736−1.観念論と実体論、現実論について



白鳥です。
以下のFさんのご意見についての私の見解は後に記します。
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(Fのご意見)
現実の軍事力で、米国と対抗できる国は、世界にないですよ。その
ため、日本もある程度の対米協調外交をすることは仕方がないと思
います。観念論は国家戦略上、一番大きな害悪を流すことになる。

少し前の左翼たちのソ連礼拝論や中国尊敬論、共産主義の絶対論な
どの観念論に苦しみ抜いた経験から、現実の外交、国家運営は観念
論ではなく、実体論や人間の歴史的な経験から出た現実論でいくべ
きであると思っている。実証主義、経験主義、保守主義で行くべき
であろう。

それを、白鳥さんは、逆方向から観念論を持ち出してきているが、
それにも反対です。現実を直視した政策論でないと、日本の戦略と
して運用できない。また、理想論や感情論などは、議論しても仕方
がない。

そのようなことができないのであるから、時間のムダである。それ
より現実の研究をして、一番現実的にできる日本にとって、得な政
策は何かを議論するべきでしょうね。
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白鳥です。
Fさん、あなたの御コラムでのコメンテーターとしてのご意見を今
までずっと拝見させて頂いておりまして感じましたことをいくつか。

まず、あなたの書かれた文章からあなたのお人柄やものの考え方が
想像できます。(これはあくまでわたしの「想像」であって事実で
あるかどうかは分かりません)

あなたの考え方の一貫性は上記の文章にもしっかりと現われ出てい
ますね。
まず、『現実の軍事力で、米国と対抗できる国は、世界にないです
よ。そのため、日本もある程度の対米協調外交をすることは仕方が
ないと思います。観念論は国家戦略上、一番大きな害悪を流すこと
になる』

の「仕方がない」という部分です。気になる一文です。「仕方がな
い」というのは「本意」ではないということですよね?本意ではな
いが、してしまうということですね。
ならば伺います。ある学校の教室でイジメが発生しました。そこの
いじめっ子の中心的リーダーは誰よりも悪質で陰湿です。彼に逆ら
うと自分にもどういう被害が及ぶか分かりません。それで、いじめ
られっ子は確かに可愛そうですが、「仕方がない」ので、自分も一
緒にいじめっ子のグループに入ってそのイジメに加わらざるを得な
かったとイジメ問題が発覚して先生から注意を受けた時、「仕方が
ない」の一言であなたは済まされるおつもりなのでしょうか?
さらにこの「仕方がない」というのは、あなたが仰る「害悪を垂れ
流す観念」ではないと仰るのでしょうか?

次に、
『少し前の左翼たちのソ連礼拝論や中国尊敬論、共産主義の絶対論
などの観念論に苦しみ抜いた経験から、現実の外交、国家運営は観
念論ではなく、実体論や人間の歴史的な経験から出た現実論でいく
べきであると思っている。実証主義、経験主義、保守主義で行くべ
きであろう』

「左翼たちのソ連礼拝論や中国尊敬論、共産主義の絶対論など」は
最初、「実体論や人間の歴史的な経験から出た現実論」ではなかっ
たんですか?
少なくともマルクスやレーニン、毛沢東、金日成などはそのように
理解をしていたと思うんですけどねぇー、違いますか?
だからFさん、彼らもまた当時はあなたと同じ意識のレベルであっ
たということではないかと思いますよ。読者の方々はどのように思
われますか?

自分の思想(「思想」は「観念」という言葉とは違います)のみを
絶対視して他の意見(思想)を「時間のムダ」とすることに危険な
心の態度があるということを私は言いたいのです。

さらに危惧されるところの「観念論」は主観的な観念論であり、私
や空が言うところの観念論は客観的観念論(イデアの世界の観念論
)なんです、ご理解を頂けますか?
つまり、「相手の立場(や思想=思い=心根)を理解した上で、
相手にとっての「幸せ」を充分に考えた上での観念論ではないと
相手に伝わらないということなのです。どうもあなたの意見をずっ
と拝見させて頂いていると、自分の側から見た「観念」だけをごり
押ししておられるように伺えるんですがーーこれは私の思い違いで
しょうかね。

次に、これはスッゴく大事なことです。
『現実を直視した政策論でないと、日本の戦略として運用できない。
 また、理想論や感情論などは、議論しても仕方がない』

という論説に対してです。
確かに情報や現実を直視した政策によって国民がより豊かで安全な
生活が営めるように国会議員や政策論者またその他の有識者らは国
の政策を考えておられます。しかし彼らは究極的には何を論じてい
るのかと言えば、国民が最終的に求める「理想」や恒久的な「幸せ
観」を具現化しようと欲して論じておられるのではないですか。従
ってそれは「観念論」ですよね、違いますか?

