735−1.世界の動向



世界の動向を見ておこう。   Fより

最大のエネルギー会社エンロンの倒産で、心配なのはデリバティブ
の連鎖反応であろう。5兆円の負債が発生した。エンロンとの取引
銀行や取引を行った企業が巻き込まれることになり、米国の複数銀
行に飛び火するのは避けられないようだ。メリルリンチの業績も急
下降している。このままであると、米国の銀行・証券も不良債権の
山ができ、日本と同じようになる可能性がある。エンロンの日本の
銀行での負債総額は1000億円とのことであるが、米国の銀行は
大変であろう。

米国銀行に火が付けば、中南米の面倒は米国の銀行は見ることがで
きなくなり、投資の引き上げになる可能性が出てくる。そうすると
アルゼンチンは、デフォルトになって、海外債権を発行できない状
態になる。そして、次にはブラジルが続いている。日本へ来ていた
外資も総引き揚げになる可能性がある。日本の不良債権企業を買っ
てくれないことになる。日本は自力更正しかない。

このため、ケインズ経済の国家投資の拡大を行う。米国の場合は、
日本と違って、公共事業に投資するのではなくて、戦争に投資する
のです。予算も当分の間、赤字財政にすると宣言している。

米国としては、アルカイダの撲滅が見えたので次の戦争を起こし、
国民の目を経済から海外に向ける必要がある。北朝鮮も、そのター
ゲットに入っている。朝銀の整理、総連の捜査はそれを示している
。ソマリア、イエメン、フィリピンの非対称戦でかつ小さい戦争に
比べて、イラクや北朝鮮は通常戦争で戦いやすいし、規模がでかい
。消費する弾丸の量や使用兵器の質が違う。このため、ケインズ主
義からすると、大きな戦争の方が効率いいのです。

ロシアは、米国との共同戦線を引き、エネルギーの売り込むをする
のであろう。アフガニスタンにも、ロシア兵を派遣して、カブール
はロシア人の街にするべく、北部同盟に米英軍や多国籍軍の派遣を
拒否させている。米国が料理する人、食べる人はロシアの構図にし
た。プーチン大統領の戦略構想に米国も手玉に取られている。カス
ピ海とパキスタンの石油パイプラインについても共同で敷設するよ
うである。
日本とロシアの関係も、決着した。
日本への2島返還をロシア外務省がサハリン州に説明したようなの
で、確定した。これで、サハリンの天然ガスの開発とパイプライン
の建設が促進する。

YSさんの情報によると金争奪戦となる??
アフリカの金の争奪戦、米国と欧州の争いになる。日本は蚊帳の外。
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アフガニスタンはこれからが正念場 一言居士   
やはりパシュテゥーン人の扱いが、焦点となっているようです。
パシュテゥーン人はアフガニスタン建国以来、政治を支配していま
した。 

 アフガニスタン王国はペルシャの首都イスハハンを一次占領した
他(この戦いの結果として西部のヘラートを獲得した)、また、イン
ド方面にも進出しようとして、英国勢力と戦いました。その結果パ
シュテゥーン人の居住地域は二分され、半分は英領インドに組み込
まれました。 
 これ以来パシュテゥーン人の支配するアフガニスタンにとって、
パシュテゥーン人の多くすむ土地(パシュテゥニスタン)を取り返す
ことが悲願になりました。40年代にはパシュテゥニスタンの建国が
宣言されましたが失敗しました。60年代にはパキスタン国内のパシ
ュテゥーン人と領土問題で、パキスタンとの関係が緊張したことが
あったようです。 

 しかし、パシュテゥーン人主導の政治体制はソ連の侵攻と今回の
アメリカの攻撃で変わってしましました。ソ連はこの国の民族問題
を利用し、少数民族に武器を渡して先兵として使いました。統一イ
スラーム戦線(北部同盟)のドスタム将軍はもともとソ連の傀儡であ
るナジブラ政権の将軍でした。また、対ソ連ムジャヒリンの中で、
大きな戦功をタジク人のラバニ大統領、マスード司令官、イスマイ
ール・ハーン司令官らがあげたこと、イランの支援を受けたシーア
派の勢力が拡大したこと等です。ソ連軍撤退後もパシュテゥーン人
の支配が容易に復活しないことは明白でした。 
  
 パシュテゥーン人のヘクマチュアル首相らは、ラバニ大統領派が
占領したカブールを攻撃するなどしていましたが、この派が国際テ
ロに関わっていたという疑惑もあり支援していたパキスタン・米国
にも見捨てられ、タリバーンの登場となるわけです。このタリバー
ンですが突然現れたのは隣国が支援していたのは自明の事実です(今
回でも西部のイスマイール・ハーン司令官の部隊は一体どこから現
れたのかな)。さてこのタリバーンも、今回のアメリカの攻撃で崩壊
寸前です。 

