735−2.夫婦別姓の意見



毎回、国際戦略コラムを読ませて頂いております。私は近畿大学と
いう平凡な大学の学生なのですが、”夫婦別姓”に反対せよとあっ
たので少し疑問を感じたのでメールを送らせていただきます。
 
まず夫婦別姓について国民の大半が望んでいない
とありましたが、夫婦別姓という制度は強制なのでしょうか?本文
では「選択的夫婦別姓制度」と書かれており、希望者のみ別姓にす
ることができるという意味にもとれるのですが、それならば関係な
く個々の権利は認めるべきであると感じるのですが、、、。
 
次に自民党は、フェミニストや社民・共産党が中心的に推進する法
案の片棒を担ぐべきでない
とありましたが私は共産やフェミニストの理想自体はそこまでひど
いとは思えません。ただ彼等は理想を追いすぎるために現実からか
け離れるところがありますが、、、その中でも一般の人々が納得で
きよい制度であるならば例え、共産党やフェミニストが言おうが
堂々と議論するのが民主主義の根幹ではないでしょうか?

最後に
〈ご参考 以下の議員は、夫婦別姓に賛同している地元議員です。
 地元の声を届けて下さい。〉 
 
こういったメールを送ることにより地元の声ではなく、野中氏をは
じめ多数の議員の自宅にいたずらや嫌がらせの電話が入ることが
予測されます。また、地元の声とはどういった意味なのでしょうか
?よくマスコミが圧力団体員に対し市民という表現をしていますが
、この文面では教科書問題においての左翼の活動と同じように言論
封殺を呼びかけているように感じますが。
稚拙な文章申し訳ありません。
これからも頑張ってください。
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(Fのコメント)
政治家に投書したり、国民・選挙民がアクセスするのは公的存在で
あるので、政治家としての当然な仕事です。このような投書やアク
セスを国家に伝える役割なのですから。左翼も当然の権利であるが
、我々も当然の権利だと認識した方がいい。勿論、私的な家への
アクセスではなく、事務所の電話であればの話です。このため、
番号を公開するのも、プライバシーとは違います。
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     夫婦別姓      mーitaly   

10年前にイタリアで、イタリア人と結婚しました。ここイタリアは
夫婦別姓です。 
子供の姓は、結婚後の出生児は父親の、結婚前の出生児は母親、
父親が認知した場合には父親、又は父母の姓両方と、法に定められ
ています。また、母親が前夫との子を連れて再婚した場合も子供の
姓は変わりません。つまり夫、妻、妻の子3人が家族として生活して
いるにもかかわらず、それぞれ違う姓を名乗っています。そこに
さらに子供が産まれた場合、兄弟別姓となり、必然的に父親が違う
と公表する形となります。ここでは父親のみが自分の姓を子供に与
えることが出来るのは平等ではないとの声も挙がっていますが、未
だ、母親は未婚で出産しない限り、自分の姓を継がせることが出来
ません。 
夫婦別姓賛成の方々は、子供の姓をどのようにするべきだとお考え
なのでしょうか。父母の姓連記、と言うのが理想のように思われる
かもしれませんが、例えば、鈴木-田中さんと、加藤-佐々木さんの
子は、鈴木-田中-加藤-佐々木さんとなり、次の世代は8つの姓の連
名となっていくか、どれかを削除するかの選択をせざるを得なくな
っていきす。 
私は、同姓を望む夫婦は今まで通り、同姓とし、別姓を望む夫婦は
、パスポート、戸籍などの正式書類は夫婦共にお互いの姓を独身時
代の姓の後に連記し、職場など、通常は独身時代の姓のみの表記に
すれば、と思います。 
因みに、私は結婚9年後である去年、一時帰国した際に、夫の外国姓
に改姓できることを知り、家庭裁判所の許可を受けた後、改姓しま
した。 
理由ですか? 
通常生活しているイタリアにおいて、(日本では、外国人は戸籍の中
に入れませんので、子供は日本人親の姓となります。イタリアでは
父親と同姓です。)4人家族のうち、1人だけ別姓というのは、家族全
員が同姓を名乗る日本に育った私にとっては、何となく疎外感を感
じてしまうことと、両国籍を持つ子供達が、日本の戸籍上は母親の
姓、イタリアの戸籍上は父親の姓となり、これからの国際社会、様
々な証明書が日本発行かイタリア発行かに依って記載名が違い、
これが同一人物であることを証明するための書類をいちいち作成し
なくてはならないのは実際的ではないと判断したからです。
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(Fのコメント)
子供の姓についての議論が日本では、欠けているように思いますね。
私も、イタリアの実態を見ると、別姓に反対ですね。通称でいいの
ではないでしょうかね。日本は女性・男性どちらの姓でも選択可能
ですから、前のイタリアより柔軟性があるように思う。
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「夫婦別姓議論」考 辻本  URL 2001/11/24 11:02 
   
