の枠組みのなかで考えれば、従来の市場は熟して
おり容易に活性化できないと思います。私が関わっている事業の一
つに、産業廃棄物を燃やす焼却炉の関係があります。焼却炉からダ
イオキシンが発生するということで、国はこれに対する規制を強化
していることは周知の事実です。平成14年12月からは、規制が
うるさくなり、事実上焼却を諦めざるを得なくなっています。循環
型社会を構築していくというのが、経済産業省の考え方であります。

私もこの考え方には大賛成なのであります。ところが猛毒ダイオキ
シンは別の分野では垂れ流しなのです。たとえば、染色の過程で発
生するダイオキシンは、産業廃棄物関係で国が規制する何十万倍、
何百万倍も発生し、そのダイオキシンが直接皮膚と接触することを
認めているのです。また、美容院などでもパーマ液とその他の薬剤
が頭皮の上で混合して、産廃関係の規制値の何百万倍の何千万倍の
ダイオキシンが形成されているそうですが、これも野放しでありま
す。美容関係者の手の荒れは以前から問題になっていました。

ダイオキシンなどの化学物質がなぜ、嫌われるのでしょうか。その
働きは、細胞の中に活性酸素を発生させ、その活性酸素が遺伝情報
をつかさどるDNAを破壊して、ガンを発生させたり、奇形もたら
すものだそうです。また、体内の不飽和脂肪酸と結びついて、過酸
化脂質をつくり生活習慣病(成人病)のもとになっているのです。
最近問題になっている尋常性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、膠原病、
ガンなどの異常発生は、これらの環境問題から発生しているのです。

ゴルフ場、農業で使われている除草剤はダイオキシンそのものです
。有名なゴルファーのほとんどがガンで亡くなっていることは周知
の事実です。おいしい野菜、果物、米などは品種改良につぐ品種改
良をかさねて、野生の植物と比べたら問題にならないほど弱くなっ
ています。その生育を支えているのが除草剤、殺虫剤、殺菌剤、化
学肥料なのです。

コンビニなどで販売されている弁当、観光地で販売されている食品
、スーパーで販売されている惣菜などには恐ろしいほどの薬品が混
入されているのです。ですからコンビ二弁当などは、真夏に何日も
車中に放置しても腐らないのです。これが手間がかからない低価格
販売、価格競争の源泉なのです。

公害問題は、衣食住全般に深くかかわり、放置されているのが現状
です。環境問題に真剣に取り組むだけで、全国民的な新たな需要の
発生による生産と雇用の場を創出できる可能性があります。環境問
題に真剣に取り組めば、それだけ余計な手間がかかり製品の価格も
向上するかもしれませんが、反面雇用も増えるのです。産業革命は
、人類に多くの富をもたらしました。その反面環境破壊というマイ
ナス要素も発生し、それが経済発展の桎梏となりつつあります。
その桎梏を逆手にとって新たな発展をめざすことが、すべての問題
を円満に解決できるみなもとであると思っています。

私は、丹羽経済政策と環境対策を真剣に取り組めば、日本経済はフ
ェニックスのように甦ると信じています。 
tanaka
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(Fのコメント)
田中さんと同じ意見に収斂してきたように思う。ヒックスの流動性
のトラップは知っています。これを言い出したのはクルガンMIT
教授ですが、この流動性のトラップ防止については、インフレを作
れというのが、クルガン教授の主張です。インフレの推奨は丹羽先
生やリチード・クーではないのですよ。そして、丹羽さんの説は、
実現性に問題があるのです。今までも言っているが、ムダなことを
しろと言っているためです。

このインフレ実現のため、ムダな公共事業を10年間も行って、
とうとう国家財政を破綻させてしまった。これが今の日本です。
このため、一転して、国家財政の縮小を行わないとダメで、かつ税
金や公共料金の値上げになっているのです。とうとう競争のない公
的部門を中心に悪性インフレになる可能性が出てきたのです。確実
に日本経済は公的部門が割高になり、民間企業を圧迫して、益々、
民間企業を日本から追い出すことになるでしょうね。どうしてか?
民間部門は値上げはできないため、公的部門の値上げにより、収益
性が落ちることになるためだ。

しかし、ヒックスの流動性のトラップは解消しない。円の金利を0
%以下にすることができない。このため、デフレであれば現金で持
っていた方が、得である。よって皆が貯蓄してしまう。この対策と
しては第2通貨を発行して、金利0%以下にすればいいのです。
このような通貨は日本でも発行させれているのです。地域通貨や航
空会社マイレージなどですが、期間内に使用しないと減額されるの
が、味噌。これは金利0%以下のことですから。

クルガン教授の意見
http://www.wws.princeton.edu/~pkrugman/
http://www.post1.com/home/hiyori13/krugman/japtrapj.html
http://www.post1.com/home/hiyori13/krugman/japtrap2j.html
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Re: no.732-2ケインズ学説の限界について  

ちゃ〜大佐と申します。
消費性向が低い時は、総需要喚起はできない、とは、ケインズが言
っていることだと思います。ケインズ学説の限界は、むしろブキャ
ナン・ワグナーの指摘した点にあるのではないでしょうか。つまり
、議会制民主主義のもとでは、不景気の時には赤字財政が簡単に許
されるのに対して、好景気の時に黒字財政にすることがなかなかで
きない。結局、悪いのはケインズ政策ではなくて、それを運用する
ことのできない政策者と、政策者の口車に乗る国民です。

経済政策の目標が、景気の変動の幅を小さくすることにあるのであ
れば、不景気の際の赤字財政とともに、好景気の時はきっちりその
マイナスを取り立てなくてはならないのですが、政治家がそれをし
ようとしない、できない、というのがケインズ学説の限界であるよ
うな気がします。

以上です。
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(Fのコメント)
ちゃ〜大佐さんは、もう1つの問題点を指摘している。政治家の問
題で、この観点では正しいと思います。しかし、これが問題の全て
ではないですね。


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