 新体制の中でパシュテゥーン人が指導権を発揮できなければ、こ
の国の不安定要因になります。彼らはパシュテゥニスタンの建国を
目指すでしょう。このことは同じくパシュテゥーン人の人口を抱え
その他にも多くの民族問題を抱えているパキスタンにとっても無視
できない問題です。 
 こんなことはどこの国も分かっています。ただ、ムジャヒリーン
のパシュテゥーン人勢力を支援したが結局、ヘクマチュアル派とタ
リバーンに裏切られたアメリカは彼らを信用していません。そこで
、元国王派を担ぎ出したわけですが、30年前に国を追われて以来、
対ソ戦にも直接参加していない。今回の戦いだって参加していない
人に統治能力があるのでしょうか。アメリカにもアメリカにも向か
ってこないが同時に統治能力もないでは先が心配です。  

 強力になりすりた、統一イスラーム戦線(北部同盟)、特にタジク
人(古い漢籍では大食人)に対するカウンターバランスとして元国王
派だけでなる多くの勢力を参加させた方がいいのではないでしょう
か。 

 今はイラク攻撃などしている場合ではないでしょう、この問題の
後始末を付けるのが大事ではないですか。 
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アルゼンチン、エンロン。それにメリルリンチもなにやら騒々しい。 
やはり壊すのかな??   YS

「ゴールド」をめぐって戦争勃発。 
至急分析を急ぐべし。 

■COMPANIES & FINANCE ASIA-PACIFIC: AngloGold lifts Normandy 
bid MINING SOUTH AFRICAN GROUP'S SHARES FALL AFTER SWEETENER 
TO OFFER FOR AUSTRALIAN COMPANY: 
http://globalarchive.ft.com/globalarchive/article.html?id=011130001468&query=AngloGold#docAnchor011130001468 

■Thursday November 29, 12:20 pm Eastern Time 
Normandy battle heats up, AngloGold hikes bid 
http://biz.yahoo.com/rf/011129/syd125338_3.html
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Re:エンロン破綻の衝撃波と戦争経済 MN   
 私のようなものの意見で良ければ・・・。 
まず、アルゼンチンかと。 
エンロンにしろ、アルゼンチンにしろ、米国で行き場のなくなった
マネーが行った先ですから。ブラジル・メキシコ。投資銀行は最後
ですよ。 
でも、「夏前に承認していた」というのは面白い意見ですね。 
エンロン債の日系証券のMMFへの組み込み時期は、夏です。みずほの
融資もじゃなかったでしたっけ。更に、中南米のサムライ債の発行
時期も夏がピーク。(因みに、エンロンのケネス・レイ会長は、ブ
ッシュとリンゼーと仲いいらしいですね。) 
今日の日経平均の300円下げ。主なのは、銀行・ハイテク。 
これが、投げ売りか空売りかで、今後の展開は大体読めると思いま
す。日本を追いつめ、ロイヤル・ベイビーを短期に過剰流動性を供
給させる。日本国債を中心とした日本の金融機関の不安再熱とこの
お宮誕生効果がどのような緊張関係で、相場を創り出していくのか
?見物です。 
大切なのは、ふんいき作り。マスコミの力が大切。 
ただ、日銀の預金準備比率は増大している。個人投資家に国債を買
ってもらおうとしている。因みに、国債先物には、ヘッジ・ファン
ドが空売りしかけてます。でも、国債は、今、約140円。100
円で売り出した物が140円なんですから。日本の体力も結構すご
い。しかも、日本国債は、ロンドン市場に上場されている・・・。 
私は、日米平行の金融路線をちゃんと見ておかないと思ってますけ
ど。今の私には、これぐらいなんです。 
しかしながら、YSさん、復活待ってました!! 
いきなり、ぶっとんでますね。 
金の分析したいんですけど、私の調査力では、ちょっと・・・。 
金の相場的には、ここ中期では、鉱山合併に伴うオーバーヘッジの
解消とエンロンが押し上げ材料だそうです。 
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 エンロン破綻の衝撃波と戦争経済 まじなおじさん   
 エンロン破綻を米国上層部は夏以前に承知していたのだと思う。 
急速な戦争経済への移行は種も仕掛けもあるのと違うだろうか? 
デリバティブの損失等を合わせると負債総額は天文学的数字となる。 
電力等国家の基幹を一民間企業に委ねた結末がこれから米国で始まる。 
米国は国家の利益を最優先するだろうから戦争経済化をますます進め、 
特に日本に対してまたまた理不尽な要求を突きつけることだろう。 
狼煙はすでにWTC、エンロンと2つ上がった。 
3つ目はアルゼンチンデフォルトかそれとも米国銀行の破綻か? 
どなたか解説をお願いしたい。 
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Re:エンロン(長くてごめん) YS   
 エンロン・ショックの影響を強く受けたのは日本の金融機関でしょ
うね。しかもその見返りも期待できそうにない。 
ただしエンロン自体はまだ何とも言えないですね。 
JPモルガン・チェースとシティグループが主幹事となって総額
15億ドルの再建融資がまとまったようなので、この二行の影響力
が強まるとの見方もできます。 

