731−1.全体組織と部分集団の最適化について



全体組織と部分集団の調和について考える。  Tより

TOC理論が既に紹介したが、全体組織と部分集団の調和とはどう
すれば、いいのであろうか??
部分が強いと独立した状態になり、同じ事を複数箇所で行い、全体
の統制が強いと個人の自由な発想を潰すことになる。

そして、本当に個人の自由な発想などあるのであろうか??
ほとんどの人は自由な発想をしていない。発想をするためには、い
ろいろな法則を知ることや異分野を知って、多様な物の見方ができ
ないと、本当の意味での有効な発想はできないのではないか。

多様な物の見方ができるようになるためには、多様な人との交わり
や多様な分野の本を読むか講演を聞きに行くことが必要だ。このよ
うなことをするのは、個人的な趣味でいろいろな分野に興味をしめ
した結果でしかできないような気がする。
会社だけの人生であると、付き合う人が狭い範囲になり、物の発想
としては、貧弱になるようだ。

発想力のない会社は統制力を強くしても、あまり影響がない。それ
より、外部からの人材を入れて、発想の範囲を広げる必要がある。
また、個人の交際範囲を広げる機会を、ある程度の専門知識ができ
た時点で、与えることが必要である。異分野のお客との接触や異分
野の部門に出向させるなどの経験であろう。

しかし、基礎は異分野の知識の習得である。このためには、本や
WEBでの知識習得は有効である。いろいろな情報があるインター
ネットの価値は大きい。また、専門外分野のMLに参加するのも、
いい刺激になる。どう、有効にインターネットを使うかが重要にな
っている。このコラムはその一環になってほしいものである。
海外・国内の情報を皆さんと収集して、このコラムを智力のDBと
したいですね。

発想力のある組織、発想できる人がいる組織は、発想力のある人を
中心に組織を作る必要がある。発想とは個人的な能力と経験が重要
であり、そうそう簡単にはできない。井深さんの着眼力がソニーを
あそこまで大きくした原動力ですし、松下幸之助がいたから、松下
は、大きくなったのです。それを、日本企業は忘れている。
井深さんに比べててもしょうがないが、凡庸な経営者では企業を維
持しようとして、逆に潰す危険が出てきている。日本人の経営者の
企業維持指向が、経営をダメにしているような気がする。
他と違う製品を果敢に作り、その姿勢を維持する必要があるのです。

これは、知的生産の生産効率を求められる時代になり、同じ事を
繰り返しやっても、すぐに追い付かれて、低価格になって、儲けが
でない社会になっているためであると思う。

部分の効率が重要な時には、分社するのも必要であろう。
部分最適は、しかしシナジー効果を失うが、部分効率は大きい。
全体最適には、統制するサイドに有能な指揮者が居る時、大きな効
果が出ることになるが、それ以外の時は、責任が明確化しない。

今、日本は全体と部分のもたれ合い、責任の不明確が起こっている
ため、分社やカンパニー制を導入しようとしている。まあ、この2
つの間をぐるぐる回ることになるのでしょうね。


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