729−2.日本の金融危機について



1998年の金融危機と同じ雰囲気になってきた。 Fより

どうも、日本の金融業界は北海道拓殖銀行破綻、山一證券破綻の
二の舞を演じようとしているようです。あさひ銀行で取り付け騒ぎ
が起こり、90円の株価に下落した。そして、法定準備金を取り崩
し、不良債権処理を行うことにした。そして、三井住友銀も同様な
処置を講ずることになった。これはいかに日本の銀行が切羽詰った
状態になっているかが分かる。

朝日生命は東京海上に譲渡するし、大成火災は倒産した。このよう
に日本の金融界は、淘汰の中にある。今後ペイオフ実施により、取
り付け騒ぎは各所で起こることが想定される。この事態の推移を見
ていると、日本の金融当局は1998年の危機から何も勉強してい
ない事がわかる。どうしようもない苛立ちを感じるが、どうであろ
うか。やることがすべて後手になっている。もう少し果敢な行動が
必要ではないですか??

公的資金投入も日銀や財務省が言っているのに、OKを出さない。
硬直した対応になっている。特別監査をしているが、問題点は出さ
ないようにするのであろうか??誰がそれを信用するのであろうか
??早い対応をしないと、益々事態は悪化していくように思うが。
手遅れになる。

そして、ゼネコンを潰さないとオーバー・ゼネコンになっているた
め、価格競争が激しくて、日本のデフレ体質を変化させることがで
きない。そのゼネコンを潰さない銀行と政治家達が日本のデフレの
元凶なのです。ここでも日本潰しはゼネコンを潰さない地方出身の
政治家である。どうして、そんなに日本の産業を潰したいのか、分
からない。ゼネンコンの安値受注のため、装置会社、機器会社の
ほとんどが赤字になっている。このまま、放置すると日本企業の中
核である機器会社のほとんどは潰れることになる。もう少し、冷静
に日本の将来を見据えることができないのですかね、議員の良識を
疑う。
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(11/22)再保険で巨額損失・大成火災が経営破たん
  高利回り取引に傾斜、リスク負えず

 中堅損害保険会社の大成火災海上保険が更生特例法の適用を申請
し破たんしたのは、米同時テロを受け保険会社同士で保険を掛け合
う「再保険」取引に数百億円規模の損失が発生したためだ。巨額損
失の裏側には複雑な再保険制度のなかでハイリスク・ハイリターン
な取引に傾注した姿が浮かび上がってくる。 

 再保険は顧客から預かった保険料の一部を他の保険会社に払い、
保険金の支払いリスクを肩代わりしてもらう制度。再保険を引き受
けた保険会社がさらに別の会社に保険料を回していくこと(再々保
険)で、多くの会社間で支払いリスクを分散させる仕組みだ。 

 大成火災、日産火災海上保険、あいおい損害保険の3社は再保険取
引を専門に手がける米保険代理店フォートレス・リー社と組み、他
の損保から保険リスクを引き受ける再保険事業を共同で実施してい
た。事業を始めた1970年代には引き受けたリスクをきちんと再々保
険に出し、安定的な取引をしていたという。 

 しかし、80年代以降、様相が変わり始めた。世界で大規模な自然
災害が頻発したことで再保険市場の保険料が高騰、他社から引き受
けたリスクを再々保険に回すことが難しくなった。大成火災などは
「このままでは事業が成立しなくなる」と危機感を募らせた。 

 そこで米フォートレス・リーとともに考え出したのが、再々保険
料を極端に割安にしてもらう代わりに、万一事故が起きたときには
その損失を3社自身で負担する仕組みだった。リスクを他の会社に転
嫁するのではなく、自分でかぶることにしたわけだ。 

 具体的には事故が起きるとまず、3社は再々保険を出している相
手の保険会社から保険金をいったん受け取り、それをもう一方の再
保険契約の支払いに充てる。受け取ったお金はその後5年かけて、
再々保険の相手に分割返済する。 

