711−2.[米国が勝つ方法]について



        政治による非対称戦への対処策        
                       01.11.3
                        Domoto
                               
米連邦航空局(FAA)は30日、原子力発電所など原子力関連施
設上空を、30日夕から11月6日深夜まで、飛行禁止空域にする
措置を発表した。これは、29日の司法省のテロ警戒声明を受けた
ものだ。
国際原子力機関(IAEA)は1日、核によるテロや核施設に対す
るテロ攻撃の危険性が高まっていると警告する緊急声明を出した。
声明は「核テロの現実味が増大している」として、想定される核テ
ロとして、原子力発電所への攻撃や、放射性物質を通常の爆弾で飛
散させ、多くの人間を被爆させる――などを挙げた。
(11月2日ーCNN.co.jp)

2日、パキスタン国内で、炭疽菌入りの郵便物が少なくとも1通発
見されたことが明らかにされた。生物兵器によるテロの恐怖が広が
る一方、サリン、VXガスなどによる化学兵器が使われる予測も強
まってきた。

これらの社会不安はみな「非対称戦」によるものだ。アフガニスタ
ン情勢は泥沼化しつつあるが、テレビで報道されるそれは従来型戦
争だ。
1998年半ば、アメリカの国防長官の諮問委員会である「21世紀委員
会」が設立された。同委員会は、これからはゲリラやテロなどによ
る非対称戦が、国内攻撃として安全保障の脅威となることを指摘し
ていたという。この中では、国外での軍事紛争に重点をおいた「冷
戦型」の安全保障体制からの脱皮と、国内での非対称戦への備えも
提言していたという。

この提言は生かされず、9月11日のアメリカ・テロ事件がおきる
直前まで、米政府はミサイル防衛予算を議会で承認させることなど
に力を入れていた。米国防総省は10月1日、国防計画見直しの公
表で、それまで主軸としてきた、中東と朝鮮半島の2つの大規模地
域紛争への同時勝利を目指す二正面作戦を放棄し、より現実性の高
いテロ組織などとの「非対称戦」への対処を主軸に転換させている。
しかし、テレビ演説などでブッシュ大統領が「この戦争に勝つ」と
力説し、ラムズフェルド米国防長官が戦況説明をするのを聞いてい
ると、思考も手法も旧従来戦に対応したものに受け取れる。国防計
画見直しでは「再構成の機会を改めて探求する」とされているとい
うが、国防総省は今、ついきのうまでの国防戦略の見直しの真最中
だろう。

「21世紀型戦争」といわれる非対称戦は、従来の国家間戦争とは、
戦争の概念が根底から変わってしまう。当然現時点で、米政府にこ
の軍事作戦の戦略はないように見える。ビンラディンの捕獲、アル
カイダの壊滅、タリバン政権の打倒、アメリカのこの軍事作戦のゴ
ールは何なのか。ハイコスト・ローリターンのこの作戦をどうやっ
て終結させるのか。専門家は「テロ対策は麻薬犯罪の取り締まり同
様、終わりがない」という。非対称戦においては、敵の姿は見えず
明確な戦場もない。そもそも非対称戦には「勝利」という、従来の
国家間戦争のような概念は存在しないのではないか。要するに、核
、細菌、化学兵器という最新技術を用いたネットワーク型の「軽薄
短小」型が、「重厚長大」型と互角以上に戦う、「小」が「大」を
食うのが非対称戦だと思う。

非対称戦をこのように考えるのならば、軍事的手法は限界を露呈す
るだろう。イスラム過激派によるテロを生んだ、大きな原因の一つ
としてイスラム圏の貧困が指摘されている。OPECから世界へ石
油の安定供給がなされるのに、王室制度は原油を調達するのに都合
のよい制度だ。中東地域での王室国家体制が維持されるようなアメ
リカの中東政策は、西側諸国にとってそれぞれの国益にかなうもの
だ。しかしその西側諸国の国益は、安全保障において大きく損なわ
れる事態になった。中東イスラム地域に民主主義を広げ、近代化し
た自由経済社会に移行させ、西側諸国との経済格差のバランスをと
る「政治による非対称戦への対処」が、今後有効だと思う。
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発信者:yahmoto
件名:[米国が勝つ方法]について  
テロに対して、いわゆる武力を前面に押し出しての方策は、それ以
上表に出さない効果(これ以上出ようがない)はあると思いますが
、根絶したりする能力はないと思います。(根絶までの過程として
の一方策ではあるとおもいますが)
やはり根源的なのは、貧困だと思います、その貧困とは、目で見て
分かるタイプの貧困とそうでない貧困(一見してそうは見えないが
実は貧乏みたいな感じ)とがあり、そうでない貧困が先に行動する
と、侵略戦争のようなものに、目で見て分かるタイプの貧困が先に
行動を起こすとテロになるのだと思います。
いずれにしても、例えば思想的なものが前提としてあって、起こさ
れたテロでも貧乏でなければ、考える時間はあると思われる(時間
があればいいというものではないと思いますけど)ので、そこまで
行き過ぎたりはしないのではないでしょうか。
それよりも問題なのは、実際に死に追いやってしまう武器のほうだ
と思います。
自らの身体や心を含む精神を守るために、ある程度の武装はむしろ
したほうがいいと思いますが、その結果が相手を死に追いやってし
まうものでは、本末転倒です。
現場における効果という面においては、より強力な武器ということ
になるでしょうが、その後に残された人たち(その周りの第3者も
含めて)への影響は、攻撃を行ったものに対して尋常ならざる影響
があると思います(それも目的かもしれませんが)。
だから、解決の方法としては、国としての体力がつくような政策を
、国連や、日本などの、当事国でないところが当事国に働きかけて
、提案する。
その政策の進行を当事国同士を含めた第3機関で監視する(国連で
もいい)。
要するに、「今まであなたたちを国際社会は、軽く見ていたように
思われますけど、そんなことないよ、ちゃんと仲間だと思ってます
よ」という意思表示をすればいいのではないでしょうか。(中身も
大事ですが)
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(Fのコメント)
米国とアルカイダの戦いであり、今までにない非対称戦、テロ戦争
です。どうすれば、勝てるかというのは、テロ活動をする民衆の動
機を潰すことが重要であることは明白です。
このために、貧困の克服があるのですが、この対応では長期間の現
在起こっているテロ活動を防げない問題点があり、短期的な対応が
必要なのです。