夫婦別姓問題については、日本と韓国の家族法制と創氏改名に関心
をもつ者として興味があります。 

 1970年代から女性解放論者(ウーマンリブとかフェミニズムとか
云います)から、結婚すると女性が男性側に名前を変えるのは女性
差別だ、という主張がなされてきました。 
 しかし日本の戸籍法は、男性か女性かどちらかの名前にせよとあ
るだけで、女性差別的なものはありません。実態として、98%以上
の女性が男性の名前に変えています。これを差別だというのなら、
法律ではなく社会が差別的だということで、法律を変えても意味が
ないものです。 

 韓国では周知のように夫婦別姓ですが、これは私のHP(URL
)の第30題で指摘しましたように、厳しい男尊女卑によるものです。 

 夫婦別姓を主張する方が、どのような考えに基づいておられるの
かは分かりませんが、家族内のことに公権力があまり立ち入るべき
でないという考えから、選択的夫婦別姓も構わないと思います。 
 ただし法が成立しても、ほとんどの方は夫婦同姓を選ばれるだろ
うと予測できます。 
 また別姓を選択されても、おおかたが家族の代表者は男性となり
ますから、ガス・水道・電気・家賃等の契約は男性の名前でするだ
ろうし、自治会やマンション管理組合等の名簿にも男性の名前が出
ることになるでしょう。それがほとんどだろうと予測できます。 

 夫婦別姓問題を女性差別解消という観点から議論することは、意味
がないと考えます。 
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Re:通称使用ではなぜいけないのかわからない コスモス   
問題なのは「保守の人々を逆差別する格好の口実になる」というこ
と。「別姓はイヤ」という人々を「法律でも認められているのに、
そんなことを考えるのは差別だ、謝罪と反省をしる!」という連中
が必ず現れる。 

 日本では法哲学についてろくに教えられることが無い。だから法
の理念が無いまま法を利用することしか考えない人ばかりになる。
つまり、悪用されても有効な反論が出来ない人達が多くなり、そう
いう人達を保守・時代遅れと呼んで馬鹿にする愚か者がのさばるこ
とになる。基本哲学が浸透していない社会では、時代遅れという
侮蔑はそれ以上の反論を許さない効果を持っている。 

「夫婦別姓を推進する人々は、それを快く思わない人達の人権を守
る気はあるのか?」と問いたい。 

 そもそもこのような瑣末な法案審議が、この未曾有の国難に見舞
われつつあるこの時期に大真面目に取り上げられること自体愚かだ
。少なくとも夫婦別姓があと五・六年遅れようとも、それで生活が
立ち行かない人々などいない。そう、国政を論じる優先順位が狂っ
ているのだ。 

「別性はイヤ」という人々を、推進する人々がその権利を守る気が
あるのならば、夫婦別姓などご勝手に、といいたい。その最大の障
害が、「国民に法理念・哲学が無いこと」なのだ。 
 これを解決する気が、改革を標榜する人々にはあるのだろうか?
それが無いという限り、立法によって国民の幸福を追求する、など
という言葉は口が裂けても言えるものではないだろう。 

 いいかえてみると、こうした類いの法案議論は、その国民の法理
念の成長度を示すよい試験紙なのかもしれない。 
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      選択的夫婦別姓制度なんですよね Dober   
   
