ゴールを知っていますか?日本の忘れてきたもの。 Fより 「ザ・ゴール」企業の究極の目的とは何か?? エリヤフ・ゴールドラッド著 この本の根幹は、制約条件の理論(TOC)の解説にある。 エリヤフ・ゴールドラッド自体は、物理学者であり、84年に米国 で出版された。しかし、日本語への訳を10年以上拒んだという経 緯が示し様に、日本の製造業に対する対抗の理論なのです。 そして、物の見事に日本を追い詰めたのです。 制約条件は企業などが目指す目標の達成を妨げている要素のこと。 この制約条件に着目することで、組織の改善を効率的に行い、儲か る構造をつくり出す。それがTOCの考え方である。 工業で各工程の効率を上げれば上げるほど、工場内で最も生産性の 低い工程にしわ寄せが生じ、他工程の改善努力は仕掛在庫の増大を 生むことになる。ボトルネックの工程の改善を行い、他工程の生産 性を低下させて、高生産性を達成できる。TOCは全体最適の思想 なのです。 そして、日本はTQC活動を部分部分の工程で行ったために、部分 最適しかできなかった。このために、凋落していったのです。 現在、デルやマクドナルドなどの欧米工場より、日本の工場は生産 性が悪化している。 メーカーの目標は、おカネを儲けることにある。それ以外のすべて は、その目標を達成するための手段です。 このためには、従業員を遊ばせることも必要なのです。全体最適の ために、部分最適を犠牲にするのです。このことが日本企業ができ ないようである。 それでは、ゴールに到るための方法はどうであろうか? 1.なにかを変えるのか?:中核問題を特定する。 2.何に変えるのか:解決策を策定する。 3.どうやって、変化を起こすか:実行計画を策定する。 4.継続的な改善プロセスを実現する。 そして、その結果は、改善とはコスト削減ではなく、スループット の向上になることが分かる。スループットの最大化、在庫の排除が 優先事項になる。 もう1つ、(S1)制約条件を特定する。(S2)制約条件を徹底 的に活用する。(S3)制約条件以外を制約条件に従属させる。 (S4)制約条件の能力を上げる。(S5)惰性に気をつけて (S1)に戻る。この改善プロセスを継続的に行う。 このような地道な努力を欧米企業は行っていたのです。そして、 日本企業は、このような全体最適の改善努力を怠っていた。この差 が効率の差になっているのです。日本企業よ、目を覚ませ!!!