以前から気になっていたのが、エンロンの大株主であるベルファー
家の存在です。海外でもほとんど話題になりませんが、一族が経営
するベルコ・ペトロ・コープ(BPC)は、今年8月21日(夏)
にウェストポート・リソーシズ・コーポレーションに買収されてい
ます。 
そして買収後のウェストポートにはベルファー家から3人の取締役
が選ばれています。BPCは、ゴア候補への大口の献金者としても
知られています。 

■Oil & Gas 
Oil & Gas Industry PAC & Individual 
Contributions to Bush & Gore, 1999-00* 
http://www.opensecrets.org/news/oil/pres.htm 

ベルファー家もそこに嫁いだルーベン家もユダヤ人です。 
クリントン前大統領やアンドリュー・クオモ前住宅都市開発長官 
(奥さんはケリー・「ケネディ」・クオモ)にも近い存在です。 

下を比較すると面白いですよ。 
ケネス・レイ会長はコンパックの方がいいようです。 

■Roster of Insiders and Form 144  ※Updated 25-Jan-01 
http://biz.yahoo.com/t/in/e/ene.html 

■Insider: BELFER, ROBERT A 
http://biz.yahoo.com/t/43/1182.html 
■Insider: BELCHER, LYNN S 
http://biz.yahoo.com/t/22/6994.html 
■Insider: RUBEN, LAWRENCE 
http://biz.yahoo.com/t/99/1270.html 
■Insider: BELFER, LAURENCE D 
http://biz.yahoo.com/t/69/632.html 
■Insider: LAWRENCE RUBEN FOUNDATION 
http://biz.yahoo.com/t/33/7154.html 

■Insider: LAY, KENNETH L 
http://biz.yahoo.com/t/87/2529.html 

下のサイトは比較的信頼できるところです。アルゼンチンにも触れ
ていますよ。 
これも随分前におくやまさんのところに入れたような。。。 

■Enron: Facts and Figures 
http://www.corpwatch.org/issues/politics/background/2000/enronfact.html 

Top Individual Stock Holders 

BELFER, ROBERT A., 1.18% (PRX 03-21-2000) Common Stock 
BELFER, ROBERT A., 17.02% (PRX 03-21-2000) Preferred Convertible
 Stock 
Office Address: Belco Petro. Corp. 67 5th Ave., 46th Fl. New York,
New York 10153-0002 
Age: 64 
Director since 1983 Mr. Belfer's principal occupation is Chairman
and Chief Executive Officer of Belco Oil & Gas Corp., a company
formed in 1992. Prior to his resignation in April, 1986 from Belco
Petroleum Corporation ("BPC"), a wholly owned subsidiary of Enron,
Mr. Belfer served as President and then Chairman of BPC. (Proxy
Statement, March 21, 2000) 

RUBEN, LAWRENCE, JR., ET AL, 1.43% (PRX 03-21-2000) Common Stock 
RUBEN, LAWRENCE, JR., ET AL, 22.06% (PRX 03-21-2000) Preferred
Convertible Stock 
Married to Selma Belfer (see above) 
Office Address: 600 Madison Ave, New York, NY, 10022-1615 

US Political Connections 

As of June 2000, Enron had contributed $10,265 to Sen. Slade 
Gorton 's Campaign (Center for Responsive Politics) 

As of January 2000, Enron had contributed $99, 750 to George 
W. Bush's Presidential Campaign - the 11th largest contributor
to Bush's campaign (Center for Responsive Politics) 

Kenneth Lay contributed a total of more than $100,000 to Bush's
gubernatorial campaigns of 1994 and 1998, this made Lay's Bush
top 21st individual donor (Associated Press, April 7, 2000) 

