718−1.ゴールについて



ゴールを知っていますか?日本の忘れてきたもの。 Fより

「ザ・ゴール」企業の究極の目的とは何か??
エリヤフ・ゴールドラッド著
この本の根幹は、制約条件の理論(TOC)の解説にある。
エリヤフ・ゴールドラッド自体は、物理学者であり、84年に米国
で出版された。しかし、日本語への訳を10年以上拒んだという経
緯が示し様に、日本の製造業に対する対抗の理論なのです。
そして、物の見事に日本を追い詰めたのです。

制約条件は企業などが目指す目標の達成を妨げている要素のこと。
この制約条件に着目することで、組織の改善を効率的に行い、儲か
る構造をつくり出す。それがTOCの考え方である。

工業で各工程の効率を上げれば上げるほど、工場内で最も生産性の
低い工程にしわ寄せが生じ、他工程の改善努力は仕掛在庫の増大を
生むことになる。ボトルネックの工程の改善を行い、他工程の生産
性を低下させて、高生産性を達成できる。TOCは全体最適の思想
なのです。

そして、日本はTQC活動を部分部分の工程で行ったために、部分
最適しかできなかった。このために、凋落していったのです。
現在、デルやマクドナルドなどの欧米工場より、日本の工場は生産
性が悪化している。

メーカーの目標は、おカネを儲けることにある。それ以外のすべて
は、その目標を達成するための手段です。
このためには、従業員を遊ばせることも必要なのです。全体最適の
ために、部分最適を犠牲にするのです。このことが日本企業ができ
ないようである。

それでは、ゴールに到るための方法はどうであろうか?
1.なにかを変えるのか?:中核問題を特定する。
2.何に変えるのか:解決策を策定する。
3.どうやって、変化を起こすか:実行計画を策定する。
4.継続的な改善プロセスを実現する。

そして、その結果は、改善とはコスト削減ではなく、スループット
の向上になることが分かる。スループットの最大化、在庫の排除が
優先事項になる。

もう1つ、(S1)制約条件を特定する。(S2)制約条件を徹底
的に活用する。(S3)制約条件以外を制約条件に従属させる。
(S4)制約条件の能力を上げる。(S5)惰性に気をつけて
(S1)に戻る。この改善プロセスを継続的に行う。

このような地道な努力を欧米企業は行っていたのです。そして、
日本企業は、このような全体最適の改善努力を怠っていた。この差
が効率の差になっているのです。日本企業よ、目を覚ませ!!!


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