730−2.有効需要を増やそう



724−1.有効需要を増やそう:の中のFさんのコメントについて
 
>お金の総量を増やしても、供給サイドが日本ではなく、中国にシ
フトしていると、日本の経済循環がなくて、中国にお金を取られ
だけになってしまう。よって、日本経済は沈下したままとなる。<
 
本当にそうなのだろうか?
日本国内における総需要のうち、中国国内で発生した第1次産業、
第2次産業のもたらした財貨の占める割合は、一体いか程あるので
しょうか?
 
適当な統計がないので、下記のHPから想像すると
http://www.daito.ac.jp/~nakamoto/japanafter99/991013.html
http://www1g.mesh.ne.jp/urc/data/data1.2.7-2.html
日本の産業構造の中で、第1次産業と第2次産業の占める割合が
減少して第3次産業が6割以上を占めている。

産業の空洞化によって、日本の製造業の多くが中国にシフトしてし
まったが、すべての製造業がシフトしたわけでもなく、環境問題の
国際化によって生まれつつある循環型社会の構築による新しい産業
構造の発生など、新生日本の方向性が定まりつつあります。
 
いまこそ内需を喚起する財政出動が必要であり、内需拡大による新
しい産業の勃興が期待できる時期はないと思われます。
一部の中国に流れるお金だけに目が向くと、大局を見失うおそれが
あります。

金融監督庁の公表した2000年3月の金融機関の
債権総額  673兆円
問題債権  151兆円 この構成比率22パーセントにも及んで
います。
http://www.hi-ho.ne.jp/yokoyama-a/furyosaiken.htm
更に一年半が経過して、問題債権の額はかなり増加しているものと
思われます。動脈硬化がすすんでいます。
日経ビジネス2001.11.26号のタイトルは「恐慌 正面突
破 史上最悪の危機はこう乗り切れ」となっています。
http://nb.nikkeibp.co.jp/nbe/view.jsp?place=F/index_back_number/20011126/1
日経は、恐慌を避けえないものとして捉えているようです。

デフレ解消には、大規模な財政出動以外にないことは歴史が証明し
ています。小泉さんの構造改革によって恐慌を起こせば、日本の経
済が立ち直るなどということはないのです。
小泉さんの構造改革で、日本の破局が確実になるだけです。
12月から来年にかけて、日本全国に倒産の嵐が吹き荒れることに
なりそうです。
tanaka
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(Fのコメント)
田中さんの議論はすでに、1990年の米国で行われている。
米国は、日本の工業製品の攻勢で製造業の空洞化を起こし、この時
、サービス産業があるから米国は大丈夫であるという論が流行った。

しかし、その議論に対し、ローラ・タイソンはサービス業の労働賃
金は製造業の賃金に比べ、50%から60%しかないために、労働
者が消費者でもあるから、労働賃金が低いと米国全体の消費を落と
して、米国全体のGDPが減少することになると、警告している。
このためサービス産業国家というのは衰退すると。

このため、タイソンを委員長とした国家経済戦略会議で、製造業の
再生を行うのです。米国は軍事技術の民間転用という打出の小槌を
発見し、インターネット技術・イメージセンシング処理(シリコン
・グラフィックス)・GPSなどを民間に開放するのです。特にイ
ンターネット技術では、米国企業独占の状態が10年間も続いた。
やっと10年を経て、日本がインターネット技術に追いついた状態
になったのです。
この間、米国のシスコ、HP、オラクル、SUN、マイクロソフト
などは膨大な利益を上げ、その余剰金をベンチャーに投資したため
、ITバブルが発生するのです。

業種毎のGDPでは製造業24%、サービス業17%と従業員数で
はサービス産業の方が多いのにもかかわらず、製造業の方がGDP
が大きい。労働賃金も製造業の方が高い。付加価値も大きい。サー
ビス業は低価格圧力が高い。デフレ圧力も大きいのです。この頃、
デパートまで1万円のスーツを売り出している。