この短期の中にはアルカイダの本部機能をマヒさせて、これ以上の
テロができないようにするとか、資金を枯渇させて、活動できない
ようにするとかが、必要なのでしょうね。このビンラディンの資金
の多くは、サウジの王族や支持者からの寄付ですから、この資金の
出所を封鎖する必要があるようです。そろそろ、世界的な活動がで
きなくなると思う。アルカイダ関連の資金の口座が封鎖されたため
、大きな活動ができなくなる。このため、米国のテロも下火になっ
てきた。まだ、心配はあるが。

通常戦争でタリバンと戦っているが、これは、再度ベトナム戦争に
なってしまう可能性がある。都市と道路だけの支配。点と線の支配。
時々、米国地上軍を襲撃するゲリラが出没する。これに対しては、
パシュトン人の政府軍との戦いにする必要がある。民衆をタリバン
から政府軍に鞍替えさせる必要がある。米軍が全面に出てはいけな
い。この仕組みができないと危うい。
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アジア・太平洋軍事・諜報ニュース01-298号
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●北部同盟の騎兵部隊、タリバンの戦車を攻撃
08.11.2001 08:46:44

水曜日、統合参謀次長米海兵隊Peter Pace将軍は、米空軍爆撃機の
パイロットが戦闘飛行中、マザリ・シャリフ近郊において、北部同
盟の騎兵部隊がタリバンの戦車及び重歩兵を攻撃しているのを観測
したと、Reutersの記者に伝えた。

ペイスは、北部同盟の兵士をタリバンの「危険な敵」と呼んだ。
米国防総省代表は、山岳地形と事実上の道路の完全な欠如を伴うア
フガニスタンでは、馬の使用が若干の優勢を与え得ると考えている
。

専門家の1人は、北部同盟軍を「自部隊の機動性向上のために馬を使
用しつつ、少ない食料及び弾薬予備で戦闘行動を行える最も軽い歩
兵であり、燃料及び予備部品の常時補給が必要な車両を使用する部
隊よりも優れている」と描写した。

専門家の言葉によれば、北部同盟に入っている部族の多くは、自動
車を有しているが、乗馬して戦闘行動を行うことを好んでいる。

マザリ・シャリフ及びカブール近郊において北部同盟の成功はある
のか、という記者の質問に対して、ペイス将軍は、「そこは戦闘中
であり、何かを語るには早すぎる」と語った。
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アジア・太平洋軍事・諜報ニュース01-299号
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●マザリ・シャリフ奪取!
9.11.2001, 22:39

Война.руによれば、アフガニスタン北部のマザリ・シャリフ
市の「北部同盟」軍による奪取の情報が確認された。

マザリ・シャリフに対する反タリバン連合の攻撃成功とカブールへ
の前進開始に関する情報が確認された。これについては、CNNとBBC
が同時に伝えた。

その外、「北部同盟」軍によるマザリ・シャリフ奪取の事実は、「
タリバン」運動代表も確認した。当初、彼らは、この戦略的に重要
な都市がアブドゥラシド・ドスタム将軍の手にあるとの情報を否定
していた。

これと関連して、英国首相トニー・ブレアは、「北部同盟」軍が
マザリ・シャリフ奪取の道に著しい前進を獲得したと伝えた。

今日、9月11日の米国でのテロ行為の直接実行者の1人、モハメッド
・アッタが、プラハの「自由」ラジオの建物の爆破を計画していた
ことが明らかになった。
これについては、チェコ首相ミロシュ・ゼマンが伝えた。

○「北部同盟」、カブール前進
9.11.2001, 20:02
Война.руによれば、「北部同盟」軍は、アフガニスタンの
首都カブールに対する攻撃を開始した。

今晩、反タリバン連合軍は、カブール攻撃を開始した。入手した情
報によれば、「北部同盟」軍は、アフガンの首都から50kmの距離に
存在する。

カブールへの「北部同盟」の前進に関する情報は、カタールの「
アル・ジャジーラ」テレビから入ったが、現在のところ、どの情報
筋も、この情報を確認していない。


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