Kenneth Lay and his wife, Linda contributed $76,000 to the
Republican National State Elections Committee since 1997 
(Associated Press, April 7, 2000) 

Enron's total lobbying expenditures for 1998 were $1,600,000 Of 
this, $200,000 was lobbying expenditures for Enron Wind Corp.
(Center for Responsive Politics) 

Enron hired former members of Pres. George Bush's Cabinet, 
Secretary of State James Baker and Commerce Secretary Robert
Mosbacher in 1993 to help develop overseas projects. 
Mosbacher had served on the board of Enron in the 1980's 
(The New York Times, February 23, 1993) 

New Jersey State Attorney General is accusing Enron of violating
state laws that prohibit some energy providers from making 
donations to politicians (Megawatt Daily, March 27, 2000) 

Foreign Political Involvement 

In order to get approval from the British Government to purchase one
 of Britain's largest public water utilities, Enron funneled "Labour
almost pounds 30,000 in the last two years" (The Independent (London)
, September 11, 1998) 

Shortly after his father won the US Presidency in 1988, George W. 
Bush called the Argentine Minister of Public Works, Rodolfo Torragno
 to pressure him to accept Enron's "laughable" bid for a large 
pipeline project. (Mother Jones, March 1, 2000; The Nation, November
 21, 1994) 

There were accusations in Panama that Enron was using it's influence
 with Energy Minister Luis Carlos Valenzuela to force the state oil 
company to sign a "sweetheart deal" with Enron to export natural gas
 to Central American (Latin America Energy Alert, December 8, 1999; 
The Nation, May 22, 2000) 

"Gas giant Enron Corp.'s plan to develop Mozambique's Pande natural 
gas field appears to have been saved from cancellation last month by
 a blunt threat from the U.S. National Security Council to cut off 
future U.S. aid to the country." (The Oil Daily, December 1, 1995) 
Enron beat out South Africa's state petroleum company, Sasal to 
build the pipeline in 1995 and recently sold the gas and oil rights 
to Sasal. 

エンロンの救済でカーライル・グループの名前があがっていました。 
これはエンロンとジェームス・べーカー元国務長官、財務長官(プラ
ザ合意)の関係からでしょう。 
また下を見るとやはりチェース・マンハッタンとの関係が強かったよ
うです。以前から人的にもエンロンとチェースは結合しています。 
『破綻させたのはチェースで、救済に入るのはJPモルガンでしょう。
』注目はAl Rajhi Banking Saudi Arabiaでしょうね。 
おそらくBCCIにも関係していると思います。 

■Enron lists assets,debts and creditors in court filing 
http://biz.yahoo.com/rf/011202/n02261232_1.html 

Affiliates listing unsecured claims of at least $100 million are: 

Enron Corp. 
Chase Manhattan Bank Houston-------Note $1.907B 
Citibank NA------------------------Loan $3.000B 
Bank of New York-------------------Note $2.450B 

Enron Metals 
Al Rajhi Banking Saudi Arabia------- Financ'l $0.101B 

Enron NA 
Barclays Bank plc London------------Trade $0.126B 
Chase Manhattan NY and London-------Trade $0.185B 

Enron Energy 
Risk Mgmt & TradingHouston----------Trade $0.126B 

キーマンはズバリこの方でしょう。 
以前から何度も紹介してきました。ビッグ・リンカーです。 

WAKEHAM, Lord (ウェイカム卿) 

Director, Azurix Corporation(エンロン・グループ) 
Director, Enron Corporation (USA) 
Director, NM Rothschild & Sons Ltd 
Director, Rothschilds Continuation Holdings AG 

小泉さんは7日から3日間の日程でEU首脳との会談のためベルギーを 
訪問するようですね。きっといい情報が入ってくるでしょう。 
アメリカは少し異常です。距離を置いた方がいいでしょうね。 
今一番追い込まれているのはアメリカの愛国心あふれる集団じゃない
でしょうか。いくら頑張ってもすでに動き始めた「波」に逆らうの
は危険です。 
==============================
Re:対テロ戦争絡みでしょうか? ふる@鶴川   
   