それと、日本人が金がないわけではないことは、テロ後、国内旅行
に戻ってきているなど消費は依然、旺盛である。それと、シルバー
世代の消費傾向が変化してきている。消費を積極的にすると言って
いる。
http://bbs11.otd.co.jp/1101539/bbs_plain?base=44&range=1

このように国内で金が回れば、通貨量としては増加することになる
ので、国内消費・国内供給の増加は、いい方向である。

ただ、買うものがない。ユニクロの服ももう充分あり、100円シ
ョップの品物も、買ってしまった。低価格品はもういいということ
で、ユニクロの売上も落ちている。そして、低価格製品はほとんど
海外の製品である。今日本は、このような低価格低付加価値の製品
の製造では中国に負ける。日本供給品としては高付加価値の製品や
サービスを作るしかない。

日本のシルバー層は、お金を持っている。この人たちはいい物があ
れば、お金を使う。1400兆円の金があるのですから。
このためには、よりよいサービスや高付加価値の商品、国際競争力
のある製品を開発して、この層に買ってもらいしかない。

米国ですが、とうとう10年で競争力をなくした。このため、再度
軍事技術研究に資源を振り向けるようだ。IT技術者の軍事研究転
用になるのです。日本はインターネットでやっと追い付き、付加価
値のある製品を開発する所です。燃料電池も日本の得意な分野であ
り、トヨタとホンダが力を入れている。

このような開発に国家が支援するべきではないのですか??
古い体質のゼネコンに公共事業を任せ、そのため新しい技術も使わ
ない施設を作る。ただ、闇雲に財政出動しても、日本の競争力は高
まらない。お金を使うことができる物や事が必要なのです。もし、
ないなら、国家の財形出動したお金は貯金になるだけです。甘えが
日本のガンであろうと思う。新技術を国家が支援して、積極的に国
家の施設に利用するべきではないでしょうか??

勿論、有効な国家投資は、必要です。企業の基盤を作る投資は国家
が積極的にすることです。地方や業界、国民の甘たれ投資は禁物で
す。それと、失業対策は、重要になるし、国家がある程度、面倒を
見る必要があるでしょうね。

1985年から1995年の10年間に行った米国再生プログラム
を日本も行う必要があるのです。一度、日本経済の悪い所を整理し
て、それから新しい再生のストーリーを作ることが重要であろう。

有効な金を使う必要があるのは国家も家も同じである。だた金を
ばら撒けはいかがなものか???
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いよいよ、金融恐慌突入です。
日経ビジネス2001.12.3号のタイトルは「暴走する不良債
権」です。我々は、何にも成す術がないのか。
石川啄木の
「働けど働けど 我が暮らし楽ににならざり じっと我が手を見る」
「時代閉塞の現状」
を思い出します。
tanaka
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(Fのコメント)
この感じも米国の1985年から1990年の状況とよく似ている。
そして、やっと、日本の頑迷な政治家も問題点が分かってきたよう
だ。中国へ工場が移転して、日本が空洞化しているのが大きな問題
であることが。このコラムでは2年前から、中国へのODAは日本
経済潰しですよと警告し続けていた。

しかし、小泉抵抗勢力は、中国からのキックバックが欲しくて、
ODAを止めなかった。北朝鮮への資金や援助は問題ですよと警告
しても、これも止めなかった。朝鮮総連が北朝鮮に朝銀の預金を
不正流用しているのはわかっていたのです。このため、朝銀に1兆
円もの国民の税金を投入させられたのです。全て、このコラムの言
う通りになったのです。もういい加減にわかってほしいものである
。そうしないと、日本国家は沈没することになる。

国家経済の再生では議員個人の利益や短期的な地元民の甘えではな
く、国家全体の利益のためにどうすればいいのかを考えて欲しいの
です。100年の大計を構築することが必要です。本格治療をする
ことが、どうしても必要ですよ。


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