次に、以下の文章に私のあなたに対してする指摘の正確性が現われ
ていると思います。

『それより現実の研究をして、一番現実的にできる日本にとって、
 得な政策は何かを議論するべきでしょうね』

Fさん、あなたはどういう「現実」についてご自身の「体験」をも
とにご存知なんですか?あなたは様々な情報をお持ちのようですが
、それをどのように収集選択をするかはあなたの「観念」に基づい
て行なわれるのじゃないんですか?
それにあなたにとっての「得」もまた、あなたにとっての「得」で
あり、それがそのまま他の人にとっての「得」ということにはなら
ない場合もありますよね。
それをお認めになられますか?

以上です。この文章は私の「コスモ戦略コラム」にも載せさせてい
ただきますが、できれば、あなたの勇気ある態度をもって御コラム
にもお載せ頂きたいと望みます。他の読者の方々のご意見も是非お
聞かせ願いたいと思いますので。

敢えて私(白鳥宙)はバリバリの「観念論者」です。
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(Fのコメント)
理想論でも、歴史的な積み上げを経た論語や歴史の中で淘汰を免れ
た理論には、それなりの価値があると思いますが、オウムや共産主
義の概念は歴史的に、人間環境上で淘汰されたのです。
どうも、白鳥さんの観念論は宗教に近いものを感じる。しかし、
それだけでは、平和も貧困問題も解決しない。これが残念ながら、
現実です。その現実を白鳥論は逃避している。解決案がない。念仏
になっている。宗教でしかない。現実政治ではない。

インターネット上でのWEBは専門性を高めないと、焦点がボケて
しまう。このため、ここの読者の嗜好とは違うし、実際社会に運用
可能な国際戦略、国内戦略を議論したので、単純な観念論は白鳥さ
んのコラムやメルマガで議論してほしい。

今の現状で、どう日本を運営すればいいのかの議論をしたいのです。
今の世界的な状況を数値で抑え、政策可能な日本の外交・経済は
どうするのかの議論をしたい。勿論、この政治に倫理的な側面から
のサポートは必要であるため、論語のような歴史的な重みを持つ深
みのある知識等は必要であるが、今までの左翼がやっていた子供の
ような思想議論はいらないし、そのような議論は現地の実体とも違
うことが多かった。このため、観念論だけでは、ダメで実体の現地
、国の数値を駆使した議論により、現実の政策になるはずです。
数値や実体の議論をして、その裏側にある理論や概念や思想を議論
するべきで、平和は大切であるから、日本は軍事を持たないという
単純な観念先行の議論はやめてほしい。

得とは、日本国家の多くの人や世界の国家に日本が貢献できること
であり、その総和が一番大きな政策を選択するべきでしょうね。
個人の得ではなく、国家や世界の得を考えて議論をおこなっている
。しかし、単純な理想論ではないですよ。
よって、単純な理想論・一部の人の観念を満足させるための議論を
ここで行うべきでない。いろいろな要素を勘案して、得な政策を議
論するべきです。
議論の上では、経験だけではダメで、本やWEBなどの2次情報を
駆使して、歴史の経験などの上で、判断するべきです。
その結果は、単純な完全懲悪的な概念・観念は、この歴史の中で否
定されているようです。

実体的な議論をすることが重要ですから、言葉の議論や問題のすり
替えはやめるべきでないです。米国の同盟や追髄をしない時、どう
日本を運営するのかの議論をするべきです。仕方がないの語法を
どうして、このコラムで議論するのですか??ここは国語審議会で
はない。趣旨が違い過ぎる。それと、個人の意見ではなく、個人の
性格を攻撃するのは、このコラムの読者投稿ルール違反です。ここ
では、議論を意見だけにして、個人の性格に及ぶようなことは感情
的な摩擦を引き起こすため避けることとしています。もし、改めな
いと白鳥さんの投稿を拒否する事態になります。どうか、お止めく
ださい。

私は、左翼の方たちと議論したのは、1970年代、1980年代
ですから、充分、ソ連の悪さや中国の悪さが分かっていた時代です。
よって、その時点では歴史的な判断が下せる時でしたよ。列島収容
所のような実体もありましたし。

もう1つ、マルクス理論もそれまでの歴史的な経緯を充分に調べて
いる。エンゲルスは企業経営での実績も積んでいたのです。単純な
観念論として、出てきたのではないのですよ。このため、白鳥さん
の実体も調査せず、歴史的な経緯の調査もないような観念論ではな
いですよ。それでも、失敗するのです。単純な観念議論は国家政策
運営の遡上にも、乗りませんから大丈夫であるが、議論の深さが低
いように感じる。観念論を論じたい人も世の中にはいますから、
全面否定はしませんが、その観念論の論議の場でおやりになる方が
いいと思います。
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(Tより)
白鳥さんのコスモ戦略コラムと、役割が違うので、両コラム投稿
は、読者にとって、煩雑です。よって、このコラムには、コスモ戦
略コラム掲載記事は載せません。白鳥さんのバリバリの観念論も、
コラムには採用しない方向です。


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