軍事アナリストの「神浦 元彰」氏HPでは、そのような解釈のよ
うです。 
http://www.kamiura.com/new.html 

「[要約]警視庁は朝鮮銀行・東京信用組合の融資をめぐる不正流
用疑惑で、朝鮮総連の中央常任委員で元財政局長の康(カン)永官
(66)を業務上横領で逮捕した。 

[コメント]この康(カン)永官なる人物が、どれほど北朝鮮にとっ
て重要な人物なのか、じっくり新聞を読んで考えて頂きたい。今ま
で日本から北朝鮮に、莫大な送金を行ってきた中心的な人物である
。これで北朝鮮は日本からの送金ルートが断たれた。金正日体制は
太い補給路を切断されたのだ。私はこの逮捕はアメリカ政府の強い
指示があったと思っている。今まではいくら証拠があっても、政治
的判断で日本の司法当局は手が出せなかった。それがアメリカが同
時多発テロ以降に強化した「国際テロ組織を資金の流れで封じる」
作戦で可能になった。その意味では、ついに北朝鮮に対するアメリ
カの攻撃が始まったと考えていい。ブッシュ大統領の対テロ戦争宣
言に、北朝鮮がますます緊張を高めのは間違いない。」 

 あんまり追い込み過ぎると国家ごと自爆テロに走る懸念がありま
すが・・・ 
 面子を米国につぶされていきますから、その点で政権維持を軍に
依存しているので、軍内部の強硬派をどこまで押さえられるかが
今後のポイントですね。 
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11/29 23:45 地元に2島返還方針を報告 条約で条件確定とロ外務

 【モスクワ29日共同】北方領土交渉に絡み、ロシア外務省が地
元サハリン州に対し、一九五六年の日ソ共同宣言に基づき歯舞、色
丹の二島返還で最終決着させる方針を表明、同時に平和条約で二島
返還の具体的条件を確定すると報告していたことが二十九日分かっ
た。                            
 ロシア外務省が地元に二島返還の方針を公式に表明したのは初め
て。                            
 報告は四島を管轄する同州議会で九月に開催された領土問題に関
する公聴会で外務省代表が行った。報告の全容は最新号の外務省通
報で公表された。                      
 外務省側は返還反対論が根強い同議会に対し、二島返還を明記し
た五六年宣言の履行が「義務」と述べ、不可避であることを強調。
一方で二島返還が「最終決着」と指摘した。          
 また条約締結後の二島返還を規定した宣言の第九項について、代
表は「平和条約で返還条件を明確に規定する」と指摘。日本側との
間で「軍事、経済、社会面でのロシアの利益」を守るため「真剣で
原則的な交渉を行う」と述べた。               
 二島返還の場合は、さまざまな条件整備を日本側に要求すると公
約することで、地元の反対論を和らげる狙いとみられる。    
(了)  011129 2345              
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経営危機の米エンロン、債務総額は約5兆円か〔日本経済新聞〕 
【ニューヨーク30日共同】 
経営危機に陥った米エネルギー大手エンロンはデリバティブ(金融
派生商品)など複雑な取引を手掛けており、米金融関係者の間では
、その簿外債務は270億ドルに上り、帳簿上の債務と合わせると400
億ドル(約4兆9400億円)以上になるとの見方が出ている。 
同社は電力、天然ガスの先物取引、天候デリバティブなど取引を多
様化させており、巨額の簿外債務はデリバティブ取引関連との見方
が有力。 
また、前最高財務責任者(CFO)らが運営していた2つの投資組
合を利用して簿外でリスク軽減の取引を行い、結果的に多額の損失
を出した。 
エンロンは30日も米連邦破産法11条(日本の会社更生法に相当)適
用の申請に向けて、社内で協議を続けたもようだ。 
一方、エンロンの欧州法人エンロン・ヨーロッパ(ロンドン)は同
日までに、大手会計事務所のプライスウォーターハウス・クーパー
スを管財人に選定、本社とは別に法的整理に入ることを決めた。  
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アルゼンチン、預金の引き出し制限へ〔日本経済新聞〕 
【サンパウロ30日=窪田淳】 
経済危機に陥っているアルゼンチン政府は外貨準備高の目減りに歯
止めを掛けるため、銀行預金の引き出しを制限する。ロイター通信
が30日、同国中央銀行筋の情報として伝えた。通貨切り下げ憶測を
打ち消す狙いから自国通貨建て預金をドル建てに置き換えることも
検討。これらを柱とする緊急対策を1日にも正式発表する。 
同国では経済の先行き不透明感から、国民が銀行預金を引き出した
うえ、ドル買いに走る動きが加速。外貨準備高は過去2カ月間で約
250億ドルから約200億ドルに減少した。政府は近く、現金引き出し
を月額で1000ペソ(1000ドル)までに制限。クレジットカード、デ
ビットカード、小切手による決済を促し、ドル買いのための資金が
市中銀行から流出するのを防ぐ考えだ。さらに、ペソ建ての預金を
名目上、ドルに置き換えることで、通貨切り下げ懸念を鎮める。事
実上、通貨システムの一部をドル化することになる。 


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