「選択的」というのですから、夫婦で話し合って、その夫婦の価値
観で決めればいいということです。 
強制的別姓でもなければ、強制的同姓でもないということならいい
じゃないですか。家庭志向の妻もいて、それを良しとする夫もいる。
キャリア志向の妻もいて、それを良しとする夫もいる。 
「選択的夫婦別姓制度」に反対する人たちは、何に反対し、何を恐
れているのでしょうか。家族崩壊や有職女性増加のための少子化を
恐れているのですか。それなら、この法案を廃止したところで、何
ら止められるものではないのではないでしょうか。 
今、そしてこの法案に反対している人たちが守ろうとしているもの
、恐れているものは、本当は何なのでしょうか。 
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Re:通称使用ではなぜいけないのかわからない アルルの男・ヒロシ
 はじめまして。 
夫婦別姓については反対です。というか、単に「通称使用」をオッ
ケーにすれば良いんではないかと思います。 
夫婦別姓ではないですが、韓国ではお父さんとお母さんとの性が違
います。そのことによって離婚した場合、子供の性の選び方にも色
々問題が出ているようです。 

男女共同参画社会の達成のためなら、仕事での通称使用でなぜダメ
なのかと思います。 
あと「女は家庭」はおかしいと言いますが、女性の全てがキャリア
志向と言うわけでもないでしょう。ラクチン主婦志向のヒトも多い
と思います。統計資料を無しにこういうのは失礼ですが・・・。 

別に男は職場・女は家庭を固定化しろと言うつもりはないですが、
案外それで上手くいっているのではないかと思います。 
まあ保守政党ですから「家庭の価値」について言うのは当たり前っ
て気もします。保守政党がフェミニズム・ジェンダー反対というの
は政治思想的に適っているわけです。 

私もフェミニズム反対(というかすでに男性への逆差別となってい
る)ですから無論そう言う面からの反対論も支持します。 
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夫婦別姓がなぜいけないのかわからない としほ  
はじめまして 
毎度、国際戦略コラムを楽しみにして拝見しております。 
また、その内容のレベルの高さとわかりやすさに感心しております。

そこで、夫婦別姓反対行動に立ち上がろうの記事を見て私のような
若輩者でも少々意見がございますので急遽意見をUPさせていただき
ます。 

私は、将来の日本は多様性に寛容であるべきとの立場から夫婦別姓
には賛成であります。 
しかも、これは、未来的に母性家系を日本に根付かせる機会にもな
るかもしれないと肯定的にとらえています。 

そこで記事の中で 
<反対意見のポイント> 
○世論調査を見ても、国民の大半は夫婦別姓を望んでいない 
○夫婦別姓という重大問題につき、党内での十分な時間をかけた議
 論なしに、拙速に結論を出すべきでない 
○自民党は、フェミニストや社民・共産党が中心的に推進する法案
 の片棒を担ぐべきでない 

とありましたが、この点につき
"国民の大半は夫婦別姓を望んでいない" 
については、少数意見だから、先見性がない、とはいえないのであ
ってむしろ議論すれば、充分、同意を得る可能性があります。 
多数派だから、それが将来的に国益にかなうとは、いえません。 

"夫婦別姓という重大問題につき、党内での十分な時間をかけた議論
なしに、拙速に結論を出すべきでない" 

これは、私の記憶だけでも、だいぶ前から"夫婦別姓"ということは
議論されていたと思います。
むしろ"テロ対策法案"などに比べたら充分すぎるくらい時間がかか
っています。 

"自民党は、フェミニストや社民・共産党が中心的に推進する法案
の片棒を担ぐべきでない" 

これはいったいなにをいわんかです。 
自民党は、反社民・反共産党であればいいという存在でしかないの
でしょうか? 
政権与党として、どこの党だろうが国益にかなうものであれば、
いい政策は良いと言うべきものではないでしょうか。 

単なる反フェミニズムの立場からの意見としか受け取れません。 
具体的に夫婦別姓がなぜいけないのかを上げてほしかったと思いま
す。その上で、その意見について討論すべきことだと思います。 


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