 3社には返済義務があるため実質的な保険金支払い負担をかぶる
ことになり、事故が起きれば3社に損失が発生する。ただ返済期間
を単年度ではなく5年にしておけば、1年当たりの負担はあまり重く
ならないと考えた。 

 つまり3社が作った仕組みは、リスクを外に出すのではなく自分
で抱えたうえで、支払い負担を複数年度に分けることで事故を乗
り切ろうという狙いだったわけだ。 

 3社にとっては支払う再々保険料が安くなる一方、他の保険会社
から受け取る再保険料は変わらないため、その利ザヤが大幅に広が
って高利回りな取引になる。しかし、事故が起きれば支払い負担は
丸ごと3社がかぶる。その落とし穴が米同時テロという保険史上最
悪の事故で一気に露呈した。 

 大成火災、日産火災、安田火災海上保険は来年4月に「損害保険ジ
ャパン」として合併する計画だった。今年初めには合併比率の算定
を担当したアドバイザーの金融機関から取引の危険性を指摘されて
いた。 

 損保ジャパン3社は取引内容を精査するため調査チームを結成、
9月10日に米国で本格的な調べを始めた。米同時テロが起きたのは
その翌日だった。関係者は「すぐにこの取引が巨額の損失につなが
ることが頭をよぎった」と話す。 

 ところが、損害額を発表するまでには2カ月以上もかかった。22日
に記者会見したあいおい損保の瀬下明社長は「市場への影響も大き
く、想定で損害額を発表するのは不適切と判断した」と説明するが
、情報開示の遅れは否めない。 

 安田火災の平野浩志社長は合併時期が遅れる可能性を「選択肢と
しては否定できない」と述べた。高利回りを求め続けた代償は重い
ものになりそうだ。
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あさひ銀、法定準備金を取り崩しへ 
 あさひ銀行は20日、02年3月期決算の業績予想修正を発表し
、今年度の不良債権処理額を当初予定の5倍にあたる4000億円
に増やすことを表明した。金融庁が大口の借り手の状況を洗い直す
特別検査に入ったのを踏まえ、ゼネコンや不動産、流通などを中心
に貸し倒れ引当金を大幅に積み増したため。最終損益は5200億
円の赤字となり、自己資本の一部である法定準備金を取り崩す見通
しだ。大規模な不良債権処理を伴う法定準備金の取り崩しは初めて
という。 

 あさひ銀は02年3月までに大和銀行との経営統合を予定してい
る。不良債権処理額を大幅に増やし、不安定要因を取り除き、統合
作業を円滑に進めるのが狙い。 

 貸し倒れ引当金が増えるのは、引当率を引き上げた影響が大きい
。回収に注意を要する「要注意先」については現行3%を7%半ば
に、貸し出し条件を緩和している「要管理先」については現行9%
を24%半ばとした。これまでの邦銀の標準的な引当率である要注
意先3〜4%、要管理先約15%の水準を大きく上回ることになる
。大手銀行への特別検査は今後本格化するが、記者会見した梁瀬行
雄頭取は「これ以上の積み増しは必要ない」としている。 

 赤字額を剰余金でまかなえないため、法定準備金約6000億円
のうち約5000億円を取り崩す見通しだ。自己資本の目減りを補
うために約1000億円の優先出資証券を発行し自己資本比率は9
%以上を確保する。国際業務を営む銀行に求められる水準を上回っ
ており、同行は公的資金の再注入は必要ないとしている。 

 経営の不安定要因になっている保有株式の売却も急ぐ方針で、簿
価ベースで01年3月末の保有残高1兆8000億円を02年3月
末には1兆1500億円まで圧縮。また、今年冬の賞与を平均26
%削減するほか、人員も02年3月までの半年間で約1200人追
加削減するなどリストラもより強化する。(01:13) 


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